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ギュウゾウとまるたんの拝筋主義者ネオ!第1回 三五十五(電撃ネットワーク)

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[ 月刊ボディビルディング 2015年01月号 ]
掲載日:2017.01.23
三五十五(さんごじゅうご)は過激パフォーマンス集団・電撃ネットワークのメンバー(MC担当)。日本のみならず、アメリカ、カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、香港、韓国など世界各国でライブツアーを行うエンターティナー。東日本大震災では、直後からロッケンローラー・内田裕也さん、歌手のAIさん、真木蔵人さんらと共に東北での炊き出し、ミニライブなどに参加。茨城県日立市では被災地支援チーム『何とかし隊!』を結成し、各地でボランティア活動を行っている。

平成25年7月に公演先のハワイで倒れ、帰国後の入院先で肺癌発症、癌転移告知、余命1ヶ月の宣告を受けるも、屈せず体調回復。現在はライブ現場復帰を目指しリハビリ中。

まさか自分が癌になるとは思わなかったよ

三五十五:心配かけてます。というか、心配してる?
ギュウゾウ:してるに決まってるでしょ!
三五:しかし、ビックリしたよ。まさか自分が癌になるとは思わなかったからさ。
ギュウ:急だったもんね。
三五:首が痛かったから病院には行ってたんだけど、整形外科に行ってたんだよなぁ。むち打ちかなんかだと思っててさ。
ギュウ:そしたら……。
三五:肺癌だった。
ギュウ:あちゃぁ。ショックでした?
三五:そりゃ驚いたけど、死ぬのが怖いという感覚ではなく。うちの親父や叔父さんが亡くなった時もそうだったんだけど、死ぬといっても、ちょっとだけお別れ、また会えるよという感覚で。それよりさ……。
ギュウ:うんうん。
三五:癌保険に入ってなかったから、そっちがヤバイなと(笑)。
ギュウ:ダメじゃん!
三五:そろそろ入っておこうと思ってた矢先だったんだよなぁ、ホントに。これを読んでいらっしゃる皆さんは、ボディビルで鍛えてて健康そのものなんだろうけど、俺も健康診断では異常無しだったんだからね。保険には入っておきなさいよ。癌治療は、すごーくお金かかるからね!
ギュウ:説得力があるお言葉。
三五:サンゴ応援イベント(Tシャツを販売し、それを治療費に充てた)ではお世話になりました。お陰でかなり元気になりました。
ギュウ:余命1ヶ月といわれた時は焦りましたよ。何が効いたんだろうね。
三五:イレッサ(※1)、タルセバ(※2)じゃないかと思うんだけど、何が効いたんだろな。健康水や不思議な漢方薬はよく貰って飲んだりしたけどな。
ギュウ:あそこに置いてある一風変わった見た目の漢方薬とかも飲んでるんですね。
三五:飲んでない。
ギュウ:え?
三五:だって、何にでも効く薬なんて信用できないだろ(笑)。冗談はさておき、一番大事なのは、ポジティヴで前向きな心だろうな。
ギュウ:やっぱりハートなんですな。
三五:モチベーションを上げるのは大事だよ。今の病院の先生はましだけど、とにかくお医者さんはやる気を出すベシャリが下手でさ。症状とか治療の話をするにしたって、笑いの一つも交えてもらわないと聞いてて辛いよ。
ギュウ:仕事は芸人だけど今はまだ病人の目線で聞きましょうよ!
記事画像1

立って歩く為にコツコツ筋トレやってるよ

三五:体調は凄く良くてさ。食欲ありすぎで太っちまったんで、ダイエットしてるんだよ。
ギュウ:この本の読者はダイエットにうるさい人が多いんですよ。まぁ、痩せちゃってるより健康的で良い。最近は野球見物に出かけたりしてますもんね。
三五:車椅子移動なんだけどね。これは体験したから言えることだけど、世の中の人は車椅子で動いている人に優しくしてくれないぞ。無関心なのかもしれない。まだまだバリアフリーの建物も少ないし。もうさ、歩いちゃった方が楽だよ。次の目標は一人で歩く事だな。
ギュウ:リハビリはどんな事をしてるんです?
三五:しばらくベットの生活してたから、足がどうにもなまっちゃってるんで鍛えてるよ。足を掴んでもらって押し合いをするんだけど、飽きないようにこんな感じで。
ギュウ:手相撲ならぬ足相撲。お、かなり強いですね。これならもう直ぐ立てるんじゃないの?
三五:立つだけならな。歩くのは足の力だけじゃないから。これはボディビルの本だよね。効果的な筋トレを教えてくださいと皆さんに伝えてね!
ギュウ:ムキムキになって退院会見したら楽しい(笑)。
三五:(笑)。少なくとも歩いて会見はしたいからね。ホントに歩くのは大変だ。ホンダのアシモっているだろ、ロボットの。ありゃ優秀だな。
ギュウ:最近は、各企業が自立支援型起立歩行アシストロボットの開発をしているらしいですよ。
三五:そっか、そりゃ楽しみだね。でも高そうだな……そうだ、開発モニターやります、やらせてくださいと伝えて!!!
ギュウ:では、最後に月刊ボディビルディングの読者と電撃ネットワークのファンにもメッセージをお願いします。
三五:なんとか生きてるよ。
ギュウ:生きてるも何も、むちゃくちゃ元気そうじゃないですか。髪の毛もふさふさだし。
三五:抗癌治療してたら、一度毛が抜けちゃったんだけど、一回全部剃ったらまた生えてきてさ。
ギュウ:白髪も少ないし。
三五:不思議だよな。ハゲで悩んでいる人に教えてやりたいよ(笑)。それを伝えて。
ギュウ:もうちょっと良いのをくださいよ!
三五:脳に転移したニュースを読んだりして、皆さんに心配をおかけしていますが、このとおり順調に回復しています。完全復帰にはまだもう少し時間がかかるかもしれないけど、最初はトークライブとかに出ても良いしね。落語もやりたいし、闘病からの復活を描いたエッセイ漫画も書きたいな。とにかく、応援ありがとうございます、皆さんから元気をいただいて頑張っています! 人は癌なんかに簡単には負けないぞーっ!
ギュウ:復帰は近いですね。ありがとうございました。

※1/イレッサ(ゲフィチニブ:手術不能または再発した非小細胞肺癌に対する治療薬)
※2/タルセバ(エルロチニブ:非小細胞肺癌に対する治療薬)

  • 三五十五
    肉体派パフォーマンス集団・電撃ネットワークのメンバー。MC担当。プロレスラー。漫才師、演歌歌手『ド演歌千三郎』、ロックバンド『三五十五&エレファンツ』などの経歴を持つ。熱帯魚に関する造詣が深い。茨城県出身。

  • ギュウゾウ
    肉体派パフォーマンス集団・電撃ネットワークのメンバー。サソリ芸などを担当。でモヒカン刈り。DJとしても活躍中。4月10日に渋谷WWWで単独ライブ開催。塩谷町ふるさと観光大使。栃木県出身。

  • まるたん
    アングラ系マンガ家・イラストレーター。脂肪肝を抱えるも下半身(一部)の筋力トレーニングだけは欠かさない。三才ブックス「ゲームラボ」にて連載中。静岡県出身。

[ 月刊ボディビルディング 2015年01月号 ]