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Ms. Gina Lombardi 〜女性トレーニングコーチのキャリア〜 パーソナルトレーナーの道を開拓したひとり 女性トレーナーとしての生き方NSCA国際カンファレンス

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掲載日:2017.07.06
NSCA国際カンファレンスで持たれた「女性トレーニングコーチのキャリア」女性のためのセッション。

Gina Lombardiさんは、現在ハリウッドに住み、俳優を中心に、様々なクライアントを相手にパーソナルトレーナーとして活躍中。

そこに至るまで、女性トレーナーとしての苦労や並外れた努力の数々は、
現在、日本の女性トレーナーが抱える悩みの解決の糸口になるのではないでしょうか。

Gina Lombardiさんとは

ペンシルベニア大学を優秀な成績で卒業(歯科衛生/ヘルスサイエンス専攻)
NSCA(米国ストレングス&コンディショニング協会)およびロサンゼルスの南カリフォルニア大学からパーソナルトレーニングの認定を取得。
また、同様にリハビリ後のコンディショニングおよび体重管理の認定も取得。

NSCAにおいては、全国認定の公認パーソナルトレーナープログラムを作成する特別開発チームメンバーです。

NSCA試験開発委員会の委員を務めるとともに、パーソナルトレーナー委員会の委員長を5年間務めました。

また、パーソナルトレーナープログラムに対する熱心な貢献と取組みにより、2003年にNSCAから年間最優秀パーソナルトレーナー賞を受けたほか、
『ストレングス&コンディショニング誌』ではパーソナルトレーナーの「1対1」コーナーでコラム編集者として活躍しました。

パーソナルトレーナーの資格をつくる

フィジークオンラインでも取り上げた、国内で活躍されている女性トレーナー岡田千詠子さんを10年前に指導したことがあるというGina Lombardiさん。

今では、日常的に耳にするようになった「パーソナルトレーナー」ですが、その資格は、どのようにできたのでしょうか。

「私がこのようなフィットネスという分野に入ったのは、28年前になります。まさに、女性にとっては、この業界で仕事をすることがとても困難な時代でした。

ペンシルベニア大学を卒業した後、ロサンゼルスに移り、勉強を続けるために、南カリフォルニア大学に入りました。

「ストレングス&コンディショニング」のクラスでは、35名の男性の生徒に対して、女性は私一人でした。

その時に、私の最初のメンターとも言える先生から、NSCAを教えてもらい、
CSCS(Certified Strength & Conditioning Specialist:CSCS認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)のエキスパートを取ることを勧められました。

それから1年後に、先生からパーソナルトレーナーをつくる委員会として、共に活動しないかとお誘いをいただきました。」
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「当時、コーチは居ましたが、個々のクライアントにつくという形のパーソナルトレーナーは居なかったし、もちろん資格もありませんでした。

3名で委員会を設立したものの、まさに手探り状態でした。
その資格をつくるために、必要なカリキュラムを全て一から作らなければなりませんでした。

また、パーソナルトレーナーとは何なのか、パーソナルトレーナーは何を教えていかなければならないのかなどを考えていく必要があったのです。

1993年に第1回認定試験を行いました。
その最初の試験の時には、ドキドキして私はドアの外で受験者が出てくるのをずっと待っていました。
結果は、83%が不合格でした。しかし、それで良かったのです。

なぜなら、パーソナルトレーナーとして高い基準を設けたからです。
その後、高い基準を保ちながら合格者がより増えるように工夫していきました。」

女性が働きにくかった環境を自ら切り開く

男性の多い職場として、女性が働きづらいと言われるこの業界ですが、
アメリカというフィットネス大国でも、それは同じだったようです。

Gina Lombardiさんは、すでにその時期を乗り越え前進しています。
彼女の言葉は、日本の女性トレーナーの励みとなり、参考になるはずです。

「私がパーソナルトレーナーになったのには2つの理由があります。
一つは、職業や性別、年齢を問わず、人々に価値のあるサービスを提供し、生活の質を上げるお手伝いをしたいと思ったからです。

二つ目は、当時まだパーソナルトレーニングをしている人が誰もいなかったからです。
それは、新しい職業で、新しい業界をつくる機会になると考えたからです。とにかくとても大変でした。

NSCAで活動を始めた時、ナショナルカンファレンスというアメリカ国内で大きなカンファンレンスが行われました。
そこで参加していた女性はたったの2人だけでした。

とにかく周りは男性だらけで、私のことを誰も真剣に扱ってはくれず、軽くあしらわれていると感じました。
だからこそ、私はなんとしてでもこの分野をやりたい!
と思いました。」
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「この業界の中で、女性が尊敬を得るために打ち破らなければならないバリアがいくつもありました。

例えば、男性が女性を見る時に『体が小さい』や『力がなくて弱い』と思います。
なので、何か方法を見つけてコーチができるということを証明する必要がありました。

最初、思いついたことは、とにかく知識をつけるということ。
知識が豊富であるということは、年齢性差関係なく重宝されます。

次に、自分自身も体力・持久系のトレーニングをし、筋力や持久力を培うことで、無理なくクライアントに対応できるよう努力をしました。

また、男性のクライアントには、自分はコーチであり、効果的に指導する立場にあるので、
クライアントと同じ重さをリフティングする必要がないのだということを教え込んでいきました。

自分が得意なこと、ズバ抜けられるスキルを身につけ、それを武器にして、
コーチとして、またトレーナーとしてエキスパートとなっていくことができました。」

女性としてスキルをうまく活かすためには

「時には、自分の体力的、筋力的にトレーニングするのが困難だと思うクライアントにも出会います。
そのような時に、私が無理してセッションを行うのではく、どのようにすれば信頼を損なわず、うまくビジネスとして成り立たせることができるのかを考える必要がありました。

そういった場合には、自分の足りない部分を補うことができる男性トレーナーを雇用する必要を感じました。

そこで、私は二人の男性トレーナーを雇用しました。
クライアントによって、私よりも男性トレーナーの方が良いと判断した時には、私よりも大きく、力の強い彼らについてもらうようにしています。
そのトレーナーを選ぶ際にも、もちろん高い基準を設けています。

現在は私を含めて3名で働いています。
そうすることにより、クライアントも増えるので、収入も増えビジネスとしてもより成長することができます。」
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女性トレーナーとして認められるためにも

「私が常に心がけ、努力をしていることがあります。

それは、知識というものが時代の流れに沿ったものであり、時代遅れにならないことです。
なので、いつも夜遅くまでインターネットなどを利用しながら、日々勉強を重ねています。

また、女性としての優位性を得るためにも、できるだけ多くの知識を得ることが必要です。

できるだけ学位を得て、また認定資格を持っておけば、
誰も口を挟むことができなくなるので、それも武器のひとつとなるでしょう。」
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「トレーナーの資格を取り、警察官にトレーニング指導をするという職を得た友人が居るのですが、
最初、男性警官たちは女性からのトレーニング指導を受けたがりませんでした。

しかし、彼女は、自分がちゃんとトレーニングを教えることができるということを一貫して伝え続けました。
その結果、彼女はコーチとなり、現在とても活躍しています。

日本で活動する女性トレーナーの方々に伝えたいことは、自信を持って欲しいということです。
『君にはできない』と、 誰にも言われないようにして欲しいのです。

男性は女性と違った形で学ぶということも頭に入れておきましょう。
男性をトレーニングする時には、女性と違った方法で行っていく必要があるのです。」

パーソナルトレーナーとして成功した理由

Gina Lombardiさんも、一般の女性と同じく結婚、妊娠、出産を経験されました。
現在も、子育て真っ最中です。

出産後、ハリウッド俳優のご主人の手伝いもあり、6週間の育休の後すぐに仕事に復帰。

育休の間にも、クライアントは「Gina Lombardiさん以外とはトレーニングをしたくない」と言って彼女の復帰を待っていてくれたそうです。

このように、クライアントにとって大切な存在になれたことが、彼女の成功の秘訣になったことのひとつであると話を聞いていて感じました。
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「私が、トレーナーとして早い段階で成功できた理由は、新しいクライアントに出会った時にも、トレーニングを通して良い結果を出すことができたからだと思います。

私のトレーニングがクライアントにとって、うまく機能し、良い結果を出すことができたからだと思います。
例えば、身体が変わってきた、スポーツの競技も向上してきたなどです。

また、そのことにより、私のことをクライアントが口コミで広げていってくれたことです。

何よりも、プログラムが成功につながるので、プログラムをしっかり作ることが大切です。
また、トレーナーとしての正しい知識を得るためにも、信頼のおける組織と関わっていくことが大切です。

私は、NSCAのような信頼できる知識が得られる組織とつながり、また医学の専門家ともつながり、協力関係を持っています。
時には、医者から患者の体重を落とさなければならないだとか、
健康を増進しなければならない時などに仕事を紹介されることもあります。

トレーナーを始めた頃は、経験を積むために無料でやっていました。
経験を積むために、コーチのアシスタントをするなど下積み経験を積むことも大切です。
そのように、始めたばかりの人はやってみるのも良いでしょう。

日本の女性のトレーナーの方々へ、この業界の中で自信を持ってストロングであってください。」

いかがでしたか

Gina Lombardiさんのお話を伺いながら、日本でもアメリカでも苦労は同じだと思いました。
もしかすると、スポーツ大国であるアメリカの方が、
日本よりも、女性が切り開くのは大変だったのかもしれない、とそんな気もしました。

まだこの業界において、女性がほぼ活躍していない時代を開拓してきたGina Lombardiさんは、
とてもそのような荒波をくぐり抜けてきたようには見えないほど、
穏やかで優しく、また美しく知的で魅力的な女性でした。

どのジャンルにおいても、飛び抜けた人、突き抜けている人というのは、
影の努力、また日々の努力を怠らないストイックさのようなものがあるのだな、と改めて感じました。

ぜひ、日本の女性トレーナーのみなさま、また女性トレーナーを育てておられる方、トレーナーになってみたいと思っている女性の方々がGina Lombardiさんのお話を参考にしていただけたらいいなと思います。



文:カナ


特定非営利活動法人NSCAジャパン(全米ストレングス&コンディショニング協会・日本支部)

HP:www.nsca-japan.or.jp
Blog:オフィシャルブログ