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筋肥大を促すためにインスリンをコントロールする11の方法

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掲載日:2016.08.23
前回は一番のアナボリックホルモンと呼ばれるインスリンの作用についてお話ししました。今回はインスリンをコントロールするための方法をより具体的にお話ししていきましょう。

インスリンをうまくコントロールする方法

①カロリーコントロール
摂取カロリー量を下げると、インスリンのレベルも下がります。原料中にカロリーをカットすると脂肪が減るのはこのためです。


②炭水化物のコントロール
炭水化物は、インスリン分泌を増加させます。僕の見たところ、多くのボディビルダーが、エネルギーは多めに取った方がよいという考えから、過剰に炭水化物を摂取しているようです。しかし、これは正しくありません。なぜか、例をあげて説明してみましょう。

あなたが車にガソリンを入れるとき、タンクが満タンになったら、もうガソリンを入れるのをストップしなければなりません。そうしなければ、そこらじゅうに溢れてしまうからです。同じことが炭水化物の場合もいえるのです。いったん肝臓や筋肉がグリコーゲンで一杯になれば、残りの炭水化物は脂肪として蓄えられてしまうのです。

かなりハードにトレーニングする人でも、除脂肪体重1kg当たり4g以上炭水化物を取らないでください。これが最大の値で、これ以上取っても脂肪が増えるだけです。


③吸収の早い炭水化物の摂取を減らす
炭水化物の中には、インスリンを他のものより多く分泌させるものがあります。キャンディーや砂糖の添加されている食品は、ずっと多くのインスリンを分泌させます。加工食品もまた、そうでない食品に比べ、少しですが余計にインスリンを分泌させます。

200キロカロリーのインスタントマッシュポテトのほうが、200キロカロリーのポテトより、多くのインスリンを分泌させるのです。なぜなら、マッシュポテトの方は加工されているからなのです。

できるだけ加工されていない食品を選ぶようにしましょう


④一日のうち遅く食べる食事ほど炭水化物の量を少なくする
体はいつも同じ量だけインスリンを分泌しているわけではありません。炭水化物の摂取や、グルコースのレベルに反応して分泌されるインスリンですが、一日のうち早い時間は比較的分泌が少なく、夕方遅くには多めに分泌されます。それゆえ、一日のうち早い時間に炭水化物を多めに取り、遅い時間には控えめにするのが賢いやり方でしょう。

朝の8時に食べたのと夜の8時に食べたのとでは、同じライス200キロカロリーでも、インスリンの分泌は朝の方が少ないのです。


⑤トレーニング後の炭水化物は多めに
一日のうちで一番量を多くすべきなのは朝食です。二番目に量を多くすべきなのはトレーニング後すぐの食事です。なぜなら、トレーニング後に取った炭水化物は、筋肉に行きやすいからです。つまり、トレーニング後に取った炭水化物は、脂肪になるよりもむしろ筋肉内にグリコーゲンとして蓄積されるのです。それに、この時ばかりは、どんな種類の炭水化物を取ろうが、それほど問題にはなりません。

トレーニング後の筋肉は、炭水化物が欠乏した状態にあります。そのため、筋肉がインスリンに対して敏感になるのです。筋肉がインスリンに対して敏感な時には、脂肪細胞はそれほど敏感ではありません。ですから、吸収の速い炭水化物ですら、筋肉グリコーゲンとして貯蔵されるのです。

実は、トレーニング後に、吸収の早い炭水化物を取ることは、よい選択だと言えるでしょう。例えば、フルーツジュースに、ホワイトブレッド、砂糖だって大丈夫です。これらの食品は大量のインスリンを分泌させます。

インスリンは、回復や筋発達に必要なBCAAを筋肉まで運ぶのに必要です。ですから、この場合、インスリンの分泌は最大になっても、筋発達の方が脂肪細胞よりも敏感なため、脂肪として炭水化物が貯蔵されることはほとんどないのです。


⑥炭水化物とタンパク質を常に組み合わせる
炭水化物をそれだけで食べると大量のインスリンが分泌されます。インスリンが大量に分泌されると、これらの炭水化物が脂肪として蓄積されるだけでなく、脂肪の貯蔵システムが刺激を受け、活性化されます。

しかし、ここでタンパク質を炭水化物と一緒に食べると、インスリンの分泌を抑えることができます。タンパク質がグルコースの血流中への侵入を遅らせるからです。グルコースがゆっくりと吸収されれば、インスリンの分泌はなだらかなものになります。

これに対して、炭水化物のみを食べた場合は、グルコースが血流中に非常に早く入るので、インスリンが大量に分泌され、脂肪が蓄積しやすくなるというわけです。


⑦ファイバーサプリメントを使って炭水化物を筋肉中に貯蔵しよう
水溶性の繊維は、水分を胃に貯め、炭水化物の血流中への侵入を遅くします。繊維はまた、筋細胞をインスリンに対して敏感にする働きがあります。筋細胞が敏感な場合、摂取した炭水化物は脂肪細胞よりもむしろ筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。僕はファイバーサプリメントを食事と一緒に取ることにしています。それは水溶性繊維2gに相当するものです。

また、豆類やホウレン草のような水溶性の繊維を含んだ食品は、血糖値をコントロールする助けとなる物質を含んでいます。


⑧クロミウム
クロミウム・ピコリネートは微量ミネラルの一種で、細胞をインスリンに対して敏感にします。それは細胞壁に働きかけ、インスリンに対する感受性を増加させるのです。研究によれば、“ヘルシーでバランスの取れた”食事をしている人は、このクロミウムが不足しやすいということです。


⑨バナディル・サルフェート
クロミウムが細胞壁に働きかけ、インスリンの機能を高めるとすれば、このバナディル・サルフェートは、筋細胞内で働き、血流中を浮遊しているグルコースをインスリンとは関係なしに、筋肉へ引っ張り込みます。

一日に2~4回、10mcgのカプセルを取ることをお勧めします。


⑩フィッシュオイル
フィッシュオイルは、一般的にオメガ3脂肪酸として知られているものです。魚を多く食べている人は、糖尿病(インスリン機能不全)にかかりにくいということが報告されています。
また、多くのフィッシュオイル・サプリメントには、細胞の損傷を防ぎ、細胞壁を強化する働きのあるビタミンEが含まれています。

ですから、このフィッシュオイルをプラスαとして取ることは有効だといえるでしょう。


⑪ウェイトトレーニング
ウェイトトレーニングは、インスリンの機能を劇的に向上させます。ボディビルのワークアウトでは、大量の筋肉グリコーゲンを使います。グリコーゲンの貯蔵量が少なくなったとき、インスリンの働きを含め、すべての炭水化物蓄積システムが刺激されるのです。



  • ■究極の筋肉を作り上げるためのボディビルハンドブック
    2013年6月20日第6版発行
    著者:クリス・アセート
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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