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第25回日本ジュニアボディビル選手権・第8回全国高校生ボディビル選手権

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[ 月刊ボディビルディング 2014年1月号 ]
掲載日:2017.06.07
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2013年10月14日、午後からの日本選手権前にメルバルク東京に於いて開催される全国高校生・日本ジュニア選手権をレポートする。

高校生大会はボディビルコンテストを目指す人のみならず、筋トレを実施しているアスリート達・腹筋自慢の高校生・リハビリで筋トレの経験者等々ウェイトトレーニングの経験者が高等学校の出場承認を得てボディビルコンテストという形で競い合い、未熟でも将来に繋がる登竜門大会と位置づけている。

また、ジュニア選手は地方連盟から日本連盟選手登録をしている日本国籍を有する15才以上21才以下(IFBB規約改定に伴い2014年から23才以下)の者で競われる。

高校生大会は8回、ジュニア選手権は25回の回を重ね、参加選手も毎年微増では有るが増え続けている。然し、公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟として今後フィットネス競技も視野にいれ、ジュニア層の強化育成のシステム作りが不可欠である。

さて、今年の高校生のレベルはどうか気に成るところである。参加選手は12名と昨年より2名増えている。東京開催という事もありやはり東日本の選手が多いが、青森県勢が初参加で3名も送り込んで来ている。ラインナップ時に特に超高校生級の選手は見当たらず、ちょっと小粒感が否めない。

高校生の審査は一般の審査より将来性を加味した審査が望まれる。基礎トレーニングを積み重ねる事が肝要であり、目先の結果を求め筋量の少ない体をバリバリに絞り切っては将来に繋がらないと考える。
 
12名参加で審査は順位付け審査となり、ゼッケン順に基本ポーズ審査が進められる。会場からは自分の応援する選手のゼッケンNo.を呼び合う声援で大いに盛り上がりを見せ、ファーストコールはゼッケンNo.42佐竹優典選手(春日部共栄高)、No.44小川拓海選手(山村国際高・埼玉)、No.45鈴木友也選手(愛知工業大学名電高)、No.48角田斗磨選手(青森県立三沢高校)、No.53青木弘樹選手(群馬県立利根実業高)の5名であった。セカンドコールは先の5名にゼッケンNo.51岡本降矢選手(御殿場西高・静岡)が加わり審査が進められた。トップ6の選手は殆ど160cm台で下半身の弱さが目立つ中、身長185cm No.53青木宏樹選手のスケールの大きさが眼についた。フリーポーズは練習・研究を重ねて来たと思われ総じて上手い。

審査結果は上半身のキレが抜群の名電高No.45鈴木友也選手が優勝、2位にバランスの良い山村国際高No.44小川拓海選手、3位に上下共に筋量の有る青森三沢高校No.48角田斗磨選手、4位にポーズが上手な春日部共栄高のNo.42佐竹優典選手、5位にスケールが大きく上下のバランスも良い利根実業高No.53青木宏樹選手、よく焼き込んだ体で御殿場西高No.51岡本隆矢選手がベスト6に名を連ねた。参加選手の殆どが3年生で夫々の道に進むと思うが、是非ボディビルを続けて欲しい。数少ない2年生で4位に入賞した春日部共栄の佐竹選手には、パワーもボディビルも両立させ来年の躍進を期待したい。

次に日本ジュニア選手権のレポートに進めていきたい。本年度の参加選手は14名に高校生12名を加えた総勢26名でJOCジュニアオリンピックカップ日本ジュニアポディビル選手権のタイトルが争われた。

進行は先に高校生大会が行われたので、ジュニアの選手から始まり12名のピックアップ審査に入り、順位付けの予選審査・決勝審査と進められた。ジュニアのラインナップを見た瞬間、今年のジュニアは昨年の上位入賞者がスケールアップして登場し、初登場の選手もレベルが高く、粒揃いなので楽しませてくれると感じた。

先ず目に飛び込んで来たのはNo.58村上勝英(大阪)、No.61池口翔ヘンリ(茨城)、No.65斑目陽一(東京)選手らで、特に村上勝英選手が際立っていた。ボーダーラインの選手がコールされピックアップ審査が終了し、いよいよ12名による予選審査が開始された。

ファーストコールは誰か?やはり過去日本ジュニア入賞経験のある5人が呼ばれた。ゼッケンNo.55西本祐也選手(岡山)、No.56柴崎吉識選手(埼玉)、No.58村上勝英選手、No.61池口翔ヘンリ選手、No.65斑目陽一選手がコールされた。

No.55西本選手は高校時代から出場し進化しているが、ダブルバイ・バックダブルバイの後背の広がりに問題あり。No.56柴崎吉織選手は下半身が弱く、特にサイドポーズでは弱さが目立つ。No.58村上勝英選手は昨年よりバルクアップし、ウエストから後背のアウトラインも良くなり、全身のキレも良く最高の仕上がりを見せていた。No.61池口翔ヘンリ選手は昨年より背筋の厚さと広がりが増し、一回りバルクアップされ、昨年6位から一気に表彰台を目指す勢い。No.65斑目陽一選手は弱点だった上半身の弱さが改善され上下のバランスが良くなったが、広背の広がりが欲しいところ。 

セカンドコール、サードコールと審査が進むにつれ、多くの選手に下半身の弱さが目につくようになった。

フリーポーズは無難にこなす選手が多い中、音楽とポーズがマッチしない選手も見受けられた。

結果は予選・決勝共審査員全員1位のパーフェクト審査で村上勝英選手が優勝。2位は昨年より上下のバランスが良くなった斑目陽一選手。3位は進境著しい池口翔ヘンリ選手。4位に昨年より順位を一つ上げた西本祐也選手。5位に過去最高の成績を残した柴崎吉識選手。6位に初入賞の梅村将斗選手が健闘した。

来年からIFBB規約改定に伴いJBBFも全てのジュニアカテゴリーは23才以下となり、2才アップする事によりジュニアに再チャレンジする選手・社会人になった学連出身者・学連も加わる可能性があり、益々レベルアップが期待される。

第25回日本ジュニアボディビル選手権

優勝/村上勝英(21・大阪)

優勝/村上勝英(21・大阪)

左:3位/池口翔ヘンリ(21・茨城) 右:2位/班目陽一(20・東京)

左:3位/池口翔ヘンリ(21・茨城) 右:2位/班目陽一(20・東京)

左:5位/柴崎吉識(21・埼玉) 右:4位/西本祐也(21・岡山)

左:5位/柴崎吉識(21・埼玉) 右:4位/西本祐也(21・岡山)

左:7位/吉永雄哉(19・東京) 右:6位/梅村将斗(19・長野)

左:7位/吉永雄哉(19・東京) 右:6位/梅村将斗(19・長野)

左から村上、池口、班目

左から村上、池口、班目

第8回全国高校生ボディビル選手権

優勝/鈴木友也(18・愛工大名電)

優勝/鈴木友也(18・愛工大名電)

左:3位/角田斗磨(17・青森県立三沢高校) 右:2位/小川拓海(18・山村国際高校)

左:3位/角田斗磨(17・青森県立三沢高校) 右:2位/小川拓海(18・山村国際高校)

左:5位/青木宏樹(18・群馬県立利根実業) 右:4位/佐竹優典(17・春日部共栄高校)

左:5位/青木宏樹(18・群馬県立利根実業) 右:4位/佐竹優典(17・春日部共栄高校)

左:7位/七崎駿輝(18・青森県立十和田工業) 右:6位/岡本隆矢(18・御殿場西高校)

左:7位/七崎駿輝(18・青森県立十和田工業) 右:6位/岡本隆矢(18・御殿場西高校)

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上段左から 8位/成田舜吾(17・青森県立八戸西高校) 9位/奥村大伸(17・大阪市立淀商業)
下段左から 10位/福盛矢真人(17・龍谷大平安高校) 11位/荻野紳太郎(17・日体荏原高校) 12位/佐藤穂高(18・樹徳高校)

左から佐竹、角田、鈴木、小川、青木

左から佐竹、角田、鈴木、小川、青木

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上段 左から奥村、成田、七崎、岡本
下段 左から福盛、佐藤、荻野

10月14日
メルパルク東京
写真:
徳江正之
レポート:
JBBFジュニア委員会委員長 藤原達也
[ 月刊ボディビルディング 2014年1月号 ]

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