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新ナルシスな奴ら!Vol.13 鈴木俊廣

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.07.28
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今回ご登場いただいたのは、今年大会デビューした鈴木選手です。トレーニングへの意気込みや情熱、そして数々の大病と闘いながらボディビルと出会い、デビューするなり多くの大会に出場したという、その生き様をお聞きしました!

ナルシス(NY) 本日はよろしくお願いします。初めにトレーニングを始めたきっかけを教えて下さい。

鈴木(TS) 1993年に右肺、1997年に左肺が肺気胸になり、手術しました。当時は今のように内視鏡手術ではなく、全身麻酔で胸を切るという大手術でした。術後は体力が低下して歩くのも辛い状態になり…。身体はどんどん肥満化していきました。そこで会社帰りに歩いて帰るなどのウォーキングを始めました。 ある日銀座に用事があり歩いていたら、たまたまワウディ(現在のゴールドジム銀座店)というジムのオープン日だったので、ふらっと見学しました。ウォーキングだけでは身体が変わらない状態が続いていたので「施設でしっかり指導を受けながらトレーニングをやってみよう」と入会したのがきっかけです。

NY いきなりの大病話…! 凄い経験をしていますね。当時はどんなトレーニングをしていましたか?

TS 当時はまだベンチブレスやラットプルダウンぐらいで、あとはやっぱり有酸素運動ばかりでした。そんな中、同じジムの仲の良い会員さんがゴールドジムに移籍するというので私も移籍しようと考え、その結果ゴールドジム大森に入会しました。その頃は雑誌を見ながらの自己流トレーニングで、分割トレーニングなどは知らなかったのでほぼ毎日全力「できることをすべてやる」というメニューでした。 そのうちベンチブレスで肩を痛め、スクワットで膝腰を痛めながらもトレーニングをしていたら、小沼敏雄さんに声をかけていただきました。身体を痛めた原因とフォームチェックをしていただきまして、ワンポイントレッスンを受けるようになったのが、正式なトレーニングのスタートです。

NY 本格的なトレーニングまでかなり時が経ちましたね。

TS はい(笑)。そして05~09年の4年間は福島へ単身赴任したため、平日は小さなトレーニングセンターに通い、週末は東京に戻って小沼さんに指導してもらう生活が続きました。おかげで一般人並みの体力に戻りましたが、体型は相変わらず中年太りという感じで、自分の中では納得いきませんでした。
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NY では大会に興味を持ち、出場したいと思ったのはいつ頃ですか?

TS 大会を初めて観戦したのは05年です。当時ワウディのトレーナーだった桂良太郎さんが東京オープンに出場するということで、会員さんたちで応援に行き、そこで初めてボディビル大会があることを知りました。確か70kg級で桂さんが優勝し衝撃を受けましたが、当時は自分が参加することなど有り得ないと感じていました(笑)。しかしゴールドジムに移り、春から初夏にかけてジムのロッカールームで見かけるボディビルダーたちがみるみる絞れていく姿に興味が出て、小沼さんにいろいろ相談してアドバイスをいただいたところ「ポージングをやってみないか?」「絞れるぞー!」と言われまして。大会に出るわけでもないのに、とりあえず2010年の1シーズン、ポージングアカデミーに参加したんです(笑)。

NY ポージングレッスンから!? それは知らなかったです! 参加者の反応は?

TS 「鈴木さん、大会に出ましょうよ!」と誘われるようになりました。でも、実はそのころ心臓の病気をしていまして。

NY えー! 今度は心臓ですか!?

TS 07年、09年、10年に、仕事中に狭心症の発作が起き、救急車で搬送されて緊急入院し、カテーテル治療をしまして。でも入院から4日ほどで自宅に戻れるように血管を広げる処置をしますので心臓は治ってしまうわけで、退院後は特に生活上の制限はないので、医師に「ジムでの運動は大丈夫ですか?」と聞いたところ「できるならやっていいですよ」ということでした。そこで毎回の退院後は2日目にはトレーニングをやってました(笑)。

NY 聞いている立場では笑えません…。凄い経験していますね!

TS でも、まだありまして。

NY (絶句!)

TS 2010年春に前立腺がんが見つかり、夏ごろには全摘出手術の日程まで決まっていたのです。ところが手術予定日の数日前に狭心症の発作が起こったことから前立腺の摘出手術は中止になり、放射線治療とホルモン治療に方針が変わりました。お医者さんからは「2カ月連続して毎日放射線治療とその後テストステロン(男性ホルモン)の発生を抑えるホルモン注射をするので体脂肪がつきやすく、副作用がひどい人は乳房が女性化する」と言われました。ちょうどそのころ、翌年から大会に出場しようかなぁと思い始めていたころでしたので、この言葉は衝撃的でした。「ボディビルは無理かな」と思いました。 ただし冷静になって考えたのですが、女性でもバリバリに絞れる人はいるわけで、「時間をかければ自分も減量もボディビルもできるのではないか?」と。

NY 素晴らしい! まさにポジティブシンキングですね!

TS ただし筋量アップはホルモンの関係から難しいようでしたから、徹底的に絞ってみようと考えました。

NY 鈴木さんとお話するようになったのは、そのころですね。

TS はい。キャリアもなく身体もできていない状態で、しかも年齢の面からも何年もかけて身体を作るなどできませんし、翌年の東京オープンの日程を考えても残り数カ月しかない状態では「自己流では無理」と考え、ナルシスさんに話したのです。「身体を変えてあげる」という言葉には感激しました。

NY 基礎筋肉量を上げるために〝重さを乗せる〟ボディビルトレーニングを叩き込みましたし、鈴木さんご自身は限界を超える追い込みをしましたね。そしてその成果が実り、半年でかなりボディビルダーらしくなりましたよね。

TS 本当に変わりましたよね。
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NY 大会に向けては、どのような取り組みをしていきましたか?

TS 5月に開催された東京オープンを目標に、前年の6月から減量を開始しました。普通の方より倍は時間がかかると考えたからです。

NY 減量幅は?

TS 72kg~61kgまで、11kgです。

NY 自主トレーニングと調整はどうでした?

TS 自主トレーニングはだいたい3時間ぐらい行ないました。ルーティンは、月曜=胸、火曜=肩、水曜=背中、木曜=腕、金曜=肩、土曜=脚、日曜は1時間かけ歩いてジムに行きポージング練習などしてから、また歩いて帰宅、ということで、休みという休みはなかったです。調整はナルシスさんに教わったササミのハンバーグからスタートし、その後は「いかに手を抜いて楽に食事を作るか」を課題にやっていました。

NY とは言っても性格的に几帳面ですし、〝趣味は料理〟と仰るほどですから、まったく手を抜いていませんでしたよね。奥様にもやらせないんでしょ!?

TS はなっからやるつもりもないですよ(笑)。
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NY 鈴木さんはいつもジムの閉館ギリギリまでいて、1時間以上かけて午前1時過ぎに帰宅しているんでしょ?

TS そうです。そこから軽くサラダを食べながらキッチンに立ち、1日分の料理を作りはじめます。すると朝の4時ごろになりますので、1時間寝て5時すぎにはウォーキングしてから着替えて会社に出勤、という毎日でした。

NY それじゃ寝不足でフラフラでしょう! 料理に手間かけ過ぎですよ~(笑)。しかもその調整の日々は東京オープン参戦では終わらず、次々にチャレンジしていったわけですが、どうでした?

TS 調整は順調にいき、年明けになるとまわりには「早すぎ!」と言われました。春には小沼さんにも仕上げを褒められ、それは良かったのですが、仕事が忙しくなったためにトレーニングが足踏みになり、結果として東京オープンには目標の仕上がりでは挑めませんでした。

NY でも、じゅうぶんに良い仕上がりでしたし、大会では迫力を醸し出していましたよ。

TS 前半戦の反省から後半戦は完全なるノーカーボにしたところ、代謝は下がりフラフラで本当に辛かったです。調整期間も1年になりましたから。

NY 確かに長いので想像以上に辛かったでしょうね。他にも何かエピソードはありますか?

TS 大森のゴールドジムの地下にあるスーパーで飲料水を買っていた時、レジ脇にあったササミジャーキーを手に取ったら、犬用ジャーキーでした。でも成分表を見ると、脂肪も炭水化物も塩分も良い感じでしたし、以前「人も食べられる」と聞いていたし、あまりにもお腹がすいていて歩くのも辛い状態だったので、思わず買って、ジムのロッカールームでしゃがみ込んだまま食べまくりました(笑)。後日いろんな方から「やめなさい」って注意されましたが(笑)。

NY やってますね~(爆笑)。ではそろそろ最後の質問になってしまいますが、今後の目標などをお聞かせ下さい。

TS 今年は目標にする仕上がりに持って行けなかったのですが、常にナルシスさんに見せつけられている仕上がりに近づけられるよう、来年は頑張ります。今年は関東大会や東京大会で結果を残せなかったので、来年は予選通過できるよう頑張りたいと思います。

NY 本日はありがとうございました。病気と闘いながらも常に前を向き生きる姿勢や取り組み方を聞かせてもらい、感動すら憶えました。来年はさらにバリバリに仕上げた鈴木選手の躍動する肉体を是非とも拝見し、応援していきたいと思います!
著者プロフィール:やまもと・まさひろ(通称ナルシス)
抜群のシェイプと類希なポージングセンス、そして自らをナルシストと公言してはばからない特異なキャラクターで人気を集める元日本選手権ファイナリスト。これまでに東京クラス別70kg級・75kg級、日本クラス別75kg級、東日本選手権、ジャパンオープンを制している。
http://blogs.yahoo.co.jp/wwrcf122
[ 月刊ボディビルディング 2013年1月号 ]

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