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スポーツ競技とボディビル(プロ野球)

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月刊ボディビルディング1969年3月号
掲載日:2018.01.09
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巨人軍長嶋選手のトレーニング

 野球ファンのアイドル読売ジャイアンツの長嶋茂雄選手がボディビル(ウェイト・トレーニング)にとり組んでいる。

 打ってよし、走ってよしの快腕、快足で球場狭しと毎シーズン大活躍を続けているが、今年は自主的にボディビルをトレーニングに取り入れ、バーベルの上げ下げに汗を流している。

 指導はメキシコ・オリンピックの強化コーチをした日大の田中誠一講師が行っているが、そのトレーニング・スケジュールをみてみよう。

 まず準備運動として柔軟体操、ランニング、スキップ、ナワ跳等を約10分間行って、体を暖めながらよくほぐし、それからバーベルに取り組む。スケジュール表を見ても分かる様に全身の筋肉の強化を目的とし、かなりの量のトレーニング・スケジュールをこなしている。

 べンチ・プレスやスクワットのとき、バーベルの重量が他の種目に比べやや軽すぎるのは、初めてのウェイト・トレーニングのためまず筋肉をならすという意味と、スピードを落さないための配慮からだろうか。腹筋運動が特に種目に入っていないのは、準備運動や整理運動にみっちりと組み込まれているからだろう。

ともかく従来は、野球のトレーナーやコーチは「重いバーベルを持ちあげるボディビルを野球選手にやらせるなどとんでもない!」と口をそろえていっていたものだが、昨今では長嶋選手をはじめ続々とトレーニングを取り入れ始めたのは誠に喜ばしい限りである。

 ただしここで大切なことは、アメリカ大リーグのギブソン投手がいっているように「ウェイト・トレーニングは、正しく合理的にやれば素晴しい効果があがる」ということである。

 野球選手に限らず、スポーツ選手がボディビルを行う場合に注意すべき基本的なことは ①スポーツ技術の練磨をおろそかにしないこと ②むやみにバーベルを持ち上げず、ボディビルのウェイト・トレーニングの経験のある人によくコーチを受けて、種目と重量を決定すること ③柔軟体操やランニングを併用すること ④体力的にオーバー・ワークにならぬ様にスケジュールを上手に作成すること等であろう。

 いずれにしても今シーズンの長嶋選手のボディビルで鍛えあげた弾力に満ちた肉体の躍動から、青空のかなたに白球が大きな孤を描いて飛ぶことを期待しよう。
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長嶋選手のトレーニング・スケジュール表

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写真説明
① シャープなスィング、胸のすく快音はバネのあるからだから生まれる。
②ハイ・プル・アップで背筋を鍛える。
月刊ボディビルディング1969年3月号

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