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マグネシウム<ミネラル②>

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掲載日:2017.09.06
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マグネシウム

マグネシウムは体に欠かせない必須ミネラルの一つです。

お豆腐を作るときに使う、にがりがマグネシウムですね。その名の通り、苦い味がしますので、加工食品では取り除かれる事が多い栄養素でもあります。最近はミネラル豊富な天然塩が多く販売されていますが、天然塩にはマグネシウムが含まれています。また、硬水と呼ばれる輸入品のミネラルウォーターも、マグネシウムが含まれています。日本製のミネラルウォーターの殆どは、軟水と言われるミネラル分が余り無い水です。この事からも、日本人はマグネシウムが欠乏し易い民族だと言えるでしょう。しかし、私の住む沖縄の水は硬水です。だから私は、高い輸入ミネラルウォーターは買わず、なるべく水道水を飲むようにしています。また、マグネシウムは、先進国ほど摂取が難しい栄養だと言われています。

余談ですが、美味しい紅茶は硬水で淹れるんだそうです。紅茶葉の苦み、渋み等の美味しさが軟水だと上手く引き出せないんだそうです。軟水系の地域では、輸入品の高いミネラルウォーターを買って淹れないといけませんが、沖縄は安い水道水で美味しい紅茶が飲めるので、紅茶派の私はとっても幸せです。

体内のカルシウムは約半分が骨に、残りの半分が筋肉、脳、肝臓などの軟組織に存在します。マグネシウムは、細胞膜や小胞体膜状にあり、カルシウム専用出入り口であるカルシウムチャネルを活性化させる働きがあります。つまり、カルシウムが細胞内に入り過ぎない様に調節してくれるのです。カルシウムが細胞内に入り過ぎると、筋肉の痙攣、脳血管の痙攣や高血圧を引き起こします。マグネシウムは「天然のカルシウム拮抗剤」と呼ばれ、細胞内のカルシウム濃度を調節してくれます。

有酸素系など発汗が多いスポーツでは、こまめに水分補給をしますが、その際にカルシウムとマグネシウムを摂取しておくと、けいれん予防になります。
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マグネシウムの欠乏は、多くの慢性疾患の元
最近の報告によりますと、現代の日本人はマグネシウムの欠乏が顕著だそうです。元々、日本の土壌は火山灰土でミネラルが少ないので、摂取量が不足しがちです。でも、ストレスやアルコールの飲み過ぎ、精製加工食品の食べ過ぎや薬剤服用なども大きな原因となります。

なるべく自然の物を食べる、むやみに薬を飲まない、お酒を飲み過ぎない、ストレスを溜めないようにするなど、普段からの生活習慣に注意する事で、マグネシウム欠乏は随分防げると思います。しかしそれでも、スポーツ選手は欠乏しやすいでしょう。取り過ぎより、不足を疑ってください。

マグネシウムの代謝
マグネシウムは300種類以上もの酵素反応に関わっています。また、カルシウム以外のミネラルも、マグネシウムが連携して調節しています。ですからマグネシウムがしっかりあるという事は、体内で行われる様々な代謝をスムーズに行えるという事です。

マグネシウムの補給を停止した場合に、そのほかのミネラルがどの様な反応をするか調べた実験があります。マグネシウムを補給している間は正常値が保たれていましたが、補給を止めると、その他のミネラルの血中濃度が乱れました。特に補給を止めて30日頃からカルシウム、カリウムの濃度が下がっていき、筋肉の痙攣が起こりました。そこで、カルシウムの静脈注射を行いましたが、カルシウムの血中濃度は一時的にしか回復せず、再度低下していったのです。

マグネシウムの補給を停止して105日目にマグネシウムの補給を再開すると、約10日後には、その他のミネラルの血中濃度が正常値へと戻りました。

この様に、マグネシウムは体内のカルシウム、カリウム、リンなどの血中濃度と深く関係しています。これは、この本の中でも何度か言いました、ホメオスターシス(生体恒常性)の働きです。

マグネシウムやカルシウムは、腎臓から膀胱に尿を送る尿細管という管で再吸収してリサイクルされています。ストレスがあると、交感神経が活性化され、このリサイクルシステムをブロックしてしまいます。マグネシウムやカルシウムは再吸収できなくなり、そのまま排泄されてしまいます。つまり、使い捨てとなる訳です。

ストレスがあると、「排泄は増える、吸収は悪くなる」ですから、身体中の栄養バランスを崩す大元ですね。ストレスは、栄養と反対に「溜めてはいけない」ですね。
  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」体育とスポーツ出版社)
    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901~1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ アスリートのための分子栄養学 ]

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