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セレン、クロムの働きとその欠乏症

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掲載日:2017.09.27
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ミネラル⑦ - セレン

セレンの働き
・体内で発生する過酸化水素(ガンの元)や、細胞膜、生体膜中の脂の酸化を防いでくれるグルタチオンパーオキシダーゼに不可欠です。
・有毒ミネラルの水銀を無毒化する働きがあります。
・甲状腺ホルモンを活性化させます。
・精子の動きを活性化させます。

セレンが欠乏すると…
・抗酸化力の低下→病気にかかり易く、また一度かかったら重くなることが多くなります。
・心筋障害
・ストレス増加による様々な症状
・成長・発育障害
・精子の働きが低下→不妊

ミネラル⑧ - クロム

クロムの働き
クロムはビール酵母などに含まれます。
・血糖値を正常にさせます。
・コレステロールや中性脂肪など、脂質の代謝に関与します。

クロムが欠乏すると…
・インスリンの働きが悪くなります。→中性脂肪を沢山作り、痩せにくくなります。
・LDLコレステロールや中性脂肪が増え、HDLコレステロールが減ります。→メタボリックシンドロームになります。

生まれたての赤ちゃんの血中クロム濃度は、世界中ほぼ一定です。しかし、成人の血中濃度は途上国に比べて先進国がとても低くなります。これは自然食と近代食の違いからだと考えられています。

ビタミンCは、クロムの吸収を促進します。主に尿から対外に排泄されますが、毛髪中にも排泄されます。毛髪中のクロム量は、体内含有量を反映すると言われています。砂糖、ブドウ糖や果糖などの単糖類、二糖類の多い食事はクロム排泄量を増やしてしまいます。
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  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)
    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901~1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ アスリートのための分子栄養学 ]

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