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新ナルシスな奴ら! Vol. 26 ~野澤 尚一郎~

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[ 月刊ボディビルディング 2015年10月号 ]
掲載日:2017.03.01
記事画像1
今回登場願った選手は、『ナルシスな奴ら』の連載に最も相応しいワイルドイケメンボディビルビルダー、神奈川県の超有望選手である野澤尚一郎選手です。そのワイルドな風貌にバランスよく纏った筋肉は、将来期待大の選手であり、今年の神奈川県大会の台風の目になることは間違いなし!そんな魅力満点の野澤選手にフォーカスしました。

野澤 尚一郎(ノザワ ショウイチロウ)
1990年2月17日生まれ
身長170㎝、体重74kg(オン)・ 80kg(オフ)
スポーツ歴:バスケットボール
趣味:ギター14才~

<コンテスト歴>
2010年 東京オープン大会70kg級 8位、東京大会ジュニアの部 2位
2013年 神奈川県クラス別大会70kg級 3位
2014年 神奈川県クラス別大会70kg超級 優勝

ナルシス山本(以下NY): 本日は取材協力ありがとうございます。早速ですが、恒例の質問、トレーニングを始めたきっかけを教えて下さい。
野澤: はい、きっかけはいろいろあるんですけど、一番は、バスケットボールをインターナショナルスクールの高校時代にやっていたんですけど、当時試合を米軍基地のチームと行っていて、外人さんの方が圧倒的に体が強く有利じゃないですか! 自分は体が小さく、体重が55㎏しかなく、身長でも勝てないので、ここは体にバルクを付けて強くなってやろうと思いましてジムに入りました。
NY : なるほど! 入ったのはいつ頃!?
野澤: ちょうど15才、高校に入った頃です。
NY : 因みにインターナショナルスクールはいつから通っているの?
野澤: 小学校からです。
NY : 元町のね!
野澤: はい。
NY : ジムは何処へ行っていたの?
野澤: 中区スポーツセンターです。
NY : 当時はどんなトレーニングをしていたの?
野澤: 胸のチェストフライと二頭筋のカールだけでした(笑)。
NY : 誰か教えてくれる人はいなかったの?
野澤: トレーナーからスクワットなど教えてもらいましたが、ちょうどその頃ジムにスキンヘッドの物凄いでかさの外人さんがいて、ジムに姿を現すだけで雰囲気を一気に変えてしまう程で! 今でも鮮明に覚えています!
たまたま自分は脚の日で、ジムに行き、その外人さんがちょうどスクワットをしていて、「スクワットをしたいな~」と思っていたらスタッフが、「一緒にやったら!」と言ってくれ、外人さんも「一緒にやろうよ」と凄く優しくて、「全部教えてあげるよ」って言ってくれて、教えてもらうことになったんです。
NY : じゃ、そのビッグな外人さんが師匠になったわけだね。
野澤: はい。師匠は、海外の大会に出場していたボディビルダーでした。
NY : そうなんだ! では、15才の頃にある程度トレーニングのノウハウは学べたんだね!?
野澤: はい。
NY : まだ若いのにもうキャリア10年目だ!
野澤: そうなりますね(笑)。
2010年東京ジュニアの部で2位に入る(左端)

2010年東京ジュニアの部で2位に入る(左端)

NY : 当時のトレーニングルーティンは!?
野澤: はい、プッシュ、プル、脚、と3分割でやってました。
NY : 若くして分割法トレーニングをしていたとは羨ましい。どれぐらい教わっていたの?
野澤: 1年間ちょっとですかね。その後も、たまに会っては一緒にトレーニングをしていました。高校生になってからは小さい施設で独自にトレーニングをし、大学に行ってからもトレーニングをしていたのですが、フッとなんでトレーニングをしているんだろう? と思い、物足りなくなってきて…。
NY : バスケから離れてトレーニング意識が薄れたから、目的が不透明になってきたわけだ!
野澤: はい。大学が三鷹にあったので、日焼けのためだけに小金井トレーニングセンターに行ってまして(一同笑)。そこで「君いい体してるから大会出ないかい!」と声を掛けられまして、「じゃ、出てみよう」と思い入会しまして、2010年に東京オープン大会に初出場しました。
NY : 出場して何が一番大変だった?
野澤: 減量ですね。
NY : 因みに何kgから減量したの?
野澤:70kgから63kgまで落としました。
NY : どう?当時を振り返った自己評価は?
野澤: そうですね…、かなりバリバリでしたけど、細かったですね。
NY : いや、でも大会で結果を残し、バリバリまで絞れたのは、自分の自信になるから凄いことだと思うよ。じゃ、そこから更に熱が入ったでしょ?
野澤: いや(苦笑)、実は「もうボディビルはいいや!」と熱が冷めまして、3年程はバンドの方に力を注いでいました。
NY : プロフィールで、14才からギター、とあるけど、バンド活躍はいつ頃から?
野澤: 高校生の時から、ハイスクール仲間とアマチュアで活躍をしていました。
NY : じゃ、ライブハウスなどでだ!
野澤: はい。
NY : 因みに今は?
野澤: 今は活動休止中です。
NY : そうなんだ! 残念! 大会に復活するまでの3年間は、どうトレーニングしていたの?
野澤: トレーニングは継続し、週4でジムに行ってました。
NY : やはりハードロックスタイルをするのに、ビジュアル的に体が軟弱ではね!(笑)
野澤: 確かに(笑)。
NY : 横浜馬車道ゴールドで初めて見かけた時は、ビジュアル的にビルダー界に息吹きを与えてくれそうな、ビッグなワイルドイケメンと率直に思ったよ!
野澤: 本当ですか!?(笑) ありがとうございます。
NY : それでやっと今回の取材に至った訳よ(笑)。復活してどうだった?
野澤: バンド活動が休止になり、新たな目標が欲しくなり、大会へ復活しました。
NY : やはり目標がないとね!2年連続出場して、神奈川県大会で昨年は70超級優勝して、関東クラス別では予選敗退でしたが、心境は?
野澤: 凄い悔しいです。
NY : やっとボディビルに対して火がついたようだね。
野澤: 横浜に戻ってきて、ジムでは凄い選手達が多くいて、自分のモチベーションも高くなっています。やっぱり環境って大事だなと思いました。
NY:確かにね。さて、今期に対してのトレーニングの取り組み方をおしえて?
野澤: 腕やハムストリングなどをもっとバルクアップしていきたいと思い、フォーカスしています。
NY : パッと見、体幹部の大きさは凄い充実してきているから、確かに細部のクオリティを上げることだね。大会のレベルが上がれば、それだけ完成度を求められてもくるからね。まだまだ若いから、今後細部を改善していけば、ジャパンオープンでも結果を十分残せる体になると自分は思っているよ!
野澤: ありがとうございます。
NY : 今現在のトレーニングルーティーンは?
野澤: 週4日のスケジュールで、まずは、A胸と腕、B四頭とカーフ、C背中と腕、D肩とハムストリングです。
NY : 絶妙なプログラムだね! トレーニング時間は?
野澤: トレーニング自体は、1時間から1時間半ぐらいです。
NY : トレーニングの強度などの考え方は?
野澤: まずはビッグ3の重い重量を扱ってから、徐々に回数を増やしていくやり方を重視してきました。
NY : では、あまり小細工的な種目やアイソレーション種目は重視してなかったんだね。まあ、先ほどフォトシューティング時に、ナルシスマル秘テクニックを取材の御礼に伝授したから、これからは重量プラスに小細工入れて、より完成度を高めるトレーニングをしていけば、更にクオリティを上げられるね(笑)。さぁ、ここで恒例のバルクアップや減量でのエピソード的な物を聞きたいのだけど、何かあるかな?
野澤: そうですね…。減量中に一日食事1回だけをしていました(笑)。
先日行われた神奈川県大会にて優勝を飾る (写真/浦部)

先日行われた神奈川県大会にて優勝を飾る (写真/浦部)

撮影協力:ゴールドジム横浜馬車道

撮影協力:ゴールドジム横浜馬車道

NY : えぇ!それは凄いエピソードだ!もっと詳しく!
野澤: 食べるのは鶏の胸肉4枚をメインに。食べたら寝る、で日中はコーヒーを飲み、ガムを噛んでいました。
NY : 1回の摂取カロリーは?
野澤:1300カロリーぐらいでした(笑)。夜のトレーニング前にアミノ酸だけ摂取してました。
NY : 初めて聞いた減量法かもしれない(一同笑)。何年の減量中で、どれくらいの期間?
野澤: 2013年の減量で、3ヶ月ぐらいです。
NY : そりゃまた驚いた!!しかし根性のレベルが違うわ(一同笑)!結局3ヶ月でどれ位落ちた?
野澤: 8kgぐらいですかね。
NY : 凄いエピソードが聞けたよ!ありがとう!さて、そろそろ終盤ですが、今後の目標など聞かせて下さい。
野澤: やっぱりボディビルってスポーツのようで芸術的面があるな~と思うので、人を感動させる肉体を目指していきたいです。
NY : 将来的に、大会的にはどのレベルまで目指す?
野澤:将来的には、世界に通用するビルダーになりと思っています。
NY : 因みに今年は?
野澤: 関東クラス別と、神奈川県オーバーオールです。
NY : 非常に頼もしい目標が聞けたよ! 今日は多忙の中、取材協力ありがとうございました。


もの静かに語り、見た目は非常にワイルドな25才!ハードロックな生き方をしつつ、普段はエリートサラリーマンと、魅力満載な彼の中身を知った貴重な時間になり、ボディビルに対する情熱も人一倍感じたインタビュー。取材後目標の一つであった神奈川県オーバーオールを見事優勝し、有言実行を果たした野澤選手!今後の活躍と、ボディビルの明るい未来が見えた取材でした。
  • 山本昌弘(やまもと・まさひろ)
    通称:ナルシス

    抜群のシェイプと類希なポージングセンス、そして自らをナルシストと公言してはばからない特異なキャラクターで人気を集める元日本選手権ファイナリスト。これまでに東京クラス別70kg級・75kg級、日本クラス別75kg級、東日本選手権、ジャパンオープンを制している。

[ 月刊ボディビルディング 2015年10月号 ]