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第四十二回 新サプリメント・トピックス バルクアップ

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.08.04

バルクアップ

 前号で告知しました通り、今回はバルクアップについて触れてみます。

 様々なアスリートと接点をもたせていただき、また時にはボディメイクのお手伝いをさせていただいていますが、個人的にはダイエット(減量)よりもバルクアップの方がハードルの高い作業だと認識しています。どちらもトレーニングという要素と栄養という要素が不可欠ではありますが、敢えて優先順位をつけるならば、ダイエットは食事や栄養の要素が大きく影響し、逆にバルクアップはトレーニングの要素なしでは成し遂げられません。従って、バルクアップするためのトレーニングの種類はどんどんと開発されていくわけですが、トレーニングの成果を更に引き出すためには栄養の要素が重要であることは言うまでもありません。

 栄養という観点からバルクアップに効果的な方法を考えてみた時に、まずお勧めなのは「補食」です。補食とは食事と食事の間に、小さな食事をとることで、結果として一日トータルの摂取カロリーを増やすことです。一度にたくさんの食事をしても、胃腸のキャパシティを越えた摂取は一気に効率が落ちてしまいます。そこで一度の食事を腹八分目とし(キャパの範囲内とし)、食間に小さな食事をとりいれるのです。コンビニで売っているものであれば、オニギリ、バナナ、野菜ジュース、スポーツドリンク、サラダ、おでんなど、低脂質くらいを意識すれば適当に2~3品選べばいいでしょう。更にここの精度を上げるのであれば、MRP(ミールリプレイスメント=代替食)のようなサプリメントを活用すると効果的であります。
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 以前、全日本プロレスの若手選手が、胃腸が弱いため食べても身につきにくくなかなか体重が増えずに悩んでいた際、ミールリプレイスメントプロテインを一日8回飲むことで見事にヘビー級の肉体を作ったことを思い出します(一日8回は極端な量ではありますが…)。

 次にアミノ酸を使ってのバルクアップです。それは血中のアミノ酸濃度を高い状態で維持するというやり方です。必須アミノ酸を空腹時に何回か補充することで、血液中のアミノ酸濃度が高い状態で維持されます。通常空腹の状態は、血糖値もアミノ酸濃度も下がっている状態であります。そのタイミングでアミノ酸を補充してやり、体内にアミノ酸が十分にある状態を作るということです。アミノ酸は血液中を循環していますが、どこかに蓄えておくことができない栄養素です。従って食べ溜めや飲み溜めができません。朝にたくさんのタンパク質やアミノ酸を摂取していても、昼食を抜くなどをすれば夕方には血中のアミノ酸濃度はさがってしまいます。

 起床時、10時、15 時、就寝前など、空腹を狙ってアミノ酸を補充します。この時に使用するのは、9種類の必須アミノ酸であります。

 そしてトレーニングの最中に関しては、必須アミノ酸の中でもBCAAを集中的に補充するようにします。トレーニングの前、最中、直後の最低3回は補充したいところです。運動強度や骨格筋の量、運動時間などによって個人差はありますが、合計で10g以上飲むと血中のBCAA濃度を落とさずにトレーニングができるでしょう。

 三つ目には、ゴールデンタイムと呼ばれるトレーニング直後のタイミングをどれだけ活用できるかです。ゴールデンタイムについては、前号で詳しく触れていますが、トレーニングが終わってから遅くとも1時間以内に、タンパク質と糖質を摂取するようにします。特に糖質が重要で、比率的にも糖質メインの比率がいいでしょう。タンパク質が足りないと不安になる方もいらっしゃるかと思いますが、そのためにもトレーニング中にBCAAを積極的に補充しておくのです。

 ウェイトトレーニングは色々な表現で表されます。筋線維を破壊する行為だとか、乳酸を溜める行為だとか、自身のハードルを乗り越える行為だとか、気持ちの限界を肉体の限界に近づける行為だとか…。

 すべて正解ですが、もう一つ付け加えるとするならば、筋細胞内のエネルギーを枯渇させる行為でもあります。筋形質と呼ばれるエネルギー(グリコーゲン、ATP)を蓄えている箇所が空っぽに近づいていくのです。トレーニング直後には、筋肉の材料となるタンパク質(プロテイン)の補充も重要ですが、それを取り巻くエネルギーの補充は更に重要となります。この筋形質を補充することもバルクアップの大切な要素となります。

 最後にゴールデンタイムの拡大解釈の側面もあるのですが、トレーニング中にどれだけエネルギーが補充できるかも意識できると効果があがってきます。水分補給は当たり前ですが、同時にエネルギーも積極的に補充するのが理想です。

 ハイポトニック(低浸透圧)タイプのエネルギードリンクを使って、水分とエネルギーの同時補給を行うといいでしょう。ちなみにこれは減量期にも同様で、減量期は特にエネルギーの制約が加わりますから、その補充するタイミングの重要度が増してきます。朝食とトレーニング中にしっかりとエネルギーを補充することができれば、筋肉の分解を最小限にとどめることが可能となります。

 腹八分目の食事、補食(間食)、必須アミノ酸の補充、トレーニング中のBCAAの補充、トレーニング中のエネルギー補充、トレーング後のエネルギーとタンパク質補充、これらの要素を押さえた上でトレーニング強度を上げていくことがバルクアップのコツといえるでしょう。 栄養面からのアプローチではありませんが、ミスターユニバースの杉田茂会長がバルクアップについて教えてくれた3要素があります。

 一つは漸進的向上。少しずつ少しずつ強度(負荷)をあげていくこと。そしてその負荷に適応していくこと。トレーニングの基本中の基本です。

 二つ目はピリオダイゼーション。期分けです。トレーニングがマンネリ化しないようにということで、ある一定期間が経ったらトレーニングメニューを変えて、新たな刺激を与えること。

 三つ目が、マシンなどの有効的な活用。鍛えたい部位に対して、どれだけ効率よくエネルギーを投資できているのかという考え方です。

 スクワットは素晴らしいトレーニング法であることは間違いありませんが、大腿四頭筋に刺激を与えるのであれば、そこに費やすエネルギーと疲労度合いを考えた場合にはレッグエクステンションはより効率的ですし、レッグプレスも効果的です。部位を分けてトレーニングをする分割法であるならば、その部位に限定した刺激を与えるのが効果的というわけです。

江崎グリコ株式会社スポーツフーズ営業部
桑原弘樹
[ 月刊ボディビルディング 2013年7月号 ]

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