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新記録続出 1971年度全日本パワーリフティング選手権大会

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月刊ボディビルディング1971年8月号
掲載日:2018.03.17
軽量級・伊集院、中量級・岩岡、重量級・宮本、いずれも日本新記録で優勝
 日本ボディビル協会主催、日刊スポーツ新聞社、(財)スポーツ会館後援による1971年度全日本パワーリフティング選手権大会は、5月30日。東京都新宿区のスポーツ会館で開催された。

 参加選手は29名と前回よりいく分少なかったものの、全国の強豪はほとんど顔をそろえ、好記録が続出し、日本新記録が14回にわたって更新されるという白熱ぶりで、終始観衆をわかせた。
(軽量級、伊集院選手は自己のもつベンチ・プレスの日本記録を2.5キロ上まわる152.5キロで優勝)

(軽量級、伊集院選手は自己のもつベンチ・プレスの日本記録を2.5キロ上まわる152.5キロで優勝)

スクワット195キロ成らず

 軽量級は、ベンチ・プレスとトータルの日本記録保持者、伊集院明也選手(大阪)が、ベンチ・プレスで152.5キロ、トータル327.5キロと2種目の自己の日本新記録を更新して3連勝、4回目の優勝を成し遂げた。

 しかし、2位に入賞した広瀬武男選手(東京)の追撃はすさまじく、スクワットで、何と日本記録を15キロも上回る195キロに挑戦、これに成功すればトータルで伊集院選手の樹立した327.5キロと同記録となり、体重差で広瀬選手が優勝するというきわどい接戦となった。しかし、惜しくもほんの僅かなところで失敗し、逆転優勝はならなかった。伊集院選手に破れたとはいえ、広瀬選手の健闘ぶりに、観衆も心からの拍手でこれを賛えた。

 3位には、このところ躍進著るしいベテラン関二三男選手(東京)が、富永義信選手(神奈川)の不調、1968年度大会優勝者花井照雄選手(東京)の不参加もあって、楽々と入賞した。
(軽量級、広瀬選手はスクワットで日本記録を更新、182.5キロで優勝)

(軽量級、広瀬選手はスクワットで日本記録を更新、182.5キロで優勝)

4つどもえの大接戦

 3階級とも素晴らしい熱戦が展開されたが、中量級ほど接戦を演じた階級はなく、岩岡武志(東京)、市丸輝男(福岡)、近内広孝(東京)、出川 昇(神奈川)の4選手による大接戦は、まさにパワーリフティングの醍醐味を満喫させるに十分だった。

 ベンチ・プレスでは、日本記録保持者の出川選手と、市丸選手の両者がともに170キロに挑戦。両者とも惜しいところで失敗、これが災いして優勝のチャンスを逃がした感がある。とくに、出川選手は過日の神奈川大会で170キロに成功しているだけに自信をもって挑戦したのであろうが、全日本大会という雰囲気に圧倒されたためか、日頃の実力が出しきれなかったのは惜しい。

 市丸選手はベンチ・プレスの170キロに失敗したとはいえ、苦手のスクワットで200キロの大台をマークし、トータルで365キロの日本新記録を樹立。ほぼ優勝を手中に収めたと思われたところで、スクワット・マシンの異名で呼ばれる岩岡選手が、従来の自己の持つ日本記録を10キロも上回る222.5キロの日本新記録をマークし、劇的な逆転優勝をなし遂げてしまった。

 3位には、昨年度4位の近内選手が入賞したが、彼にも優勝のチャンスは十分にあった。しかし、今回の大会では、他の3選手に圧倒され、十二分に実力を発揮できなかったように見受けられた。

重量級は宮本選手の独走

 重量級は、体重100キロを越える宮本彰選手の独走で、他をまったく寄せつけず楽勝。トータルで自身のもつ日本記録を15キロも上回る日本新記録を樹立した。

 また、宮本選手にとって、いくらか苦手気味のベンチ・プレスで、中大路和彦選手(神奈川)の保持する165キロの日本タイ記録をマークした。これで宮本選手は2連勝、3回目の優勝を成し遂げ、依然として重量級の第1人者の貫録を示した。

 2位は、体重95.9キロの足立選手がスクワットで215キロをマークし、新鋭、井上操選手(東京)のトータル345キロを押え360キロをマークして入賞した。

アメリカ選手がオープン参加

 本大会には、C・K・ウイルソン選手(アメリカ、24才、体重93キロ、英語教師)がオープン参加し、ベンチ・プレス160キロ。スクワット190キロ、トータル350キロをマークした。

 また、沖縄からも、遠路はるばる古堅宗勝選手が参加し、中量級でベンチ・プレス150キロ、スクワット185キロ、トータル335キロを成功させて5位に入賞した。

 その他、かつて日本のボディビル創設期に有能なコーチとして、ボディビル発展に貢献した照井進選手(東京)が、40才ながら軽量級に出場。入賞は逸したものの、試合態度など多くの教訓を与えてくれた。
(重量級、宮本選手はトータル375キロの日本新記録を樹立して優勝)

(重量級、宮本選手はトータル375キロの日本新記録を樹立して優勝)

後  記

 パワーリフティングの記録は、年々伸びており、とくに、軽・中量級においては欧米のレベルに達したと見てよいと思う。来年度からは、デッド・リフトを加えた「3種目1回挙上方式」の採用が内定しているが、これが実施されれば、欧米諸国の記録との比較も容易になり、選手諸兄にとっても大いに励みになることであろう。

 しかし「3種目1回挙上方式」の公式発表は、いまだなされていないのでパワーリフター諸兄は気をもんでいることと思う。わたしもボディビル協会の一員として、是非、1日も早く公式発表されるよう、協会上層部にお願いしたい。
(JBBA技術委員 福田弘)

1971年全日本パワーリフティング選手権大会成績表

[注]◎印は日本新記録、○印は日本タイ記録

[注]◎印は日本新記録、○印は日本タイ記録

月刊ボディビルディング1971年8月号

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