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山本加容子(2014ジャパンオープンボディフィットネス優勝者)

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[ 月刊ボディビルディング 2014年11月号 ]
掲載日:2017.09.21
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悔しさを原動力に、7位から頂点へ

――今回のジャパンオープンは〝並々ならぬ決意〟で臨んだそうですね。

山本 表彰台に乗れれば良いな、と思っていました。千束さんとは「2年かけて優勝できれば良いね」と話していたくらいですし。


――〝嬉しい誤算〟だったわけでしょうか?

千束 誤算ではないね。山本さんがより努力したから勝てたのだろうから。みんな努力しているのは当然だもの。でも実は、今年の目標は3位以内だった。俺は神様じゃないし、そんなに甘い世界じゃないから、いきなり優勝させることなんてできないと思っていたからね。だけどラインナップの時点で「これは優勝する!」と。張りもシルエットもダントツだったからね。

山本 実際のところ、この1年で身体がすごく変わりました。こんなに短期間に変わるなんて、これまで経験したことがなかったんです。


――具体的に「変わった」と思うところは?

山本 肩です。


――千束さんから指導を受けるようになったのは、7位だった昨年のジャパンオープンのあとからとのことですが・・。

山本 それまで大会後のレセプションには出ていなかったんですけど、去年のジャパンオープンの時はレセプションに出て、千束さんに話しかけたのがきっかけです。大会の休憩時間に千束さんが他の選手と気さくに話しているのを見て、「この先生なら講評を聞きやすそうだな」と思って。それで、ジャパンオープンが終わって東京に帰ってからすぐに連絡をとって、指導を受けるようになりました。

千束 山本さんとも話しているけど、まずタイミングが良かった。ちょうどボディフィットネスの選手を誰も指導していなかったから、山本さんを受け持つ余裕があったんだ。それに、何よりも山本さんから「もっと上に行きたい!」という気持ちが感じられたし、それまで審査員として山本さんを見てきて「もったいない」と思っていたんだ。ポージングや表情を直すだけで、もっと上に行けると思っていたからね。でも面識もないのに「キミ、こう直しなよ!」とおせっかいをするわけにもいかないでしょ。

山本 私、去年のジャパンオープンの結果には、かなり落ち込んでいたんです。「身体をちゃんと作っていった」と思っていたわりには評価されなくて・・。でもジャパンオープンの翌週に開催された東京選手権までの間に、1回だけ千束さんにポージングやステージングを指導してもらったのですが、強い気持ちで臨めたおかげで優勝できたのです。たった1回の指導だけでもこんなに変わるのか!と驚きました。結果が出たこともすごく嬉しかったし、この年齢でも身体が変われるんだ、という人間の可能性に感動したんです。

千束 指導するようになってから1年間、トレーニングや大会前の調整、ステージングを指導してきたけれど、正直に言うと、予定よりははるかに良かった。俺が予想していた以上に山本さんが努力したということだね。特にトレーニングはすごく頑張ったね…すぐにイヤそうな顔をするけど(笑)。

山本 去年の結果がすごく悔しかったから、1年間ずっとその気持ちを持ちながら練習してきたんですよ!


――去年のジャパンオープンの借りを、今年のジャパンオープンで返せたわけですね。去年より身体を絞っていたようですが、7月末の大会に向け、減量はいつから開始しましたか?

山本 4月です。いつもはもっと短くて、5月後半からの2カ月くらいで仕上げていました。ジャパンオープンは例年8月に開催されていましたが、今年は時期が少し早まったというのと、去年よりも変わった身体で出ないと


――絞らないといけないと思って。仕事で有酸素運動はしますので、炭水化物の摂取量を調整するようにしました。

千束 大会までまだ時間的に余裕がある状態で仕上がっていれば、精神的にも余裕が持てるしね。大会前の山本さんは自信を持ってトレーニングしていたよ。

山本 自分自身でもすごく自信がありました。だからコンテスト前になっても結構元気でしたよ。減量中でもいい加減な食事をするのはイヤですし、身体に良くて美味しいものを食べたかったので、減量中も毎週焼肉屋に行っていたのも良かったのかも・・大会前は味付けナシでしたけどね。あと、馬肉も食べていました。パサパサの鶏肉だとか、エサみたいな食事はイヤなんです!それでも減量は上手くいって、昨シーズンよりも2.5㎏くらい落ちました。今年は私、とにかくジャパンオープンで優勝できたことが何より嬉しいです。だって、去年7位の人間が・・ですよ!この大会に1年間かけてきましたからね。去年は本当に悔しかったけれど、去年とは違った身体になったという自信を持って今年の大会に臨めたのが良かったのだと思います。
今年のジャパンオープン。前年の7位から一気に頂点へ!

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その要因の1つは千束氏にトレーニング全般の指導を仰いだことだと山本選手は言う

その要因の1つは千束氏にトレーニング全般の指導を仰いだことだと山本選手は言う

スーパーセット×ディセンディング × ネガティブ

――トレーニング中、千束さんが「山本さんは『もうできない!』と言いつつ、こなしちゃうんだよ」と仰っていました。さきほど脚のトレーニングを拝見しましたが、すさまじいものでした。今シーズンのコンテストが終わったばかりで、身体的にはヘトヘトでしょうに…。

山本 指導を受けだしたころはもう少しソフトだったのに、徐々に激しくなってきました。

千束 ひとりでやっていると、どうしても甘えが出ちゃうから、誰かが殻を破ってやらないとね。でも、他のクライアントにさっきのトレーニングを指導したら逃げちゃうよ。山本さんと俺の間に信頼関係があってこそできる、追い込んだトレーニングだね。


――たしかに、ネガティブのかけ方を見れば、信頼関係がないとできないだろうなと納得できます。

山本 今日は撮影があるという緊張感から、いつもよりもアドレナリンが出ていました。使用重量は同じだけど、レップ数は多くこなしました。「恥ずかしい姿は見せられない」という思いが強くなったから、自分の心にブレーキをかけなかったんです。

千束 普段は「腰が痛い」なんて言わないのに、今日は言っていたから、ゆっくりやるようにと伝えたんだ。身体を壊してしまったら、今まで作ってきたものが台なしになるからね。


――今日のトレーニングは、スーパーセットでディセンディングもし、さらにネガティブをかけるという、見ている側までもが辛くなるようなハードなものでした。千束さんから指導される時はいつも同じようなものなのでしょうか。

山本 そうです。千束さんには週1~2日指導してもらい、それ以外にひとりで週4~5日トレーニングしています。千束さんに見てもらう部位はローテーション次第ですが、大会前は千束さんが決めています。

千束 山本さんが決めると、脚をやりたがらないから(笑)。

山本 そんなことはないんだけど…先生の指導はキツいから。脚のトレーニングのあとは、そのあと1日ずっと何もできなくなるんです。夜にレッスンの仕事がある時は大変なんですよ(笑)。

千束 でもね、女子であれほどやれる人は他にいないよ。


――最後の種目、カーフレイズは50レップスやっていました。

千束 オールアウトをする回数が大切だと考えているからね。


――セットごとに違う種目をしていたのも特徴的でした。

千束 使っている筋肉がいつも違うほうが良いよね。いろんな方向から刺激を与えてオールアウトすることが大事。


――オンシーズンとオフシーズンでトレーニングに違いはありますか?

山本 オンになったら肩と腹筋は毎日やっていました。

千束 弱点部位は頻度を上げてトレーニングすべき。〝俺たちにオーバーワークはない!〟ってね。代謝を上げるためにレップ数を増やすこともあるな。筋肉の稼働率を上げるためには、〝短時間でオールアウト〟が大切だから。


――山本選手がひとりでトレーニングする際は、どうですか?

山本 補助がいないと千束さんに指導してもらう時ほどの高重量は扱えないので、セット数やレップ数を多くしています。時間的には長くなってしまいますが、仕事の合間にしかトレーニングできないので、かかっても1時間くらい…30分だけということもあります。短くても集中してトレーニングすることが良いのかなと思っています。


――睡眠時間をしっかりとっているそうですが、それもトレーニングが短時間だからこそですね。

山本 睡眠は平均して7時間くらいはとっています。疲れをとるためにも必要ですね。

千束 あれだけのトレーニングをしていたら、寝なきゃ疲れが取れないよ。

〝綺麗!〟と言われ続けたい

――千束さんからはトレーニング以外にも指導を受けたのですか?

山本 ポージングの指導もしてもらったし、衣装合わせにも立ち会ってもらいました。私のハイヒールを履いてウォーキングしてもらったこともありますよ(笑)。


――男性も実際に履いてみると、ヒールで歩く大変さが解りますよね。

山本 大阪のおばちゃんみたいになっていましたよ(笑)。

千束 俺もいろいろ大変なんだよ!

山本 去年は10月末のグアム親善大会にも出場したのですが、そのためにウォーキングの練習をしたのが今回にも活きたと思います。今年だけでなく、あの時からずっと練習してきたのが良かったんですよ。特に今年はステージングだけでなくウォーキングの審査もありましたし。


――ここ数年、ボディフィットネスとボディビルの両競技にエントリーする選手がいます。言葉は悪いですが、縄張りを荒らしているようにも感じませんか?

千束 端的に言うと、ボディビルの選手がボディフィットネスに出るなら、その競技に専念してもらいたい。ボディビルとボディフィットネスは当然審査基準が違うんだからね。ボディフィットネスの審査基準がわかっていれば、 おのずと評価の仕方もわかってくるはず。確かにまだまだ、山本さんも含めて日本のボディフィットネスの選手はもっと筋肉を発達させるのは当然ではあるけど、まったく別の競技である事を理解して欲しい。だから、山本さんには絶対にビキニには出させたくない。俺がAFBFのセミナーに参加したとき「ビキニはノーマッスルだ!」とIFBBの役員が何回も何回も言っていたからね。ボディ ビルは筋肉を発達、形、そして調整も含めて総合的に評価する競技だし、ボディフィットネスは〝トレーニングで鍛えた女性らしい身体〟が評価されるべき。絞りすぎていたり、お尻に丸みがないような選手が評価されるのは、どうだろう?餅は餅屋だよ。

山本 ボディフィットネスに〝下がってきている〟と感じてしまいます。キラキラした衣装を着たい、という気持ちがあるのかもしれませんが、だったらボディフィットネス競技に専念すれば良いのに、何でボディビル競技に戻るの?と思ってしまいます。


――来年の出場予定は、オールジャパンと・・

山本 日本でアジア大会がありますよね。もし選抜してもらえるなら出たいです!


――来年に向けて、身体の面での改善ポイントはどこですか?

千束 大きくしていきたいね。山本さんはウエストが細いから、上体の逆三角形をさらに強調できれば、もっと見栄えするよ。

山本 うん、もっと大きくしていかないと!私はもともと肩幅がある人間ではないから、人より努力しないといけないんです。


――では最後に。山本選手が思う、ボディフィットネスの醍醐味とは?

山本 仕事柄もありますが、「綺麗!」と言われることが憧れなんです。だから身体だけでなく、ヘアメイクや衣装や表情も・・全体を含めて美しくあることです。
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やまもと・かよこ/ 東京都出身/ 48歳/ 身長168cm、体重51.5g(オン)、58kg(オフ)/トレーニング歴3年/職業:フィットネスインストラクター/ゴールドジムイースト東京所属
撮影協力: 成増トレーニングセンター
text = Akane Yamaya Photo = Ben
[ 月刊ボディビルディング 2014年11月号 ]

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