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本場アメリカのジムと有名ビルダーたちの近況

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.11.07
’72ミスター高知2位 河内山 和夫
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 去る3月31日、本職の歯科技工士の勉強と、本場のボディビル視察を兼ねてアメリカに渡った河内山和夫選手から、さきごろ親友の重村洵さん(赤羽トレーニング・ルーム・コーチ)に、アメリカのジムや、有名ビルダーたちの近況を次のように知らせてきた。
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 シスコに着いてからゆっくり手紙を書くつもりでしたが、ロスでたくさんの有名ビルダーに会ったのでまず連絡します。みんなこの手紙と写真を見たら、うらやましくて気が狂っちゃうんじゃないかと心配です。

 その前に、日本を発つときにロスでビル・パールを知らない者はないと聞いてきましたが、まったくでたらめでした。確かにビルダーならそうかも知れませんが、一般の人はぜんぜん知りません。この点は日本でも同じだと思います。

 たとえば一般の人に、そう、赤羽トレーニング・ルームの近くのボディビルに関心のない人に、「重村洵さんを知ってますか?」と聞いても多分知らないはずです。

 先日、パサデナ・へルス・クラブの近くのレストランで、私の体を見た何人かの人から「なんの運動をしているんだ?」「腕が太いけど何センチあるんだ?」「何ポンド挙げられるか?」と聞かれましたが、その人たちにビル・パールを知っているかどうか聞いてみましたが、1人も知りませんでした。確かにアメリカのボディビルの層は厚いですが、一般の人のボディビルに対する関心という点では日本と同じようです。

 ただ、最近日本でもへルス・クラブ的なものに関心が寄せられていますが、アメリカでは見るもの聞くもの、すべてがケタちがいでびっくりしてしまいます。たとえば、ジャクラレーンという人は、アメリカに100以上のへルス・クラブをもっていて、彼自身が出演しているテレビも見ました。

 そろそろ本題に入りますが、まず会った人の名前をズラッと並べてみましょう。ビル・パール、ジム・モリス、ビンス・ジロンダ、ダン・ピータース、ケン・ウォーラー、フランク・ゼーン、デイブ・ドレイパー、そしてフランコ・コロンボ。どうです、ヨダレが出るでしょう。

 ではこれから順々に各ジムと各ビルダーについてご紹介しますが、長くなりますのでだいたいのところでカンべンしてください。
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◇ パサデナ・ヘルス・クラブ

 これはビル・パールが経営しているジムですが、設備においては完全で、いままで見た中ではトップです。トレーニング・ルームは4つあって、2つは赤いじゅうたんが敷いてあり、時間によって男性、女性をチェンジしています。あと2つはコンテスト・ビルダー専用です。

 その他、オフィス、プロティンフード・ルーム、トレーニング・スーツ・ルーム、プールのようなバス、シャワー、サウナバス、スチームバス、サンランプ・ルーム、マッサージ・ルーム、それにレスト・ルーム等があります。レスト・ルームにはコーラやジュースがありますが、普通のものとは少し違いダイエット・コーラとかダイエット・ジュースといって砂糖ぬきのものです。また、コーヒー用にはカロリーの少ないナチュラル・シュガーを使っています。

 ビル・パールはとても忙しそうで、話すひまがありませんでしたが、動きが軽くて、写真のようなどっしりとした感じは受けませんでした。
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◇ ジム・モリス

 彼は6月10日に行われたAAUのミスター・アメリカでチャンピオンに選ばれたばかりで、たいへん張り切っていました。初めて彼を見たときは、ビックリして腰が抜けそうでした。一緒に並んだ自分が、まるで骨と皮ばかりに見えてしまったんです。どういうわけか話が合ってすっかり仲良しになりました。

◇ ビンス・ジム

 ビンス・ジロンダが経営するジムでアメリカでもかなり有名です。でも、ジムの中が暗くてあまり好感がもてません。小道具が多くて使い方のわからないものがいっぱいありました。しかし、説明を聞いてみるとなかなか理論的で、さすが本場アメリカだと感心しました。ここでトレーニングをしていたダン・ピータースは、クリント・イーストウッドに似ていてなかなかいい男で、私の体を見て「バックはかなりいいから、あとは胸の厚みをつくれ」などとアドバイスをしてくれました。
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◇ ゴールド・ジム

 経営者は日本でもよく知られているケン・ウォーラーで、ジムのスペースの大部分を器具が占領していました。とくにダンベルが多く、重いのは150ポンド(約68kg)ぐらいで、ざっと数えて106個ありました。シャワーなどは2階に追いやられていました。会員はどっちを向いてもヘラクレスばかりで、私と同じ身長で17〜18インチ(43〜45センチ)の腕をしたのがゴロゴロいます。

 ケン・ウォーラーは、最近バルクがうんとつき、少し太り過ぎだといっていました。それにしても彼のカーフの太さにはたまげてしまった。彼はもっとシェイプ(カッコよさ)が欲しいといっていました。

 また、ケン・ウォーラーに招待されて、彼の家(アパート)で奥さんと3人で食事をしました。お土産に重ちゃん(重村洵さん)に買ってもらったパワーリフト用のトレーニング・スーツをあげたところ、ずいぶん気に入って、もっとたくさん送って欲しいが値段はいくらかと聞かれました。
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◇ フランク・ゼーン

 ゼーンは写真で見るよりずっと厚い胸をしていました。彼はラット・マシーンが好きらしくフルに使っていました。

 さすがに数学の先生らしく、おだやかできれいな英語をしゃべるので、すごくききとりやすかった。近く日本に行くというので、日本の気候をしきりに気にしていました。いま体調もベスだそうですから、きっと日本のファンも満足するでしょう。

◇ デイブ・ドレイパー

 彼の練習はいつも朝早く、朝寝ぼうの私は2日も会いそこね、3日目に7時30分ごろ行ってやっと会えました。彼もおだやかな性格で、それにとても親切で、フランク・ゼーンと同様に非常に好感がもてました。

 デイブの運動のやり方は、基本どおりに正確に行なっていて、見ていてもすがすがしさを覚えます。ボディビルというよりへルス・エクササイズという感じですが、もう一回、もう一回とがんばるところはさすがです。

 彼は家具のメーカーに勤めていて、いまとても忙しいので、朝早くトレーニングするのだそうです。遠くで見ると少し細身でスマートな感じがしますが、近くで見るとさすがに逞しく、とくに腕の太さにはおどろきました。とても気さくで、名前をおぼえていてくれて、2回目に会ったときには「へイ!カズオ」と肩をたたかれ、十年来の友人のような錯覚を起こしました。
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◇ フランコ・コロンボ

 コロンボとはゴールド・ジムで何日間も一緒にトレーニングしました。とにかく動きが早くてとてもついていけません。

 トレーニングはストリクトもチィーティングもない。ただガムシャラにやるだけです。しかし、よくみていると決してムダな動きがないところはさすがです。
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 もっと書きたいことはたくさんありますが、それはまた帰国してからのお楽しみということにします。そのかわここに紹介したビルダー全部に ”To Jun Shigemura”とサインしてもらってありますので楽しみにしていてください。とくに、デイブ・ドレイパーにはサイン入りの四ッ切写真を2枚もらいましたのでこれもさしあげます。

 ではまたシスコからお便りします。
[ 月刊ボディビルディング 1973年9月号 ]

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