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IFBBプロ山中輝世子の『キヨピー通信』

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.04.19
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第八回 メンテナンスの重要性

皆さん、こんにちは♪キヨピーです♪先日、日本ボディビル選手権に観戦に行き、会場でたくさんの方々にお会いする事が出来ました。

今大会でとても印象的だったのが、ジュニア・クラスのレベルの高さです。とてもジュニアとは思えない、丸みのある筋肉をもった体の選手が大勢いて、
「未来のボディビル界の立役者達だなぁ」と、とても嬉しい気持ちになりました。

また、会場ではたくさんのボディフィット選手達との再開を果たし、同じ競技を愛する者同士の何とも幸せな時間を過ごす事が出来ました。選手の方々の来シーズンに向けての意欲を感じ、皆さんの笑顔が舞台の上とは違った、イキイキとした表情が印象的でした。

アメリカでのフィギア競技人口が増えているように、日本でのボディフィット競技人口も今後、益々増えていく事を確信しています。競技人口が増えると、同時に競技レベルは自然と向上していきます。

経験豊富なベテラン選手も若手選手の勢いに負けないように、オフシーズンのトレーニングと疲れている部分のメンテナンスをシッカリと行い、頑張りましょう☆

さて、今回のキヨピー通信のお題は『メンテナンスの重要性』です。オフシーズンだからこそ、やるべき事を綴っていきたいと思いますので、これからのシーズンの参考にしてください。

肌のメンテナンス

この競技を追行するに辺り、絶対に行わなければならない行為があります。トレーニング、ダイエット、そして日焼けです。太陽光により日焼け、タンニング・マシンによる日焼け、人それぞれ方法は違うと思います。小麦色の肌はとても美しく、また体や顔がシェイプして見えるので、私もとても好きです。

しかし、日焼けは肌にとって決して良い事ではありません。大袈裟に言えば、肌を低温ヤケドさせている行為といっても過言ではないからです。日本人は全体的に、肌の肌理(キメ)が細かく美しい人が多いので、日焼けによる傷んだ肌は、しっかりとオフシーズンの間にメンテナンスして整えるようにしましょう。

私は海外コンテストでたくさんの選手を間近でみてきました。最も美しいと思った選手は、第一回フィットネス・オリンピアのチャンピオン、ミア・フィネガンです。勿論、他のコンペティター達もとても美しいのですが、彼女が特に美しいと感じたのは、非常に肌がキレイだったからです。

『美肌は七難隠す』と言いますが、その通りだと思いました。目鼻立ちがハッキリした凹凸のある美しい海外選手達の中で、ミア・フィネガンは少し違って見えました。彼女の美肌が遺伝によるものなのか、日ごろのお手入れによるものなのかは分かりませんが、間近で見て彼女が一番美しいと思いました。
髪の毛をバッサリと切って白肌に戻し、只今メンテナンス中のキヨピー♪

髪の毛をバッサリと切って白肌に戻し、只今メンテナンス中のキヨピー♪

女性競技者の中で、日焼けが原因で出来てしまったシミやソバカスを隠す為に、オフシーズンでも日焼けを繰り返し続ける人がいると聞いたことがあります。確かに日焼けをすることでシミやソバカスは隠れますが、とても恐ろしい行為だと思います。

コンテストに出場したいけれど、日焼けをしなければいけないからイヤなんです・・・という声もたくさん聞きます。確かに上位入賞する為には、日焼けは避けては通れない競技です。

私は選手に指導するにあたり、日焼けのタイミングなども指導しています。日焼けしやすい人と、日焼けしにくい人と、人それぞれの肌質があるのでアドバイスするのは難しいですが、肌の質など色々とお話を聞きながらアドバイスしています。

自分の最高レベルの褐色の肌で舞台に立つ為には、コンテストの一週間前からの最終の追い込みがポイントです。それまでは、追い込みの日焼けに耐えられる肌を作る『下地作り』の為の日焼けです。

意味も無く早い時期から日焼けを開始して肌を傷める事は、競技を長く続けていく上で、お奨めする行為ではありません。

小麦色の肌は見た目がシェイプして見える事から、ダイエットのモチベーションをアップさせる効果はあるとは思いますが、肌への負担が大きく、シミやソバカスの原因になりますので、女性競技者の方々にはお奨めしません。実際、『日焼けをするのがイヤなので、コンテストに出場するのを辞めました』という声も聞きます。

コンテスト一週間前の最終追い込みの日焼けをして、肌が赤く腫れたり皮が剥けたりしない為の基礎作りという気持ちで日焼けの計画を立てましょう。コンテストが終了したらいち早く肌を休めてメンテンスをしましょう。そうする事により、コンテスト当日はシッカリと自分の最高レベルの褐色の肌で舞台に立てますし、また肌への負担も少なくてすみます。

白肌に戻ったと同時にシミがどんどん浮き出るようでは、来年のコンテストへの意欲を減少させてしまいます。長い目で競技を見るならば、意味の無い日焼けはせず、上手くコンテスト当日に最高の褐色の肌で舞台に立てるように、自分で計画を立てましょう。

そして、舞台の上だけでなく、ミア・フィネガンの様に、間近で見た時に『美しい』と思われる選手を目指しましょう♪

髪の毛のメンテナンス

先日、20年ぶりに髪の毛をバッサリと20センチ以上、切りました。私は1998年からフィットネスコンテストに出場していますが、ヘアスタイルは自分のイメージ作りの武器にしていましたので、ずっとロングヘアを貫いてきました。

ヘアカラーなど繰り返していた為にかなり傷んでいたので、今年5月のカリフォルニア・プロが終わったら、一度バッサリと切って、髪の毛のメンテナンスをしようと決めていました。

この競技で、ヘアスタイルは非常に大切です。私はこの競技を観戦していて、選手達のヘアスタイルを見るのも、楽しみの一つです。選手それぞれ、様々な美しいヘアスタイルで舞台に立つ姿を見るのは、非常に楽しい事です。しかし、日焼けを繰り返し行なった事やカラーリングなどで、随分と傷んでしまいます。

舞台当日、自分の一番好きなヘアカラーでヘアスタイルで舞台に立てるように、オフシーズンの間にシッカリと髪の毛のメンテナンスをしましょう。
昨年のTOCでは、東洋の魅力を引き立たせるためにヘアカラーをオリエンタル・ブラックにしました。

昨年のTOCでは、東洋の魅力を引き立たせるためにヘアカラーをオリエンタル・ブラックにしました。

私の場合、ヘアスタイルは、国内大会の場合は衣装のイメージに合わせて、国外の場合は自分のイメージ戦略に合わせて、よりインパクトがつくように考えながら決めています。例えば、2001年のアジア大会の時は、韓国や中国の選手はおそらく黒髪で出場するであろうと思ったので、私はオレンジのヘアカラーで舞台に立ちました。結果、優勝することが出来ましたが、非常に観客や審査員の目を引いたと舞台に立っていて肌で感じ取れました。

2001年のオールジャパン・フィットネスの時は、衣装がツーピースが黒にゴールド・ワンピースが黒だったので、ヘアのトップの部分に高さをつけて舞台に立ちました。両方の衣装が黒色だったので、地味ではなく落ち着いたゴージャスな雰囲気を出す為です。黒色というのは、見せ方によって、非常に地味にも見えるカラーだったので、あえてトップに高さをつけました。

2002年のオールジャパン・フィットネスの時は、衣装が豹柄だったので、髪の毛に金色のメッシュをかなり入れました。豹柄と金色のメッシュで、ワイルドなイメージを相乗効果させる為です。

2006年のプロ・デビュー戦トーナメント・オブ・チャンピオンズでは、日本人の象徴である髪の毛の美しさを強調させる為に、髪がもっとも美しく見えるストレートのロングヘアで舞台に立ちました。

2007年は、東洋の魅力を引き立たせる為に、ヘアカラーをオリエンタル・ブラックにして舞台に立ちました。

このように、自分に似合うかという事も大切ですが、衣装や出場コンテストの内容などで色々と変化を楽しんで欲しいと思います。

また、実際はロングヘアで無くても、美容技術の発達により、ウィッグやエクステといった人工的に非常に自然で美しいロングヘアになれる手段もあります。普段はショートヘアだけど、舞台当日ロングヘアで女性らしさを出したいという選手は、早めに色々とウィッグやエクステなどの情報を入手してください。

衣装とヘアのイメージを合わすのでは、とても楽しく幸せな事です。大会当日、自分のイメージ通りの姿で舞台に立つ為にも、オフシーズンは髪の毛もシッカリとメンテナンスをしましょう。

婦人科系統のメンテナンス

この競技は年々、高齢化しつつあります。というよりも、若い世代の競技者が生まれず、ベテラン選手が年齢を重ねていってるのが現状です。

私が初めてコンテストに出場したのは、今から14年前の1994年でした。当時24歳の私は初めてボディビルのコンテストに出場したのですが、その時、初めての過酷なダイエットにより生理が3ヶ月間、止まりました。そして翌年の25歳の時、リバウンドで増加してしまった脂肪による更に過酷なダイエットにより、生理が6ヶ月も止まりました。その後も常にダイエット期間ちゅうは2~3ヶ月は生理が止まっています。
私の場合、非常に生理が止まりやすい体質のようで、決してバリッと仕上がるタイプではありませんが、生理はすぐに止まってしまうのです。見た目がバリバリに仕上がってる選手で、毎月キッチリと生理があるという方もたくさんいますので、ダイエット中の生理の有無は人それぞれ体質によるのかと思います。

こういった生理不順について、競技者同士で話題にあがるのですが、
「あぁ、生理が止まる人、多いよねぇ~、○○さんもダイエット中は必ず止まるって言ってたよ。」という内容の会話になります。
「私だけじゃないのね」という気持ちになり、生理が止まる事への不安感というものがありませんでした。

しかし年齢を重ねるにつれ、婦人科系の病気に非常に気をつけるようになり、婦人科の病院でドクターに競技を通じてのダイエットにより生理不順について相談しました。ドクターによる解答は、
「20代の頃の無理なダイエットによる生理不順は“若さ”がカバーしてくれるので、さほど問題ありませんが、30代後半の生理不順は更年期に近づいている事もあり、女性ホルモンのバランスが乱れ、そこから自立神経が崩れてしまいます。何もせずに放っておくと、社会生活がまともに送れなくなるケースもありますよ。それより、いくら競技の為とはいえ、ダイエットでずっと生理が止まっている事に、今まで危機感を感じていなかった事に、もう少し危機感を持った方がいいですよ」
というものでした。

年齢と共に色々な病気が発症しやすい事もあり、子宮癌や乳癌の事も気になる様になりましたので、市から提供される無料検診には必ず行くようにしています。

また、無理なダイエットが原因で生理が止まってしまわないように、オフシーズンの間でもコンディションを安定させるように気を使うようにしています。この競技はダイエットという行為で、どうしても女性ホルモンが減少してしまいます。体に異変が起きても「ダイエットだから・・・」で見過ごしてしまう可能性がありますので、オフシーズンの間に、女子選手の皆さんは婦人科系統の検診をしてください。

ダイエットが始まると、どうしても気持ちがコンテストに向かってしまい、こういった検診を先延ばしにしてしまいがちなので、ダイエットに入る前に婦人科系統の検診をする事をお奨めします。

女性としてのメンテナンス

長い目で競技を見据えた時に、オフシーズンはトレーニングによる筋肉のバルクアップは勿論、こういった肌や髪、婦人科系統のメンテナンスに気を使いましょう。

アメリカやヨーロッパの女性アスリート達は、どの競技者の方も、非常に女性らしくエレガントで、試合が終わった後のパーティー会場などでは、周囲がドキッとするほど美しくエレガントにドレスアップして、会場に登場するのが常識です。

一昔前の日本人女性アスリートは、どちらかというと、『スポーツ=女性らしさを捨てる事』というのが美徳とされたイメージがありました。昭和のスポ根マンガ世代で育った影響か、指導者が男性の場合、『巨人の星』や『明日のジョー』のような世界を女性に押し付けている感じがします。
女性アスリートの皆さんは、『エースをねらえ』を読んで、エースを狙いましょう!

女性アスリートの皆さんは、『エースをねらえ』を読んで、エースを狙いましょう!


同じスポ根マンガなら、『巨人の星』『明日のジョー』ではなく、『エースをねらえ』のような、女性ならば華麗美しい世界で生きたいですよね。女性なら、誰しもが『飛雄馬』や『矢吹丈』より、『岡ひろみ』や『お蝶夫人』に憧れます。

今の日本人アスリートは、時代と共に変化して、アスリートとしての真剣な姿勢と一緒に女性らしさを失わないというのが常識になってきました。これからこの競技を始めようとする選手は、是非とも『エースをねらえ』を読んで、モチベーションを高めてください。

主人公の『岡ひろみ』は、ミーハー気分でテニスを始めたのですが、コーチである宗方に選手としての素質を見出され、厳しい特訓と激しいイジメに耐えながら、頂点を目指していくという、とても素晴らしいスポ根マンガです。

最近放送された上戸彩が主演したドラマ版より、元祖アニメ版や漫画の『エースをねらえ』の方が、よりお奨めです。なぜなら、ドラマより元祖版のアニメや漫画の方が、よりスポ根度が高く、より華麗で、より女性らしいと思うからです。

ボディビル・フィットネス・ボディフィット、全てのカテゴリーの選手達が、舞台の上だけでなく、間近で見ても、健康的な美しい姿である事は、今後の競技人口増加に繋がるはずです。女性アスリートの皆さん、是非『エースをねらえ』を読んで、そしてエースを狙いましょう!
  • 山中輝世子(やまなか・きよこ)
    主な戦績
    2000年・2001年・2004年オールジャパンMs.フィットネス優勝
    2001年アジアフィットネス優勝
    2004年オールジャパンボディフィット優勝
    2006年にIFBBプロフィギュア資格取得
    現在、ジム『プラスワン』と『スタジオステラ』にて、フィットネス選手育成やヨガ講師として勤務。

[ 月刊ボディビルディング 2009年1月号 ]

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