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月刊ボディビルディング1972年5月号
掲載日:2018.03.12
野沢 秀雄

<米飯を弁護する>

たしかに、澱粉質の食品は体内で脂肪に変わり、ニキビの原因になったりビルダー泣かせの皮下脂肪をつくってきれいなデフィニションをそこなう原因になる。
 そして、肥満は脂肪よりも澱粉質の食事に原因があり、でっぱった腹も、ひとえにカロリーのとりすぎからおこる。
 この知識が普及しすぎて、ビルダーの中には、まったく米飯やパン、うどんをとらない主義になっている人がいる。かわりに野菜や果物をバリバリ食べるからいいという。
 しかし、野菜や果物は90%以上が水分で、炭水化物はわずか数パーセントしかない。そのうえ、その炭水化物には繊維質が多く、ほとんどエネルギーにならない。野菜類はビタミンとミネラルを供給することに意義があると割りきっておいたほうがいい。
 今回は米飯を弁護してみよう。

<運動中のエネルギー源>

立派な体格をつくるためには、はげしいトレーニングが必要であるが、そのトレーニングをささえるものは澱粉質の食事である。すなわち、澱粉や砂糖は体内で分解され、ぶどう糖になる。
このぶどう糖は体内を巡回する最小単位で、筋肉に達してグリコーゲンになったり、肝臓で脂肪やアミノ酸に変えられたりする。
 食欲のなくなった病人に、ぶどう糖の注射をすることからもわかるようにぶどう糖はもっともすぐれた栄養源なのだ。
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 筋肉のグリコーゲンは運動のたびに分解して、そのときにエネルギーを出す。だから筋肉にグリコーゲンのストックがなくなり、分解物であるピルビン酸や乳酸ばかりになると、クタクタに疲れてバテてしまう。これが“疲労”である。
 運動をしないふつうの人の場合は、食べた澱粉質のうち、約40%が脂肪に変わり、残りの約60%が筋肉などの組織でエネルギーとして消費される。
 スポーツマンや子供の場合は、だいぶ事情が変わり、ほとんどのぶどう糖が運動エネルギーとして消費されるため、しばしばぶどう糖不足におちいる。
マラソン・登山・水泳などの運動の途中で甘いジュースや、あめ玉を食べたり、子供が甘い菓子をしょっちゅう欲しがるのはこのためである。
 また、陸上競技の選手がいつもやせているのも理解されよう。
 もし、はげしいトレーニングをしているのに、澱粉や砂糖をとらなければやむをえず体内の脂肪や蛋白質が分解されて、エネルギーをリリーフすることになるが、脂肪はいいとして、蛋白質が燃焼するには、相当の負担をからだにかけることになる。とくに分解してできるチッソやイオウは有害で、体質を酸性にして、バテやすくする。
 なんといっても、澱粉質がからだには楽であり、すぐにエネルギーに変化する。とくに分解のすすんだぶどう糖や果糖は、いいスタミナ源である。

<悪いのはむしろ...〉

過去の日本人はカロリーのうち、75〜80%を米や麦、いもなどの炭水化物からとってきた。これに対して、ヨーロッパやアメリカの場合は約50%である。
日本も食料事情がよくなるにつれて欧米なみに近づきつつあるが、近年の栄養教育では、澱粉質を悪い張本人だと決めつけ、かたきのように見下している場合があるが、「それはないよ、セニョール!」
 ごはんをほとんど食べないようにしていながら、コーラやコーヒー、アイスクリームなどをガブガブ飲んだり、食べたりしている人がいる。夏の暑いときに飲むコーラやファンタは実においしいが、この中には砂糖が25gもあり、それだけで100カロリーになってしまう。3〜4本も飲めば「ストップ・ザ・サトウ」と、暮しの手帖社がとりあげた100gの許容量にすぐ達してしまう。
 それならば安くてうまい米飯を食べたほうが、いろいろの栄養面からみてずっとこえている。米にだって蛋白質やミネラルが含まれていて、ごはんといっしよに体内に吸収されるからだ。
 要は、運動量のバランスで決まることで、ほとんど運動しない人がパクパク食べれば肥満になるのに対して、はげしいトレーニングをしているのにごはんを制限すれば、いつかからだに無理がくる。
 総カロリーのうち、40〜50%は澱粉質からとるのがいいだろう。

<特製チャーハン>

ここで、とっておきのスタミナ料理を公開しよう。ビルダーのための特製チャーハンである。
 まず、ごはんは固めにたく。前の日に余ったごはんを冷蔵庫に入れておいたパサパサのものでもいい。(食堂のメニューの中でチャーハンが安いのは前日の残りものを材料にするからだときく。これはヨダン)
 ラードを使うのがいちばんいいが、なければバターかマーガリンでよい。フライパンにたっぷり油をひいて、ハム・ソーセージ・とり肉・豚肉・えび・ピーマン・ネギなどをきざみ、塩とこしょうでサッといためあげる。
 次に、食べる量だけのごはんをまぜ最初はゆるい火で水分をきるようにし約5分後、強い火にして底がこげつくくらいにする。もちろんよくまぜながら・・・・・・。プーンと香ばしいかおりが部屋に広がったら、トマトケチャップを少量加えて、ほんのりと色をつける。
これでできあがり。
 重要なことは、同じ材料でも油を使うとグーンとカロリーがアップする。こうしてできたチャーハンは実に800カロリーもある。これはごはんの約2倍になる。
 もちろん、これだけでは不足なのでギョーザ、チーズ、とうふのスープを組み合わせるとよい。カロリーと蛋白質の計算は次のとおり。なお、澱粉質の占める割合は、全カロリーの約40%となる。
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月刊ボディビルディング1972年5月号

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