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一定しないカロリーの増減によるダイエットの失敗例

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掲載日:2017.06.19
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体重減少のプラトーを打破する方法

ダイエットの失敗例
そんなに大食いではなく、余分なカロリーを取りもしないのに、脂肪をたくさんつけている人は、結構多くいます。覚えていますか?毎日運動しているのに望むほどには減量できなかったり、期待したほどの脂肪が減らなかったりする場合もあるということを。なぜなら、体が新陳代謝を効率の良いものにして、有酸素運動に適応するからです。

そう、多くの人が、脂肪を削るのにてこずり、逆に脂肪を効率的に溜め込んでしまっています。散発的で、計画性がなく、継続性のないダイエットのためです。ほとんどの人は、摂取カロリーが毎日バラバラです。私のウィークエンドフィットネスでは、参加者に3日、5日、それに7日間の食事記録を付けてもらいました。私は各人に、何をどのくらい食べたかを、毎日正確に記録するよう頼んだのです。それから、彼らがそれぞれの日に取ったカロリーを計算するのを手伝いました。

これが、散発的なカロリー摂取の一例です。日によってどれほど違うかわかりますか。

月曜日 2300キロカロリー
火曜日 1400キロカロリー
水曜日 2000キロカロリー
木曜日 2600キロカロリー
金曜日 1900キロカロリー
土曜日 3400キロカロリー
日曜日 1200キロカロリー

グラフにすると、表1になります。これが問題なのですが、“代謝の混乱”が実に脂肪の蓄積につながるのです。
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月曜日、この人は2300キロカロリーで始めて、火曜日には1400キロカロリーに下げています。この減少に対して、体はいくらかの脂肪をエネルギーとして使うという事で対応します。1400キロカロリーは、2300キロカロリーよりも少なく、脂肪の燃焼を開始するのに、このカロリーの欠乏が必要とされるからです。

水曜日、彼女は2000キロカロリー摂取しました。ここで2つのことが起こる可能性があります。体は2000キロカロリーを、月曜日の2300キロカロリーよりも300ほど少ないと感じ、脂肪がエネルギーとして使われるかもしれません。しかし、水曜日の2000キロカロリーは火曜日の1400キロカロリーよりも高いので、脂肪はエネルギーとして使われないかもしれないのです。

木曜日、彼女は2600キロカロリー取りました。これは火曜日や水曜日よりも確実に高い数字です。ですから、木曜日に体は脂肪の蓄積モードに入ります。金曜日、彼女は週末に備えるために仕事が非常に忙しく、きちんと食べるための食事の時間が十分に取れませんでした。1900キロカロリーなので、いくらかの脂肪がエネルギーとして使われるはずです。金曜日のカロリー摂取は、それ以前のどの日よりも低いからです。土曜bは、モールで昼食とデザートに散在し、さらに彼女の夫が彼女をディナーに連れ出しました。ディナーで彼女は、多くの人が(私自身も含めて)外食をした時にそうするように、ほしいままに食べます。ですから、土曜日の合計は3400キロカロリーになりました。脂肪を蓄積するのに十分な値です。なぜなら、体は3400キロカロリーという摂取を、その他のどの日よりも高いと感じるからです。脂肪の蓄積が始まるでしょう。しかも、たぶん高い程度で。

日曜日の朝、彼女は早く起きました。彼女は知っています。前日の夜食べ過ぎてしまったことを。土曜日のダメージを“埋め合わせる”または“正そう”と思って、彼女は日曜日には急にカロリーを減らします。脂肪の分解が始まるように、新しいダイエットを早く、翌日からでも始めようと思ってのことです。

体に、矛盾、混乱させるようなメッセージを送り、カロリー摂取に関係なく脂肪の蓄積まで引き起こしてしまう、このような散発的な食べ方を正す最もよい方法は、7日間の食物摂取の平均を出し、新たなスタートを切る事です。

この週に摂取されたカロリーを全て足すと、合計は14798キロカロリーになります。14798を7で割ると、一日の平均は2114キロカロリーになります。同じカロリーを摂れば、特に毎回の食事の量を同じにすれば(一日5、6回の食事が理想的)、脂肪の代謝へ誤ったシグナルが送られるのを防ぐことができます。この人が、毎日同じカロリーを、4~6回に分けて取るという健康的で安定した食事プランを実行すれば、体はより正常に、きちんと反応するようになるでしょう。すると、脂肪の蓄積が常に促進されるようなことはなくなります。脂肪のレベルは低くしながらエネルギーは高く保ちたいと思っている人なら、一定しない食べ方とカロリー摂取は避けるべきです。

今いったような食べ方のパターンは、多くの人がカロリーは下げているのに脂肪が減っているようには見えないという理由になります。このようなでたらめな食事をしている人が、カロリーを下げ、例えば一日1600キロカロリーにしたとしても、体はすぐに脂肪をエネルギーとして使うことができません。なぜなら、すぐに不足を認知できないからです。彼女の体は、不足に慣れてしまっているのです。この例では、彼女は4日、2114キロカロリーに満たない不足を作り出しました。しかし、後の3日はこの値よりも上でした。カロリー不足が作り出されるたびに、それはカロリーの増加によって打ち砕かれました。彼女の体はそういった状態に慣れてしまったのです。彼女の体はこう考えます。“カロリーが減っても脂肪をエネルギーとして使う必要はない。なぜなら、不足はすぐに解消され、生きるために必要である以上のカロリーを得ることが出来、それを次回の不足の為に蓄えることができるのだから”

彼女の体が不足を認知することのできるようになる唯一の方法は、2114キロカロリーと言うベースを作り、4~6ヶ月間、毎日その量を食べることです。彼女の体は不足を認知し、脂肪をエネルギーとして使うようになるでしょう。
  • 理論と実践で100%成功するダイエット ダイエットは科学だ!
    2008年10月10日第2刷発行
    著者:クリス・アセー卜
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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