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〝ちゃんこ鍋〟

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.10.30
野沢 秀雄
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 力士たちの見事な体格をつくる〝ちゃんこ鍋〟の名はだれでも知っているだろう。引退した力士が全国各地で現役時代に磨いた腕で〝ちゃんこ料理〟の店を出しているので,食べたことのある読者も多いと思うが,栄養に関心を持つ熱心なビルダーのために,代表的なものを2,3えらんで,その調理法を紹介しよう。

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 ちゃんこ料理は,カロリーが高く,とくに脂肪分とタンパク質が豊富で,しかも水たきであるから,食べるときはアッサリしていてだれにでも喜ばれる。昔の力士は,牛や豚の肉は土俵で四つんばいになる,とエンギをかついで食べなかったが,いまではそんなことをいうものはいない。季節の魚も使ったりするが,やはり鶏肉が――番のごちそうのようだ。
 実際に相撲部屋でつくるときは,小魚なら骨ごとブツ切りにし,鶏肉も首つきのままだったり,モツなど手づかみで鍋にほおり込んだりするので,作るところを見ていると,気の弱い人はとても食べられない。
 しかも,アルマイトの大鍋に,これらの材料をぶちこんで,グツグツ煮て十分にダシが出たころ,ネギ,ニンジン,大根,キャベツ,白菜などを,大ざっぱに切ってほうり込む。味をみるときも,グツグツ煮えてる中に指を入れてナメてみる。いかにもお相撲さんらしいやり方だ。
 どこの部屋にも,ちゃんこ料理の名人が1人や2人はいて,フグ料理などは本職ハダシの腕前だというからおそれいる。

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◇鶏のソップ炊き

<材料>――鶏肉,鶏モツ,野菜(白菜,キャベツ,ジャガイモ,大根,ニンジンなど)油揚,醤油,砂糖。

<作り方>――深鍋に鶏のガラと水をたっぷり入れて煮立て,濃いスープをつくる。これに醤油と砂糖を適当に加えて味つけをする。その中に,鶏肉,モツ,野菜,油揚などの材料を全部入れて,煮ながら食べる。これは油揚を入れるのが特色で,好みによってはウドン等を入れる場合もある。ソップ炊きでは,ネギやホウレン草などの青味はあまり使わない

◇ちり鍋

 ふつうちり鍋には鯛やひらめなどの高級な魚を使うが,ちゃんこの場合はそれ以外になんでも,たとえばいわしなどを使って作る。ふつう相撲部屋で常食しているのは,高級な魚よりも,むしろ下魚とされているものの方が多い。

<材料>――いわし,豆腐,青菜(ホウレン草,春菊,その他),だし昆布,醤油,ポン酢,ネギ。

<作り方>――鍋の底にだし昆布を敷き,水を入れて煮立て,魚,豆腐,野菜を順々に入れて煮る。別にポン酢,醤油でツユを作り,薬味のネギをキザみこんでおき,材料が煮えたらこれにつけて食べる。

◇鶏肉入り湯豆腐

<材料>――鶏肉,鶏モツ,豆腐,醤油,ネギ,青ノリ。

<作り方>――ソップ炊きと同様にして鶏の骨からスープをとり,この中に,鶏肉,モツ,豆腐を一緒に入れて煮る。ツユは醤油の中に卵の黄味を入れ,スープで少し薄めてからキザミネギ,青ノリなどの薬味を加える。

◇カロリー分析

 鍋の中に入れる材料や,量目によって,カロリーやタンパク質がちがってくるのは当然であるが,標準的なものとして,一人前,鶏肉50g,鶏モツ50g,いわし100g,豆腐半丁,白菜50g,ねぎ40g,春菊20g,ジャガイモ50g,キャベツ40gを使用した場合を計算すると,次のようになる。
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 お相撲さんは,3人前くらい食べるのだから,これだけでたいしたカロリーとタンパク質になる。もちろん,ほかの栄養素,たとえば,カルシウムやビタミンもひとりでにとれるので,なかなか完成度の高いメニューである。
[ 月刊ボディビルディング 1973年8月号 ]

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