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たんぱく質摂取のタイミング

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掲載日:2017.06.21
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ポイント2-33. タンパク質の摂取にあたり、選手に簡単な目安を提示する

選手に対して、タンパク質を1日何グラム以上摂りなさいと言ってもなかなか理解してくれません。そこで、選手には簡単な目安を提示するように工夫します。例えば、1食の中で、メインのおかずとして肉と魚の2品目のうち1品は必ず摂ること、それ以外に卵、豆類(納豆や豆腐で良い)、乳製品の3品目のうち2品目以上を摂るようにアドバイスする方法があります。非常に単純な目安ですが、いったん理解されると、出された食事でタンパク質が十分摂れるか?何が足りないのか?何を付け加えたらよいのか?などについて選手自身が判断できるようになります。
図2-18. 骨格筋の内部構造(ハクスレー H.E., 1958)

図2-18. 骨格筋の内部構造(ハクスレー H.E., 1958)

ポイント2-34. タンパク質は各食事に分けて

タンパク質を含む食品を一度に大量に摂っても、全てを吸収することができず、胃腸に負担をかけてしまうことになります。タンパク質は各食事でできる限り均等に分けて摂るように心がけます。

ポイント2-35. タンパク質は、成長ホルモンの分泌のタイミングを考慮して摂ると効果的

摂取したタンパク質が筋肉に合成される際には、成長ホルモンが深く関わっていますが、成長ホルモンの分泌は、ウエイトトレーニングの30分後~1時間後や就寝中に多くなると言われています。成長ホルモンの分泌が活発になっているときに、血液中のアミノ酸(タンパク質が分解されたもの)濃度が高くなっていると、筋肉づくりに効果的です。

食事としてタンパク質を摂取してから血中のアミノ酸の濃度が上がるまでには2時間程度かかるので、これから逆算して、トレーニングを1時間行う場合には、トレーニングの1~2時間前もしくは、就寝の2時間前くらいにタンパク質を補給しておくと良いでしょう。また、ウエイトトレーニングの直後にも、エネルギーの補給と共に、消化吸収に負担が掛からない範囲でタンパク質を摂っておくことも効果的です。
  • 競技スポーツのためのウエイトトレーニング2001年6月30日初版発行
    著者:有賀誠司
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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