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<第5回ミスター大阪コンテスト>
木本選手自信満々の優勝

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月刊ボディビルディング1971年9月号
掲載日:2018.02.09
2位中原、3位宮畑を寄せつけず
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 8月1日、大阪地方は朝から真夏の太陽がジリジリと照りつけ、記録的な猛暑に見舞われた、ここ大阪市中央公会堂の館内は熱気が渦を巻き、水銀柱はウナギ昇り。40度を越える暑さの中で64名の選手がタイトルを争った。

●予選審査はピック・アップ方式

 審査はまず第一次審査(予選審査)から開始された。64名の選手が5名ずつ登場し、正面2、側面1、背面2の計5つの規定ポーズとフリー・ポーズを10秒間とる。そして、ピック・アップ方式により64名の中から33名の選手が選出され第二次審査へと進んだ。

 第二次、第三次審査も同様の方式により33名から20名、20名から11名の決勝進出者が決定した。

 決勝審査は予選審査と異なり、1名ずつ登場し、台上で得意のポーズを思う存分披露した。さすがに決勝進出者ともなるとポーズもうまく、自分の体を生かした独自のポーズを研究しており、審査にも一段と熱が入る。

●催眠術に場内 “シーン”

 審査結果発表までの間を利用して、ゲスト・ポーズとアトラクションが行なわれた。

 ゲスト・ポーズは、杉田茂('70ミスター日本3位)、伊原宏('69ミスター京都1位)、長野正仁('70ミスター兵庫3位)の3選手によって行なわれたが、“ポージング日本一”といわれている杉田選手の流れるような動きのあるポージングは、フィジーク・コンテストを見る楽しさを満喫させてくれた。

 続いて、役員改選により大阪ボディビル協会新理事長となった武本蒼岳氏('70ミスター日本)が、またまた“何でもできる”ところを見せてくれた。大阪武育センター女子部のコーチ前原温子さんとコンビであざやかな催眠術を披露したのである。

 この新しい武本氏の試みに、場内割れんばかりの拍手が送られた。しかし彼は、見せるために催眠術を勉強したのではないことを強調し、次のように語っている。

 「今日行なったのは、ごく初歩的なものですが、将来は催眠術をトレーニングに応用し、個々の筋肉に対する精神集中力をより向上させ、トレーニングの効率をよくするところまでもっていきたいと思っています」

●木本選手汗だくの優勝

 いよいよ審査結果の発表である。

 10位から順に名前が呼びあげられ、最後に「1位、木本五郎選手」とアナウンスされると、満場総立ちとなり、館内は惜しみない拍手と歓声につつまれた。

 木本選手は、昨年3位の実績があるだけに、今年のコンテストでは大いに期待されていたが、その期待に見事に応え、1971年度ミスター大阪のタイトルを手中にしたのである。

 なお、本大会でただ一つ惜しまれることは、昨年度2位の徳弘敏選手の欠場である。

 仕事の都合で出場を取り止めたということだが、徳弘選手が出場していれば、さらに盛りあがった大会になっただろうと思うと、残念でならない。年に1度の大会だけに、何をおいても出場してほしかったと思うのは私1人ではあるまい。
(小沢 誠)

'71ミスター大阪コンテスト順位表

①木本五郎(大阪武育BBC 24歳)
②中原義光(堺BBC 23歳)
③宮畑 豊(南海BBC 28歳)
④大野武志(ナンバBBC 23歳)
⑤谷井日出夫(大阪武育BBC 27歳)
⑥大川 稔(大阪武道BBC 24歳)
⑦井上義信(南大阪BBC 30歳)
⑧長田安弘(大阪武育BBC 27歳)
⑧竹内 弘(大阪武育BBC 25歳)
⑨中野久雄(ナンバBBC 34歳)
⑩渋谷安雄(ナニワBBC 31歳)

<部分賞>
腕・胸・脚(木本五郎)
背・腹(中原義光)
月刊ボディビルディング1971年9月号

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