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L-1チャンピオンが行く 筋肉浪漫街道 第4回 鉄の塊は、身体と心を強くしてくれる

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[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]
掲載日:2017.09.12
文/西田謙司

ウエイトトレーニングの効果を競技スポーツに活かすためには、多くの筋肉を同時に動かし、上半身と下半身の連動を意識できるフリーウエイトトレーニングが重要だと思いました

 私が生まれて初めてジムに通ったのは、いわゆるスポーツジムと呼ばれる、ごくごく普通のトレーニング施設でした。フリーウエイトと呼ばれる器材は一切設置されていなくて、全てがマシン系の器材でした。また、そのマシンの種類も少なく、ジムスペースの殆どが、バイクと腹筋台、そしてストレッチエリアという状況でした。でもこれが普通の環境だと思っていたので、違和感なく限られたマシンを駆使してトレーニングをしていた事を、今でも鮮明に覚えています。

 今から思えば、トレーニングに関する知識がない中、サプリメントもろくに摂取せず、誰に教わる訳でもなく、若い女性スタッフにマシンの使い方だけを簡単に説明されただけで、適当に全身をトレーニングしていたにも拘らず、少しずつですが体の変化を感じる事が出来たのが驚きです。もちろん、筋肉がついた、ついていないというレベルではないにしても、トレーニングする前の体から比べると、明らかに体の線が太くなっていっていることは感じられました。事実1年くらい経つと、「何か大きくなってない?」なんて声を掛けられるようになりましたから。またそれが嬉しかったりして、トレーニングの励みにもなったものです(笑)。

 本格的にウエイトトレーニングを始めたのは、オーストラリアに留学中の時になりますね。ここで初めて、フリーウエイトに出会う訳なのですが、今までのマシントレーニングでは感じる事が出来ない、トレーニングの難しさに直面することになります。

 例えばベンチプレス。マシンのベンチプレスでは、120キロのプレートを挙上していたのですが、フリーウエイトのベンチプレスでは最初、60キロが挙がりませんでしたから。フリーウエイトだと、重量を支えるバランス感覚が大切になってくるので、マシンばかりだった私には、60キロでも重く感じられました。もちろん、マシンはマシンの良いところがある事は分かるのですが、競技スポーツに繋げるためには、多くの筋肉を同時に動かして、また上半身と下半身の動きを連動させる事を意識したトレーニングが出来る、フリーウエイトが有益だと思います。事実、フリーウエイトを使っての高重量トレーニングに特化したことで、空手の突きや蹴りのパワーは、みるみるうちに上がっていきましたから。
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インクラインダンベルプレスで胸を追い込む筆者。倉川さんの丁寧な補助のお陰で、毎セット限界まで追い込む事ができ、記録が顕著に伸びたという。
 では私がワールドジムで取り組んでいた時のトレーニングメニューを見て頂きましょう。1週間のうち、空手の稽古が月、水、金の3回、ウエイトトレーニングが火、木、土の3回、週6日稼働で、日曜日を完全オフ日としていました。ウエイトトレーニングの1日目は腕と二頭、三頭、2日目は背中と肩、3日目は脚の3分割。すべての種目でピラミッド方式を採用して、出来る限り重たい重量で行います。レップスは基本4レップスから6レップス挙がる重量でセットを組みますが、必ずピラミッドのトップでは、1レップ出来るか出来ないかのMAX重量にチャレンジする事を心掛けました。何故なら、当時は空手の試合で勝つために、圧倒的なパワーが欲しかったからです。

1日目

【胸】
●フラットベンチプレス
●インクラインダンベルプレス
●ケーブルクロス

【腕(二頭・三頭)】
●バーベルカール
●ダンベルカール
●トライセプスプレスダウン
●シーテッドマシンディップス

2日目

【背中】
●フロントラットプルダウン
●ビハインドネックラットプルダウン
●ロープーリーロー
●エンドオブバーローイング

【肩】
●バーベルシーテッドバックプレス
●サイドレイズ
●シュラッグ

3日目

【脚】
●バーベルスクワットもしくは45度レッグプレス
●レッグエクステンション
●レッグカール
●スタンディングカーフレイズ

 もちろん細かい種目の変更はありますが、基本このようなメニューで筋力とバルクアップに努めました。特に、ワールドジムでは、JPCチャンピオンの倉川昇さんに補助をして頂くようになってから、顕著に記録が伸びるようになりました。倉川さんは、日本のビルダーでは珍しいバルキーな選手で、トレーニングにおいても、全ての種目で半端ない重量を扱っていましたから。ベンチプレスは200キロ、バックプレスでは130キロをプレスしていました。またスクワットでは、ハーフでしたが300キロを担ぎ、フルスクワットも240キロでセットを組むという、えげつない重量でのトレーニングを目の当たりにして、いつも刺激とやる気をもらっていました。つまり倉川さんのバルクとパワーは、ヘビートレーニングの賜物である訳ですから、私も出来る限り重たい重量でトレーニングする事で、バルキーな身体とパワーを求めたわけです。そのお陰で、ベンチプレスでは170キロ、フルスクワットでは220キロ、ハーフでは260キロまで挙上出来るようにまでなりました。
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500キロ前後のレッグプレスで脚を追い込む
 今から思えば、この高重量トレーニングによって作られた基礎体力こそが、私の全ての源になっていると言っても過言ではありません。高重量を扱う事で、肉体的にも精神的にも強くなれたこと、何よりもその事で、仕事や友人関係など、全ての事に自信を持って接する事が出来るようになった事が大きかったですね。

 空手からドラコンの世界へ飛び込めたのも、高重量トレーニングの賜物だと思っています。もちろん空手でも、ドラコンでも、他の競技でも同じで、パワー一辺倒だけではダメだってことは十分理解しています。体を捻転させたり、回転させたり、跳んだり跳ねたり、それも早い動きの中で行わなければいけない訳ですから。なので、競技に則して自重でのスピードトレーニングも並行して行う訳ですが、高重量トレで基礎体力を作ってからスピードトレーニングを行うのと、そうでないのとでは、体幹の強度が全然違ってくると思います。パワーとスピード、そこに柔軟性が兼ね合わされてこそ、レベルの高いパフォーマンスが発揮できると信じています。

 では、高重量トレーニングで培ったパワーを、競技に活かすために行っているトレーニングを次号で綴っていきたいと思います。                    (つづく)
記事画像3
西田謙司(にしだ けんじ)
 大阪府八尾市在住、ニシダガスセンター株式会社代表取締役(www.ngc-gas.net)、国際空手道連盟極真会館大阪なみはや支部八尾道場師範
ガス会社の他に、トレーニングジムや空手道場、飲食業の会社も手掛けている。また、(株)L-1 の役員として、ドラコン大会を開催しながら、選手としても活躍している異色のドラコンマン。最長飛距離は404 ヤード。平均ヘッドスピード65m/sameba
ブログ『けんぢの楽しいお部屋』 日々更新中!
経歴:第15 回全オーストラリア空手道選手権大会優勝、2010L-1 グランプリドラコン日本一決定戦優勝
[ 月刊ボディビルディング 2014年6月号 ]

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