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貧血①<貧血チェック>

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掲載日:2016.09.30
今回からは女性に多いと言われている貧血についてですが、意外にスポーツ選手にも多いんですよ。貧血にはいろいろな種類がありますが、その中でも今回は、最もポピュラーな鉄欠乏性貧血についてお話ししますね。

貧血というとすぐ、めまいや立ちくらみを想像しますが、イライラして怒りっぽい、集中力がない、なども貧血を代表する症状のひとつです。別表に主な鉄欠乏性貧血の症状をあげました。当てはまる症状の多い人ほど、貧血の可能性が高いでしょう。“えっ、こんな症状も”と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。それ程、貧血の症状は多彩なのです。

貧血はCommon Disease(ありふれた病気)と呼ばれ、あまり重要視されていません。病気のうちに入らないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

でも、スポーツ選手にとって、貧血は致命的と言っても過言ではないと、私は思います。貧血は、一般的には症状の事と思われがちですがそうではなく、赤血球、ヘモグロビンの数が減少することです。赤血球は、体の隅々まで酸素を届ける仕事をしていますから、赤血球が足りなくなるという事は、身体が慢性的な酸欠状態になります。

体内の細胞が正常に働くためには、酸素は不可欠です。酸素が不足すると、身体はエネルギー欠乏状態となります。全身に現れる様々な症状は、身体が正常に働いていないサインなのです。

特に、脳は大きさこそ身体全体の1/13ですが、全身の1/3もの酸素を使います。そして、脳の酸素不足イコール中枢神経の機能低下となります。心臓は、赤血球というトラックの台数が少ない状態のときに酸素を身体の隅々まで届ける為に、通常より速く動かして送り出そうとします。その結果、心臓はオーバーワークとなり、心肥大や不整脈を引き起こします。

すぐ息が上がってしまうのも、スポーツ心臓と言われる心肥大も、貧血が原因です。

普段から顔色が悪い、寒さに敏感というのも、貧血の人の生体恒常性が働いている証拠です。心臓に使う分の血液を確保する為に末梢神経を収縮させているのです。その為に、皮膚トラブルや、手足が冷たいなどの症状が出現します。

貧血チェック

あらゆる病気の原因ともなる貧血は、自覚症状があまりないので、ほとんどの人が気が付きません。日本赤十字社の調べによると献血者成人女性の20%は献血不適、そのうちの80%もの人が鉄欠乏性貧血だということです。
  • 星 真理(ほし まり)
    栄養整合栄養医学協会認定 分子栄養医学管理士
    栄養学の専門家として老若男女を問わず、一般人からトップアスリートにいたるまで、あらゆるニーズにも対応した栄養指導/栄養セミナーを個人、競技チーム、学校、企業を対象に行っている。
    著書「アスリートのための分子栄養学」(体育とスポーツ出版社)

    分子栄養学(正式名称:分子整合栄養医学)
    Ortho-Molecular Nutrition and Medicine
    ノーベル賞を2つ受賞した米国人生化学者ライナス・ポーリング博士(1901〜1994年)が、栄養学と医学とを融合させて研究し、分子整合栄養医学として確立した栄養医学。

  • アスリートのための分子栄養学
    2014年3月31日初版1刷発行
    著者:星 真理
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


[ アスリートのための分子栄養学 ]