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第四十九回 新サプリメント・トピックス グラボノイド

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.08.28

グラボノイド

江崎グリコ株式会社スポーツフーズ営業部 桑原弘樹
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 多くのボディビルダーはオフに入ると増量を目指し、オンになれば減量に入るというサイクルです。増量期は多少脂肪がつくことも覚悟のうえで筋肉を増やすことを優先させ、減量期に入れば筋肉を分解させないことを念頭にはありますが、なによりも脂肪を落とすことを優先させていきます。

 元々、筋肉も脂肪も分解と合成を繰り返しています。長い飢餓の歴史を乗り切った私たちのDNAには、飢えに対する防御機能が満載されています。

 一つは筋肉を過剰につけないこと。そしてもう一つは脂肪をエネルギーの貯蔵庫としてたっぷりと貯えることであります。つまり、筋肉はつきにくく(分解が優位となり)、脂肪は溜まりやすい(合成が優位となる)という特徴をもっているのです。

 その各々の特徴を理解したうえで、冒頭のようなオンとオフの使い分けによって体作りを進めていくのが一般的といえるでしょう。

 ところがそんな中、筋肉をつけながら脂肪を減らしていく可能性があるという、かなり虫のいい話のような素材があります。果たしてどこまで実効性があるのかはさておき、今回はそんな希望に満ちた素材をご紹介します。

 その素材は『グラボノイド』というあまり聞きなれない素材です。実はグラボノイドというのは物質名ではなく、カネカさんという会社が販売している原料の製品名であります。 従って正確には素材名ではなく、一企業の製品名ということになります。正式には甘草(かんぞう)という植物に含まれるポリフェノールのことで、甘草グラブラポリフェノールという名称になります。

 どうやらこのグラボノイドが面白い効果を発揮するようです。その効果が、脂肪を減少させて筋肉を増やすという嬉しくも虫のいい話のような効果なのです。

 脂肪を減らすことと筋肉を増やすことは、どちらも希望されることの多い効果ですが、実際は両方を同時にというのがなかなか難しいことでもあります。何故ならば、脂肪を減らすためにはある程度のカロリー制限なりが必要で、このカロリー制限は筋肉の分解を促進させていく要素だからであります。逆に筋肉を増やすためにはエネルギーが充足されている必要があり、このエネルギー充足が行き過ぎると脂肪も合成へと向かってしまいます。
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 そんな中、グラボノイドの幾つかの実験をみると、軽い負荷の運動を加えることで脂肪が減少し、同時に筋肉が増加するという結果が報告されています。

 そのメカニズムは一体何なのでしょうか。

 一つは脂肪分解系の中で、脂肪酸がアシルCoAに変わる際の酵素、そしてアシルCoAがアセチルCo Aに変わる際の酵素がそれぞれ活性化されていきます。つまり脂肪が分解して最終的にTCA回路に入るまでの経路がスムースに動くということになります。その一方で脂肪合成系の中では逆の流れになっていくわけですが、その際に関わる酵素は見事にそれぞれが抑制されています。要は脂肪の分解が促進され、同時に合成が阻害されていくわけです。

 二つ目は、グラボノイドの主成分となるグラブリジンが、糖代謝調節機能においてグルコースの輸送体(GLUT4)を増加させて筋肉細胞への取り組みを促進させることが分かりました。筋肉にグルコースの取り込み能力を亢進させることは、筋肉量を増やすことにダイレクトにつながっていきます。

 この二つのメカニズムによって、脂肪が減少して筋肉が増大するという本来相反するといわれている要素を同時に実現していけるのだそうです。

 様々な実験のデータを見ると、グラボノイド300mg~600mgで行われているものが多く、一日一回300mgを有効推奨量と考えてよさそうです。

 そして脂肪の分解を促進させて合成を抑制するのは肝臓細胞のミトコンドリア内で行われますから、理論的には運搬役となるL - カルニチンとの相性がいいでしょう。

 オフにも極端な体重増をせずに、しかし筋量を増やすことに専念したい。そんな期待に応えてくれそうな素材といえるかもしれません。
[ 月刊ボディビルディング 2014年2月号 ]

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