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末光選手の食事診断

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月刊ボディビルディング1971年10月号
掲載日:2018.03.28
野 沢 秀 雄
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 末光選手の1日の食事量をまとめるとこのようになる。全体の量で一般の人の約5倍。カロリーが約2.5倍そしてタンパク質が約7倍となり,タンパク質摂取の典型的なメニューであることがわかる。末光選手の意欲や奮闘ぶりに拍手と声援をおくりたいが, 2, 3気付いた点があるので指摘しておきたい

1タンパク質のとりすぎはムダ

われわれの体はすごいスピードで入れかわりが行なわれている。そして,タンパク質が足りないと,筋肉も骨も発達しない。しかしタンパク質をとればとるほど大きくなるかというと,決してそうではない。なぜなら,筋肉にも寿命があり,ある程度古くならないと次のものと入れかわらないからである。

 このことを理論的に説明すると,長くなるので省略するが,末光選手の体なら1日に約115ℊのタンパク質をとればよいことになる。シュワルツェネガーらの巨人ビルダーでさえ,1日に240ℊを目標にしている。末光選手の量がいかに多いかわかる。

 消化剤をのんで分解しても,体が必要としないのだから,大部分のタンパク質がムダになってしまう。

2エネルギーは炭水化物からとった方がよい

 タンパク質は専門語で「特異動的作用」といって,タンパク質を食べてもそのカロリーの30%は,それ自身を分解するのに使われてしまう。

 さらにまずいことは,余分にタンパク質をとると,ただ単に体内を通りすぎるだけでなく,非常に大きな負担を体に与えることになり,多すぎて余った場合は,かなり面倒な処理をしなければならなくなる。

 実際に研究室で実験すると,タンパク質の多い食事では疲労がはげしく,成果が上らない。そして,炭水化物を与えると元気を回復する。

 一般にスポーツ合宿の場合,タンパク質:脂肪:炭水化物の比率は1:1:4が望ましいとされている。

 はげしくエネルギーが消耗されるときは,炭水化物をドンドン食べても何ら心配はない。一食に茶ワン1杯のごはんかパンを食べれば,体の負担はずっと楽になる。

3量を少なくする工夫

 タマゴは1日4個でよい。ナマでなく,半熟にしたり,ゆでタマゴにするとアミノ酸への分解がたやすくなる。また,目玉焼にすると油を使うので,同じ1個のタマゴでもカロリーは3割以上アップできる。

 牛乳は水分が88%と多いので飲むのが大変だ。スキムミルク(脱脂粉乳)をとかして濃い牛乳をつくって飲むとよい。そうすれば半分の量ですむ。ビタミンやミネラルのバランスは心配いらないが,レモンや果物がこれ以下になると問題である。牛乳やジュースなどを半分にして,レタスやキャベツなど生野菜を食べたほうがスタミナがつく。

 以上の分析のとおり,タンパク質をとるために相当苦心したメニューであるが,ただ量がいかにも多すぎる。半分以下に減らしても同じ体格とトレーニング密度は維持できる。なお,ビタミンDやカルシウムの補給という意味で,小魚などもおすすめする。
月刊ボディビルディング1971年10月号

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