フィジーク・オンライン

プロレスとボディビル

この記事をシェアする

0
[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]
掲載日:2017.11.16

TBSプロレスラー 小林省三

 最近、各種のスポーツ競技とボディビル(ウエイト・トレーニング)の関係はじつに深くなってきつつある。本誌はボディビル(ウエイト・トレーニング)を実践しているスポーツマンを毎号、各競技別に紹介しその練習法や効果をさぐっていきたい。
記事画像1
「さあーやるぞー」。まず柔軟体操で体をほぐす。目付もするどい
記事画像2
左:腕力をつけるにはこれが一番、と練習に励む
右上:準備運動は入念にかつ長時間つづけて行なう
右下:上半身を鍛える。ぶあつい胸板はここから
記事画像3
肩と背中を鍛練する。筋肉の山をおもわせる

競技者のためのボディビル

 今月はプロレスラーの小林省三選手を紹介しよう。小林選手は発足まもないTBSプロレスに入ってまだ1年あまりだが、すでにセミファイナルを行なうほどのスター選手に成長している。それというのも現在24才だが中学3年の頃からボディビルを始め、19才からは後楽園ボディビル・センターで、本格的に体づくりに励んだのが役立っているからだ。188cmという先天的に恵まれた身長と骨格がプロレスにむいていることはもちろんだが、ボディビルによってつくり上げたたくましい筋肉があってこそ、激しいプロレスに通用したわけである。小林選手の現在のプロレスのための練習法を調べてみよう。小林選手の目的は、プロレスラーとして強くなることにある。それにはまず第1に、毎日レスリング技術を習得するために、必ずスパーリングを行なう。スパーリングを激しく多く行なうときは、ボディビルはほとんど器具を使わず、表①のスケジュールを実施する。しかし1週に2回はボディビルに重点を置いたトレーニングを実施する。この場合は体を造ることが目的だからスパーリングは軽く行なう。下半身は柔軟性を維持するためウエイトは使用せず自分の体重を利用して数多く行なう。表②「自分はボディビルによって現在の体をつくり上げただけに、他の人よりボディビルの効果がよくわかっているが、他のプロレスラーもみなボディビルの必要性を痛感している。私は今度ルー・テーズ、ダニー・ホッジと試合しましたけれども、彼等の腕力や、握力、背筋の力はものすごいものです。日本のレスラーもボディビルで筋力をつけるとともに、柔軟性、瞬発力をつけるトレーニングを続ければ理想的ではないかと思います」と小林選手は語っている。
記事画像4
◆ 表1
① 柔軟体操・・・・・・・・・(全身をときほぐす)
② 腕立伏せ・・・・・・・・・(30回を1セットとし110セット)
③ バック・ディップス・・・・(40回を1セットとし15セット)
④ レスラー・スクワット・・・(100回を1セットとし13セット)
⑤ 首の鍛練・・・・・・・・・(レスラー・ブリッジその他)

◆ 表2
① 柔軟体操
② ハイ・プル・アップ・・・・65kg 10回 3セット
③ ダンベル・カール・・・・・20kg 25回(片手)3セット
④ べンチ・プレス・・・・・・100~130kg 10回 10セット
⑤ シュラッグ・・・・・・・・100~130kg 10回 3セット
⑥ レスラー・スクワット・・・100回 3セット
⑦ ジャンプ・・・・・・・・・100回 3セット
⑧ レスラー・ブリッジ
[ 月刊ボディビルディング 1968年6月号 ]

Recommend