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海の向うの話 1971年10月号

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月刊ボディビルディング1971年10月号
掲載日:2018.03.27
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ドレイパーの友情

 アメリカの著名ビルダー、ザボ・コゼウスキーは、このたび、永年の独身生活にピリオッドをうち、友人の美しい妹にプロポーズして、みごと結婚にゴールインした。
 その結婚式に遠路はるばるかけつけたデイブ・ドレイパーは、ミセス・コゼウスキーにと、木を彫り抜いて作った立派な家具をプレゼントした。
 それは、ドイレパーが、ボディビルの合い間にコツコツと自分の手で彫り上げたみごとなテーブル・セットであった。
 ドレイパーは、小さい頃からミとカナヅチを持つのが好きで、その趣味が今ではクロウトはだしの木工彫刻に発展したわけである。
 バーベルをミに持ちかえて、友人のために彫刻に専念するドレイパーの姿を彷彿とさせる話である。

背骨をいためたリックとビル

ほぼ時を同じくして、リック・ウェインとビル・グラントが背骨をいためてしまった。
 両方とも、最近、デッド・リフトで下背部のトレーニング中、やりすぎて背骨の神経をいためたらしい。
 世界でも名の通ったこのベテラン・ビルダーが……と驚く人も多いが、そういうビルダーでさえケガをすることがある……と思う時、トレーニングをいい加減な気持で行なうことの恐ろしさを感じるのである。
 幸いにも、二人とも経過は良好で、すぐボディビルに復帰できるという話だが、読者諸君も充分に注意してトレーニングを行なってもらいたいものである。

セルジオ・オリバの執念

 ボディビル識者の間では、ミスター・オリンピアのタイトルこそ世界最高のもの……とする考えが定着しているが、ここに一人、すさまじいばかりにこのタイトルに執念をもやすビルダーがいる。
 1967年から3年間このミスター・オリンピアの王座に君臨し、昨年惜しくもアーノルド・シュワルツェネガーにその王座をあけわたしたセルジオ・オリバである。
 オリバは、本年度のタイトルをこのシュワルツェネガーから奪回せんものと、いま猛烈なトレーニングに入っている。”通”の間では、オリバの今の筋肉に、もう少しだけカットが加わるなら、この王座奪回も可能であろうとの見方が強い。
4度目のミスター・オリンピアの王座をねらうセルジオ・オリバ

4度目のミスター・オリンピアの王座をねらうセルジオ・オリバ

ポール・アンダーソン健在

 当時世界一の力持ちといわれたオリンピック・チャンピオンのポール・アンダーソンは今も健在である。
 最近、ふらり、ニューヨークのとある教会にあらわれた彼は、彼を慕って集まった群集を前にして、627ポンドのウェイトをのせたテーブルをかるがると背にして歩いてみせた。
 これには、往年の彼を知るファンもあっけにとられたが、彼のこの力技にドッとわいたという。

アール・クラークのボディビル・ジム

 1958年度ミスター・ユニバースの栄冠に輝いたアール・クラークは、今、ボディビル・ジムのオーナー兼コーチとして活躍している。
 現在、カリフォルニア州(米)で成功しているジムといえば、ビル・パールのジムとアール・クークのそれだという。
 彼のジムは2階建で、各階に男女別のトレーニング施設があり、また、クラーク友の会の会員が利用できる温水プールがある。
 この友の会の会員資格は、400ポンドのベンチ・プレスができることが条件で、大変厳しいものだというから、その会員はエリート・ビルダーばかりであろう。

リック・ウェインのマネージャー

 ミスター・ワールドのリック・ウエインは歌手として英国でも大変な人気がある。
 このたび、ビルダー仲間のダン・ルーリーが、歌手としての彼のマネージャーになった。
 ダン・ルーリーのおかげで、ウエインは、エド・サリバン・ショウに出演することがきまり、またテレビ出演も多くなって、いよいよ人気絶大ということである。
(高山)
月刊ボディビルディング1971年10月号

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