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なんでもお答えします 1968年11月号

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月刊ボディビルディング1968年11月号
掲載日:2018.02.25
日本ボディビル協会技術委員会
<問>

 私は17才の女性でボディビルにこっています。私は美容のためのボディビルではなく,どれだけバーベルが上げられ,エクスパンダーが引けるか興味があるのです。今迄のレコードは,35kgのバーベルを上げ,エクスパンダー4本を引きました。現在寮生活なのでエクスパンダーがダンベルしか出来ません。エクスパンダーではどのような練習をすればよいか教えて下さい。ちなみに私は小学校6年の時からエクスパンダーを続け,5本がなかなか引けません。尚現在虫歯治療のため本格的に行なっていません。
(神奈川 鈴木静代)
<答>

 力に興味を持つ貴女に水をさすような事をいうようですが,女性は男性と比べ筋肉の発達が悪く当然力も増しずらい。この筋肉の発達は男性ホルモンにより大きな影響を受けており男性ホルモンの少ない女性は筋肉,筋力の増加が難かしいのです。と云って今迄の経験で分かるように発達する事はします。しかし男性と比べはるかに増加率は低いのです。
 エクスパンダーによるトレーニング法として次のようなスケジュールを組んでみました。
 ①フロント・チェスト・プル(貴女が4本引くやり方です。両腕は伸ばしこまま行なう)6回×4セット,②ミリタリプレス(背中を洗う時タオルを両手で握り背中に回すようにエクスパンダーを持ち片腕は伸ばし腕に固定し,片一方の腕をななめ上方に押し伸ばす)6回×3セット,③プシュ・アップ(腕立伏)15回×3セット,④スタンディング・ロー(片足でエクスパンダーの一方の把手を手の平を下に向け握り上方に引き上げる)6回×3セット,⑤ワン・ハンド・カール(片足でエクスパンダーの一方の把手を踏み固定させ,一方の把手を手の平を上に向け握り,肘を体側に固定し前腕を上方に巻き上げる)6回×3セット,⑥ハイパー・バック・エクステンション(うつ伏になり両足を固定させ,上体を起こす)10回×3セット,⑦シット・アップ(腹筋運動)15回×3セット⑧スクワット・ジャンプ(しゃがみ込んでとび上がる)15回×3セット。
 上記はエクスパンダーだけでは不充分なので,重量物を使用しないものも混ぜました。回数が少ないのは貴女の目的,力を増加させるのに合わせたものです。最後に世の男性が好むのは力持ちより,やさしく,美しい女性である事を進言致します。
<問>

 私は空手を行なっていますがボディビルも少しずつ行なっていますしかし一つだけ疑問があります。それはボディビルによってできた筋肉が,空手で最も大事なスピードを落しはしないかということです。又これはボディビルを始める以前からですが,闘技に一番大事なパワー,スピード,そして破壊力が止まってしまったようです。やはり筋肉(大きさ,力)はスピ
ードに関係が深いのですか。(特に発達を望む筋肉は,腕の屈伸作用に働く筋肉,足の蹴り持ち上げ作用に働く筋肉)現在の体位身長164cm,体重54kg,胸囲94cm,腕囲30cm,大腿50cm,行なっている種目,ベンチプレス,40kg6回×4セット,シットアップ,20回×3セット,スタンディング・プレス20kg10回×1セット,経験2カ月。
(鹿児島県 上水樽英巳 16才)
<答>

 ボディビルを行なってもスピードは低下しません。逆にスピードを増す事が出来ます。しかし熱心に行なうあまり疲労が蓄積して筋収縮(スピード)が遅くなる事はあります。しかしそれは一時的な事で休養をとれば回復します。基本的には空手の練習で技,スピードを中心に総合的体力を獲得し,ボディビルを筋力を中心とし,スピードを加味した補助とすべきです。あなたのいわれる破壊力とはパワーをさしていると思いますが,パワーとは筋力とスピードの積といわれ,それを強化するには筋力の増加とスピードの向上を計るトレーニングが必要であり,ボディビルで筋力が強化される事はパワーを高めるにはプラスになる事です。しかし筋肉が大きく,筋力が増大すればする程スピードが高まるとは云えません。
 さてトレーニング法ですが,次のようなスケジュールで行なってみて下さい。
 ①スタンディング・プレス10回×2セット,②ベンチ・プレス10回×3セット,③べント・ロー10回×2セット,④カール10回×2セット,⑤スクワット5回×4セット,⑥シット・アップ20回×3セット,
 上記スケジュールを空手の練習後,又は空手練習の行なわない日に週3日行なって下さい。 運動々作は正確かつスピーディに行なって下さい。スピードの出ない時は不調な時,又は疲れている時ですので休養をとって下さい。
<問>

 私は大変やせており,胃腸が弱く,胃拡張と胃下垂で,普通の胃より3倍も大きく,乗物,アルコールに弱く,父も同じような体質です。1年前にボディビルを知り,腹筋運動を始めました(現在20回×3セット)が何も変化がなく,治らないのかと不安で仕方ありません。ボディビル・ニュースに,医者に見放された男が腹筋運動によって胃腸を丈夫にしたと出ていましたが本当でしょうか。このような例は他にもあるのでしょうか。又臆病で気の小さい性格もボディビルによって変える事が出来ますか。良い体の人を見る度に自分もあんな体になりたいと,いつも夢のような事を考え,自分をみじめに考え意欲がわかず仕事,物事に集中出来ず,心が不安定で,誰にもいえずひとりで悩んでいる毎日がいやで仕方ありません。どのようにしたら胃腸が丈夫になるかお知らせ下さい。それと最近,腹筋運動中に腰の骨が痛いのはなぜですか。現在体位,身長164cm,体重50kg,胸囲80cm,上腕25cm,大腿43cm,18才。
(京都府 橋野富美夫)
<問>

 私は胃を悪くして(過去58kg現在45kgにやせた)病院に入院中です。院長先生は8月で退院だといっています。退院してもすぐボディビルをする事は出来ませんが,私達のような虚弱体の者でも出来ますか。現在体位身長168.5m,胸囲82.5cm,19才。早く太る方法をお教え願います。ボディビルを初めると胃が良くなるのは本当でしょうか?
(静岡県 辻本敏康)
<答>

 かなり多くの人が胃病で悩んでいますが,我々ボディビル関係者の中では「ボディビルのお陰で胃の調子が良くなった」という言葉はさして珍らしい言葉ではありません。しかしいつ聞いても新鮮な喜びに満ちた言葉として何度聞いてもうれしいものです。医者に見放された男(アーヴィン・コゼウスキー)の話も事実です。
 しかし胃病の人総てがコゼウスキーのように治るかというと保証は出来かねます。少なくとも医師に運動を行なって良いといわれた人であれば総て丈夫になる可能性を持っています。勿論適当な運動を行なう事により全身の機能を促進させ,消化の良い食事法をとり栄養を補給し,肉体,精神の疲労を取り去るよう充分な睡眠をとる事が大切です。そのように行なえば徐々に胃は丈夫になってゆきます。
 そのような生活と共に大切な事は,とかく胃の悪い人は頭が胃の中にありがちなので,胃の中から頭を出さなければなりません。つまり胃の事を忘れるべきといいたいのです。精神活動と胃は非常に密接なつながりを持ち,気分の悪い時,気になる心配事がある時等は食欲がすすまない,腹が減るとイライラしやすい,このように密接な関係があり,以外と多くの人は精神の不安定が原因で胃腸の調子を狂わせているのであって,胃腸の弱さが原因でないのです。あなた方の場合は本当の胃弱,胃病といえるでしょうが,やはり精神の不安定も大きく影響を与えていると思われます。
 さてトレーニング方法ですが,胃が悪いからといって特別なスケジュールを組む必要はないと思います。要は体力に応じ徐々に重量,セット,種目等を増加させる事の方がより大切な事です。ここに当協会の初心者コースを紹介して,それを実行して頂きたいと思います。
 ①スクワット,10回×3セット,②スタンディング・プレス。10回×3セット,③ベンチ・プレス10回×3セット,④べント・ロー10回×3セット,⑤スロー・カ,ル10回×3セット,⑥シット・アップ(胃の悪い方はこの運動を集中的に行なうと良いといわれている)一般の場合15回×3セット,このスケジュールを週に3日,又は1日おきに行なう。
 トレーニングの時間はいつでも良いが,体の調子が良くなる昼過ぎからタ方に行なうと良いでしょう。食前,食後の1時間半~2時間はトレーニングをさけて下さい。栄養と睡眠は特に充分に気を付けて下さい。腹筋運動中に下背部,腰部の筋肉が痛くなる事がありますが,さして気にする必要はありません。休養をとれば治ります。しかし骨が痛む場合は要注意,医師に診てもらって下さい。尚辻本さんは医師にボディビルを行なって良いかどうか聞いて下さい。
<問>

 小生ボディビル歴2カ月ですどうも勝手が分からず我流でやっています。現在べンチ・プレス,67.5kg5回×20セット,バック・プレス30kg7回×4セット,ベント・アーム・プル・オーバー30kg,7回×4セット,カール30kg8回×5セットを行なっています。シット・アップ,ディープ・ニー・ベンドはあまり手がけていません。現在迄胸部ばかり行っていますが2カ月現在あまり効果がないような気がしてなりません。トレーニングは朝1/4(夜の)と夜を毎日やっています。トレーニングのルールとか,コースを教え願います。現在体位,身長164m,体重66.5kg,胸囲102cm,上腕35cm,大腿56cm,職業建設業,21才,出来ましたら食事法を付け加えて下さい。
(岡山県 西一馬)
<答>

 トレーニングのルール,コースといっても,その総てを書き尽す事はこれだけのページでは足りず,一冊の本になって了いますので,ボディビルに関してよく知りたい場合は専門書を購入して研究して頂きたいと思います。しかし基本的な事だけは述べておきます。
 先ずボディビルを行なう者は「ルーの3法則」筋肉は使わなければ退化する,筋肉は適度に使えば発達する,筋肉は使い過ぎると萎縮する,を頭に入れるべきです。そしてトレーニングの効果を高めるために栄養,休養は充分にとり,精神面の安定を計るように心掛ける事です。トレーニングは1日1回,週に3~4日も行なえば充分です(経験,体力,環境,目的によって差異はあるが)種目数は初心者の場合大筋肉群中心のトレーニングとしても6~8種目程度は必要です。その程度の種目があれば大ざっぱに全身を鍛錬出来るからです。
 次に回数ですが一般に6~12回の間で行なわれていますが,これは最大負荷の2/3以上で6秒間以上筋肉に負荷を加えると筋肉の発達に良いというデーターとほぼ一致しており6~12回程度が筋肉の発達に有効と考えられている訳です。6~12回のくり返しを丁度出来るという事は最大負荷の2/3を越えている場合が多く,この点も一致します。
 セット数は刺激のくり返しであり,初心者は少な目に経験者は多目になりますが,初心者は2~3セット,経験者は5セット前後で10セットを越える事はあまり無い。多過ぎるセットはとかく疲労の原因となります。食事はなんでもおいしく充分にとる事が大切です。
 (日本ボディビル協会技術委員会)
月刊ボディビルディング1968年11月号

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