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トレーニング後のリカバリーのススメ

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掲載日:2018.10.22
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フィジークオンラインの読者の皆様、はじめまして!
パーソナルトレーナーの大石ケイタロウと申します。
東京都町田市でパーソナルトレーニングジムBrainでトレーニング指導やマッスルセラピストとしての活動の他にパートナーストレッチの資格認定講師の活動もしています。
また、フルギアパワーリフティング競技者としての顔もありますが今回は整体師、ストレッチトレーナーという観点からコラムを書かせて頂こうと思います。

宜しくお願い致します。

トレーニング後のリカバリーについて

ひとつ質問です。
トレーニング後にリカバリーをしていますか?

賢明な読者の皆様はトレーニング後に当然のようにストレッチなどをしていると思いますが、中にはストレッチはしているがスクワットをすると腰がいつも痛いという方もいらっしゃると思います。

以前、実は私自身が腰痛に悩んでおりました。
就職によりトレーニングを長く中断していた時期があり、腰痛が悪化してしまったのです。
セラピストへの転職がきっかけで体の構造を学び、整体に通いながらウェイトトレーニングを実践するうちに腰痛を克服する事ができたのです。

筋肉は鍛えるだけでは育たない

今、筋力トレーニングはプチブームとも言える状況で至る所にマシンジムが建ち、ホームジムの文化も大分浸透していてトレーニングをする人が10年前に比べるとかなり増えたと感じています。

ボディメイクひとつをとっても様々な理論がありますが肉体の成長の為には

運動、栄養、休養のバランスが非常に大切です。

トレーニングについては言うまでもなくほとんどの方が情熱を注いて関心も非常に高いです。

栄養についても勤務中からアミノ酸を摂取してトレーニング後にはプロテインシェイクを飲む事が当たり前になっており、普段の食事にも拘る方が増えています。

しかし休養やリカバリーの事に関心を持ち実践している方はまだまだ少ないようです。

筆者が取ったアンケート結果があります。

ジムで定期的にトレーニングをしている方168名の内

・毎週、整体やマッサージなどの有料サービスを受けている。 15%
・セルフケアを積極的にしている。 32%
・何もしていない。鍛えるのみ53%

SNS上でのアンケートなので多少信ぴょう性に欠けるかも知れませんが、筆者が日頃見聞きしたり話を聞く中でもおおよそこのようなバランスではないでしょうか。

実に50%以上の方が鍛える事だけをしているというのです。

頂いた意見として

・整体には行きたいが色々な事情で行けない
・セルフケアやり方がわからない、効果を感じない
・故障した時だけ行く

などがありました。

筆者はパワーリフティング競技をしておりますが関節の怪我に悩むベテラン選手は非常に多いです。年齢と共に関節の痛みが悪化して記録が下がったり競技から退く方も多くいると感じています。

一方で指導者の先生の話を聞くと「怪我をしないフォームと練習方法を身につける事が最重要である。」という事をよく聞きます。

しかしながら現実はフィットネスクラブ、ジムで限界近いトレーニングに勤しむ方は怪我や慢性的な痛みに悩む人が多い、もしくは予備軍の方は多くいるのではないかと考えています。


「怪我があるという事は高強度のトレーニングをやれてる証拠」と先輩ビルダーに教わった事があります。
が、トレーナーとしてはまず怪我の予防を考えてプログラムを考えます。
ここでのプログラムとはトレーニングだけでなくリカバリーまでを含めたプランです。

リカバリーを何のために行うか

「トレーニングプログラムにおいて次のトレーニングのパフォーマンスを最大化する為。」

この一言につきます。

皆様のトレーニングはどの瞬間から始まっていますか?

ウォームアップから?その日のメインセットから?

あえて区切りをつけるならその日のトレーニングメニューを終えた瞬間から次のトレーニングの準備が始まっています。

試合に向けてトレーニングに時間を費やすように次のトレーニングに向けてリカバリーに時間を費やすべきところをトレーニングとリカバリーのバランスが取れていない方が非常に多いと感じています。

特に筋力トレーニングは基本的には体を痛めつける行為。手入れをせずに使い続ければ部品は劣化して壊れ、いずれ使えなくなるのは当然の事なのです。

人間の構造は精密機械さながらで、小さな不具合が大きく影響する事も多々あります。
筋肉関節に関しての問題を解決するために専門家としてトレーナーやセラピストがいます。

最近でこそリカバリーのグッズが増えて意識が高い人は増えています。
事実、トップ選手はトレーニングと同じ情熱をリカバリーにも注いでいます。

トレーニングの事をトレーナーに教わる文化は定着してきましたがリカバリーの事を教わる文化はまだまだ定着していません。

ジムトレーナーやパーソナルトレーナーがトレーニングやパフォーマンスアップの専門家なら、セラピストはリカバリーの職人と言えるでしょう。

パフォーマンスを最大化したい、動きに悩みがある、痛みと付き合いながらトレーニングをしている方は一度、第三者に診てもらう事をお勧めします。

筋力トレーニング後のリカバリーの方法

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現在はスポーツ医学の発達によって様々なリカバリー方法があります。

ハイドロセラピー(風呂)、アイスバス、ストレッチ、マッサージ、アイシング、フロスバンド、筋膜リリース、バイブレーションセラピー、整体、低周波治療、鍼灸、カッピング、カイロプラティック etc・・・

などなど様々なメソッドが存在します。

それぞれにメリットが存在するのでこれがベスト!というものは存在はしないと考えます。
自身の状態に合わせて複数の選択肢を持っておくと良いでしょう。

強い痛みがある場合や急性の場合(ぎっくり腰など)はまず医師や医療従事者の診断を受けることをお勧めします。

トレーニングの疲労を取る事についてセラピストから徒手療法の施術を受けるという選択肢があります。

筆者はセラピストでもありますので徒手療法の施術について書きたいと思います。

施術という言葉は実は「しじゅつ」と「せじゅつ」ふたつの読み方があります。

「しじゅつ」は手術など医療的な行為を施すことを指します。
「せじゅつ」は一般的に西洋医学以外の代替療法やカウンセリングからネイルなど技術を施す事を指すことが多く、ここではセラピストの徒手療法を施す「せじゅつ」について記します。

施術と言っても内容は様々で古くは野口整体という日本古来の整体からの流れもあればカイロプラティックを用いた徒手療法や徒手での揉みほぐし、アロママッサージなどセラピストによって様々です。

セラピストの視点から徒手療法の施術を受けるメリットを以下に挙げます。

1.リラックス効果により神経的な緊張と疲労を取る。
2.結合組織の流動性を高め炎症の回復を早める。
3.関節可動域の向上


施術の種類によって期待できる効果が変わりますが、アメリカの研究で、数あるメソッドの中でスポーツ後のリカバリーに一番貢献したのはマッサージだったというデータもあります。
神経的な疲労は蓄積していきます。疲労が溜まるとパフォーマンスは低下するので休養を取る必要性があります。

一方でデメリットもあります。

1.金銭的負担が大きい
2.一時的なパフォーマンスの低下
3.セラピストがトレーニングや医学的見解についての理解が薄い事がある。


3についてはセラピストにアンケートを取ったところ、自身で定期的にトレーニングをしている人は比較的少ないことがわかりました。
筆者は筋力トレーニング自体に否定的なセラピストに会ったこともありますが、さすがに稀であると思っています。

トレーニーとセラピストのギャップを埋める事が今後必要なのかもしれません。

セラピーの種類も様々ですと書きました。
体の状況によって必要なアクションが変わるので次に説明します。

状況別のアクション

1.痛みが強くて動かせない

まず整形外科の受診をお勧めします。
病院に行っても「湿布と痛み止めしか出されない」という声をよく聞きますが医師の指示に従って複数回受診をする事をオススメします。
医療のどの分野でもそうですが1発で診断ができることは少ないです。
病院での検査は原因を明確にする事が目的です。
原因が明確であればある程、プランが立てやすく精神的に安定もします。原因がわかっただけで調子が良くなる人もいます。
なかなか症状がはっきりしない場合は細かい検査をしてもらうよう医師とコミュニケーションを取りましょう。
実際の治療については様々な方法がありますので信頼の置けるトレーナーやセラピストとも繋がりを持つと良いでしょう。
2.慢性的にトレーニング後に痛みが出る

前項のような整形外科の受診もあると良いですが、ある程度動かせるのなら理学療法士のいるスポーツ整形外科やスポーツに強い接骨院の柔道整復師、アスレティックトレーナーの資格を持つスポーツトレーナーやカイロドクターのいる治療院、動作改善に精通したパーソナルトレーナーに相談すると良いでしょう。
動きの専門家なので問題点をより専門的に洗い出して改善策を考えてくれます。


3.特に問題を感じていない

ハードなトレーニングにより筋肉と関節はもちろん、神経の疲労が確実に蓄積します。
副交感神経を優位にするリラクゼーションマッサージや整体、タイ古式マッサージやパートナーストレッチなど徒手療法をセラピストから受ける事で筋肉と神経の緊張をリセットできます。
注意しなければならないのはセラピー直後の最初のトレーニングは副交感神経が優位になり出力が出ない事が多い事です。ウォームアップを綿密に行い、プログラムの強度を少し下げる事をお勧めします。
温泉浴も筋肉の疲労を取る効果が期待できるので休暇などで定期的に湯治をするのも良いでしょう。

まとめ 未来の筋肉のために

いかがでしたか?

今行なっている筋力トレーニングは筋肉だけに負荷を与えているわけではありません。
高強度であればあるほど関節、靭帯など結合組織にも確実にダメージを与えています。
今は若くてどんどん筋肉が大きくなって扱える重さがどんどん上がって面白くても、5年後10年後20年後も同じ事ができるでしょうか?

日々、自分の体の声を聞きながらトレーニングに励むと共に専門家のアドバイスに直接、耳を傾けてみる事をお勧めします。
自分の体の事がわかるとよりトレーニングが楽しくなります。

読者の皆様が末永く快適な筋トレライフを送れる事を願っております。
  • 大石 ケイタロウ

    スポーツ歴:テニス3年 パワーリフティング12年
    趣味:パワーリフティング・ゲーム・競馬

    【略歴】
    高校生の時よりパワーリフティング競技を始める。
    国内最大手整体サロンにて新店舗オープンやサロン店長、整体スクール講師、技術研修員、技術開発プロジェクトチームを歴任。技術コンテストでも当時整体師1000人の中から入賞する。
    2017年よりパーソナルトレーナー事業をスタート。クライアントは20代から70代まで幅広く、整体の技術と自身のパワーリフティングの経験に基づいたトレーニング指導を持って東京都町田市を中心に活動している。

    【保有資格】
    ・NESTA-PFT
    ・日本パートナーストレッチ&コンディショニング協会認定マスタートレーナー