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なんでもQ&Aお答えします 1972年11月号

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月刊ボディビルディング1972年11月号
掲載日:2018.03.26

初心者に10レップスは適当か?

Q 私はボディビル経験7年4カ月のキャリアをもっております。自分の練習の合い間に初心者指導をしていますが、最近になって自分の指導法に少々疑問を感じてきました。

 初心者に対して7~8種目でテン・レップス(10回)を基本としてコーチしているのですが、ほとんどの者が重いバーベルに挑戦するのか、腰をはじめとして筋肉痛を訴える者が多いのです。これは私の指導法が悪いのでしょうか、それとも練習者が無理をしているからでしょうか。
(東京都内、実業団1コーチ)
A 初心者に対し、7~8種目でテン・レップスの指導は決して誤っているとは考えられません。ただ、ご質問では、各種目に何セットずつ行わせているのか判らないのが残念です。

 練習生の多くが、腰をはじめとして筋肉痛を訴えるとは少々異常です。短いご質問の内容から推察して、私なりの勝手な判断による解答になることをお許しください。

 7年4カ月のボディビル経験をもつあなたが、自分の練習の合い間に初心者指導をしているということですが、このようなケースの場合(実業団のみならず、専任コーチのいないジム、同好会、体育館等の場合も同じ)、練習者が自分で作成したスケジュールに基づくか、ノー・スケジュール(練習計画なし)で好みのトレーニングをしていると考えられます。

 この形態の練習場では、古い人の練習法を初心者が見よう見真似で覚えながら、我流のトレーニング法になるケースが多いものです。使用重量についても、先輩のへビー・ウェイトに魅力を感じて、ついつい実力以上のものに挑戦する傾向があります。その結果、腰をはじめとした筋肉痛を訴えるのではないでしょうか。

 あなたが自分の練習の合い間に初心者指導をするというのは、プロ・コーチ、または職業的な指導者がするように、練習者各人のカルテに基づいて適切なスケジュールを作るということではなく、初心者に対する「手ほどき」だと考えます。それ以後は、練習中に気がついた運動姿勢、練習量などについてアドバイスする程度のものでしょう。そのため、あなたの目が届かずに初心者が無理なトレーニングをする結果、体を痛めるのだと結論したいところです。決してあなたの指導法が誤っているのではありません。

 しかし、初心者に対し一律にテン・レップスで指導するという点について私は異論を唱える側に立ちます。

 最近の練習目的はひと昔前とは大きく異なり、健康管理、体力増進、運動不足の解消のための軽トレーニングを希望する者が圧倒的多数です。

 この傾向を体重面からだけとらえて考えれば、ボディビルが日本に本格的に到来した19年前とは、完全に目的が逆転しました。以前は体重を増加させたいと願う者が95%以上でしたが、年を経るにしたがって、そのパーセントが順次低下し、現在では体の部分的減量(たとえば腹など)を含めて、体重を減らし体を引き締めたいと希望する者の方が多くなっています。

 とくに、コンテストやパワーリフティングを目指したり、その亜流の者を対象とするジム以外、つまり一般人の社会体育の場としてのトレーニング・センターでは、圧倒的にこの傾向が強いのです。

 年令層から見ても、10〜15年前までは、10才代から20才代前半がほとんどで、30才以上の練習者は極めて少なかったのが、現在は20才代後半から30才代、40才代の者が非常に多くなり、むしろ本当にトレーニングの必要性を痛感しているのは中年以上の人だといってもいいでしよう。

 これらの人たちに、一律にテン・レップスで指導することは疑問といわざるを得ません。テン・レップスを基本と考えるのは、筋肉発達を目的とするボディビルダーの感覚ではないかと思います。このあたりは、私の主観的見解なので対立意見をもつ方々も多くいるとは思いますが、下記に私の意見を述べます。

 ボディビルが日本で本格的に行われるようになった昭和29年〜30年ごろには、ジムの指導者と呼ばれる人たちの間にも、練習方法について熟知していない者が相当数いました。当時の練習者の95%以上が目的とした、体重を増やし筋肉を隆々とさせたいという方法については、よく研究した指導者と熱心な上級練習者は知っていました。あるいは、当時の指導者と上級練習者を分けて考えること自体に無理があるとも思われます。ただ、すべてに精通した専門的で経験の豊富な指導者は、平松俊男現JBBA技術顧問など、ごく少数に限られていました。

 私がボディビルをはじめたのが昭和31年なので、当時の事情はよく知っているつもりですが、大多数の上級練習者は外国のボディビル雑誌、あるいは指導書を手引としていました。そのころは、ミスター・アメリカやミスター・ユニバースのコンテストも開催されてから僅か4〜5年しか経っておらずミスター日本コンテストはやっと第1回大会が行われた時代です。

 その当時の外国のボディビル・マガジンなどは、すべてボディビルダー向けの内容で、今日喧伝されている社会体育向けの内容など、一行も掲載されていなかったといっても過言ではないでしょう。それらのマガジンを教科書として用い、そこに記されていることあるいは写真などから勝手に想像して1人合点したことを、金科玉条として後生大事に忠実に守りながらトレーニングしたものです。

 この頃は、あなたのいわれるようにテン・レップスが絶対的な基本練習法で、この定説に挑戦するにはよほどの実力と勇気が必要とされたようです。しかし、上級者の中にはチーティング法によるロー・レピティションを採用する者もチラホラいたと記憶します。

 それから16〜17年も経過した今日では、ぼつぼつその金科玉条に反逆しても決しておとがめは受けないでしょう。いや、むしろ時代に即応するように、ボディビルダーを対象とした練習方法を中心にして考えることを止めるべきだと私は考えます。

 健康管理、体力増進を目的としてトレーニングする一般練習者に対して、ボディビルダー(ここではコンテスト・ビルダーという意味を中心にして)の練習方法を縮小した指導法を押しつけることは、もう時代遅れといってもよいでしょう。もちろん、ボディビルダーの練習方法を縮小したやり方でも体力増進と健康管理の目的は達成されます。しかし、それが最善あるいは次善の実践方法とは考えられません。

 私としては、まるっきりの初心者に対しては15〜20レップスの方法が適当ではないかと思います。ボディビルダーを目標にする者に対しても、最初の2〜3カ月は同様にしたいところです。

 しかし、各ジム、各練習場により練習者層と練習目的は大きく異なり、それぞれの特色があるので、上記のことは一概には決めつけられません。

 15〜20レップスが適当という意味は第1に、やっと10回持ちあげられる重量の使用は、初心者の筋肉には刺激が大きすぎる。運動から遠ざかっていた者の体には、15〜20回程度できる重量による刺激で十分と思われ、それ以上の刺激は無用と考える。10回にするのなら、少なくとも2〜3カ月は上記の方法により練習したあとにすべきだというものです。

 第2には、10回やっと繰り返せる重量ということは、初心者にとって大分無理をすると最大挙上重量に近づくことであり、あまり余裕がないことです。経験者にとっては、10回反復できる重量は最大挙上重量よりはるかに軽いものですが、初心者にとってはそれほど大きな差がありません。

 周囲の先輩に刺激されて、少しでも重いものに挑戦しようとするのが初心者の常であり、何才になっても何kgあがるかな………と確かめてみたくなるのが人間心理なのだから、10回の重量では、ますますそれに拍車をかけるようなものです。

 それに、初心者は各種目の基本的運動姿勢をマスターしていないので、少し無理をすると体を痛めやすいものです。

 初心者に対しては、どのようにしたら効果が最大限にあがるかを中心にして考えるより、どのようにしたら運動から遠ざかっていた体を無理なくほぐして、故障を起こさせずにボディビル運動に親しませ、継続させるかを考えることが先決問題と私は信じて疑いません。

女性トレーニングの重量と強度は?

Q 私は30才の主婦です。主人の感化を受けて1週に3日ほど自宅で練習を共にしていますが、重量の選び方と練習の強さについて教えてください。主人と同じ比率でよいのでしょうか。
 主人は2年3ヵ月ばかり練習をしていて筋肉が随分盛りあがっています。私はどちらかというと全体に引き締めたい考えでいます。(江東区1主婦)
A ウェイト・トレーニングについては、女性と男性の練習を根本的に異なって考える必要はありません。しかし、具体的な実践方法となるとだいぶ差はあります。
(1) 重量の選択は慎重にして、所定の回数を終わらせても、まだかなり余裕のあるものを使用すべきです。

 男性のように、ちょうどできる重量では重いと考えてよいでしょう。最大限の重量を用いたのでは女性といえども筋肉が発達して、男っぽい体つきになることは否定できません。

(2) 腹筋運動全般、ハイパー・バック・エクステンション、ベンチ昇降・キックなどにウェイトを用いずに行うものは、かなり頑張った方が効果は大です。

(3) 練習の強度については、全般的には余裕のある程度で止めるべきです。毎回の練習に、体力ギリギリまで練習したのでは、ちょうど女子スポーツ選手のように、柔らか味に欠けたギスギスした体つきになり易いものです。常に余裕を残し、体力の80%程度までに留めるのが女性トレーニングの秘訣といっていいでしよう。

(4) 局部的な運動種目を多くせず、全体的に効果のある運動種目を中心に行うと女性らしい体つきになります。

(5) バーベル、ダンベル等を使用する種目ばかりでなく、自分自身の体を用いるもの、たとえばハイパー・バック・エクステンション、リヤー・バック・ベンド、ボディ・アーチ、キックなどの種目を多く採用すると効果的です。

(6) 練習頻度については、男性より少なめにしたほうがよいと思います。週に4〜5日も行うと、休養が十分とれなくなり、スポーツ選手のような体つきになる恐れもあります。

 ただし、腹部のゼイ肉をとる運動などは例外で、ほとんど毎日行なっても悪影響はありません。むしろ、1日に多くのセット数を集中的にこなすよりも、少しずつ毎日したほうが好結果を期待できます。

スプリット・システムを採用したい

Q 本誌や外国雑誌に紹介されている一流ビルダーの練習方法をみると、ほとんどがスプリット・システムを採用しているように思います。

 私はボディビル練習を始めてから、まる4年たったので、そろそろスプリット・システムを試みようかと考えていますので、この方法によるスケジュールの組み方、注意すべきことなどを詳しく教えてください。
(山梨県甲府市·雨宮高明)
A あなたがいわれるように、最近のコンテスト・ビルダーの練習方法の主流はスプリット・システムです。中・上級者、あるいはコンテストを目標にしている者にとっては、このスプリット・システムを熟知することがぜひとも必要とされるので、スペースを多くさいて説明します。

 スプリット・システムとは、日本語に訳せば〝分割法〟ということで、1日に全身のトレーニングをせず2~3日に分けて筋群単位に運動することです。

 では、なぜ1日に全身のトレーニングをせずに分割するかといえば、ボディビルダーの実力が向上してきた現在では、より以上の発達を望むには練習の量と質を増加させる以外に方法はないので、それを合理的に行うためです。

 だから、健康管理や体力増進を目的としてトレーニングする一般練習者にとっては、さしあたって必要はない方法です。一般人の練習は、それほど激しく長時間に及ぶやり方は、むしろ害多く益少ないものです。

 スプリット・システムによるスケジュールの作り方と考え方を順次以下に記します。

<1> 最も基本的な方法は、上半身と下半身に大別するものです。月・水・金曜日に上半身の運動をしたら、火・木・土曜日は下半身という具合です。スケジュール編成の都合で、腹部あるいは下背部を下半身の練習日に含めることもあり、これにより、上半身の練習日は練習量が多く、下半身の日は練習量が極端に少ないという矛盾を柔らげることができます。

 しかし逆に考えれば、毎日同じように体を疲労させず、日によって強弱の差をつけて、弱い練習日になかば休養を兼ねることもよい方法です。

 たとえば、上半身の練習日80セット下半身の練習日20セットのようにして20セットの日は体を楽にさせるなどがその例です。上級者にとっては、1日15〜20セット程度の練習をして、なかば休養を兼ねるという器用な芸当はそう難しいものではありません。

 この上半身と下半身に分ける方法によるスケジュールでは、上半身の練習日には下半身を、下半身の練習日には上半身の筋肉を休養させるのが主眼です。

<2> しかし、最近では<1>のように上半身と下半身に大別するオーソドックスな方法は影が薄れて、筋群を単位として分割するようになりました。この場合の筋群とは、胸・広背・腕・肩・腹・上腿・下腿などを指します。

 この方法では、たとえば月・水・金曜日に腕・肩・上腿・下腿を、火・木・土曜日には胸・広背・腹部をトレーニングするというものです。もちろんどの日にどの筋群をグループにするかは、上記の他にもいろいろな組み合わせ方があり、各人の好みによりどのようにしてもよいでしょう。

 この場合は、刺激を与えた翌日はその筋群に休養させて、異なった筋群のトレーニングをすることによって、練習は毎日行なってもある筋群にとっては、刺激と休養が1日おきに交互に繰り返されることを主眼としています。

<3> 前記<2>と同様の考え方で各筋群の練習を1週に2日とする方法もあります。たとえば、
月・木曜日―胸・広背
火・金曜日―肩・腕
水・土曜日―腹・上腿・下腿というようなやり方です。

 この方法では、1日にトレーニングする筋群が少ないので、各筋群に対する練習量と刺激を増やすことができ、逆に2日続けて休養を与える利点があります。強い刺激には十分な休養が必須の条件となるので、この方法も理にかなったものといえます。

 各筋群に対して、1週に2度刺激を与えるのがよいか、3度がよいかは議論の分かれるところで、2度では少ないと一概には決めつけられません。コンテスト・ビルダーにとっては、1週に3度の刺激を与える練習方法が基本といわれていたものは、すでに過去のものとなった感があるので、これにこだわる必要はさらさらありません。

<4> 最近では筋群単位の考え方にプラスして、腕の伸筋(上腕三頭筋)と屈筋(上腕二頭筋)のいずれを用いて運動するかにより、スケジュールを作る傾向があります。

 下半身と腹部の運動種目は、腕の筋肉をまったく疲労させずに行えるが、上半身の運動の95%以上は腕を仲介として行います。

 つまり、胸・肩・広背など、どの筋肉を鍛えるにも、その筋肉が独自で運動することはできません。必ず腕を使って運動します。その場合、おもに伸筋を使うか屈筋を使うかによってスケジュールを編成し、上腕二頭筋と上腕三頭筋の刺激と休養のバランスを保とうとするものです。

 ある筋群を鍛えるのに、どのような種目を行うかによってだいぶ変わってきますが、概して広背の運動種目は上腕二頭筋、胸と肩は上腕三頭筋を用いることが多いものです。

 たとえば、広背の種目であるべント・ロー、チンニング、ラット・マシン・プルダウン、バー・ローイング、ワンハンド・ローなどすべて上腕二頭筋を使います。深くおろしたバック・プレスは上腕三頭筋を使って広背筋にも刺激を与えることができるが、これは例外的なものです。

 胸の運動は、ベンチ・プレス、ダンベル・ベンチ・プレス、バー・ディップス、プッシュ・アップ、インクライン・ベンチ・プレスなどが上腕三頭筋を使い、ベント・アーム・ラタラル、プルオーバーなどが上腕二頭筋を使いますが、全体的にみれば上腕三頭筋を用いる運動が圧倒的に多いようです。

 肩はバック・プレス、フロント・プレス、ダンベル・プレスなどが上腕三頭筋、スタンディング・ローが上腕二頭筋を使います。ラタラル系の運動は伸筋と屈筋のどちらが大きく作用するかはともかくとして、いずれも腕に与える疲労は、専門的な観点からみれば極めて少ないといえます。

 しかし、屈筋と伸筋のどちらを使うかということばかりにとらわれて、胸の練習日にベント・アーム・ラタラルを行わず、上腕二頭筋の練習日にベント・アーム・ラタラルを含めるなどの方法は効果的ではありません。やはり筋群ということを優先して考え、その運動種目を1日に集中するのがこの方法の主眼です。

 この考え方によるスケジュールの1例を次に示してみよう。

 月・木曜日―広背・上腕二頭筋・腹
 火・金曜日―胸・前腕・上腿
 水・土曜日―肩・上腕三頭筋・下腿

<5> 最も新しい方法は、ダブル・スプリット・ルーティンと呼ばれるもので、スプリット・システムによる1日の練習を、さらに2回に分割して行います。

 この方法は、練習は1日に1回というボディビル界の慣習らしきものを打破していますが、考えようによっては至極合理的です。

 1日の練習量の半分を午前中に済ませ、疲労が回復した夕刻から夜にかけて残りの半分をトレーニングしようとするものです。疲れた体にムチ打ってダラダラと練習するより、短時間に少ない部分の練習を集中的に行い、休養の後に(昼寝をすればより効果的)残りをトレーニングするのだから、常に新鮮な刺激を筋肉に与えることができます。

 これをさらに突っ込んで考えれば、トリプル・スプリット・ルーティンとなり、1日に3回トレーニングすることになります。

 これらの方法は、毎日をボディビルの練習についやせるプロビルダー向けのものであり、アマチュア(コンテスト・ビルダーを含めて)の練習者には不向きのものといえましよう。
以上<1>〜<5>までの説明でおわかりのように、順次、筋肉に与える刺激を強くする過酷なトレーニング方法に発展しています。これは、スプリット・システムに限らずどの練習方法でも同じことで、専門的トレーニング法とは、言葉を替えれば刺激の大きなトレーニング法ということです。

 今後ますます激化するコンテスト・ビルダー間の争いでは、屋上に屋をつくるような過激な運動方法が考案され実践されるはずです。

 これは、ボディビル界だけでなく、他種スポーツ界でもまったく同じことです。逆説的に表現すれば、練習の成果が大きい者が勝利を収めるのではなく、その成果を生む過酷な練習に耐えられる者のみが勝ち残るということでしょう。

 しかし、これはあくまでも競技者としてのコンテスト・ビルダーについてのみいえることで、健康管理あるいは体力増進を目的としてトレーニングする一般人には、まったく無縁のものであることはいうまでもありません。

痔疾でスクワットができない

Q 私は痔疾のためスクワットが思うようにできず苦労しています。75kg〜80kgで10回、これを3〜4セット行いますが、ときどき肛門がとび出して痛くなります。

 下半身の運動としてスクワットは不可欠の種目ときいているので、少々痛いのを我慢して運動することが多いのですが、ひどいときには10日〜15日ぐらいスクワットができないこともあります。こんなときにはどんな練習をしたらよいのでしょうか。

 かりに、スクワットを全然やらなくてよいものなら、練習が現在より数倍楽しくなると思うのですが、そんなことでは下半身を鍛えることができないと考え、無理をしてでもやっています。何かよい方法を教えてください。
(愛知具春日井市·笠井晴人)
A ひと口に痔といっても種類と症状に差があるので、すべてを同一に論ずることはできませんが、あなたの場合は脱肛で、しかもそれほど重症のものではないと思われます。日本人には痔疾の人が多いといわれていますので、あなたと同様の悩みをもつ練習者は全国にゴマンといることでしょう。

 75kg〜80kgで10回ということなので中級者程度と推測します。あなたの痔疾の詳細がわかりませんので一般論としてお答えします。

(1) 下半身の運動としてスクワットは不可欠の種目ではないので、痛いのを無理して練習する必要はありません。コンテスト・ビルダーを目指すならば下半身全体のバルクとパワー・アップのために、ぜひとも採用したい種目ですが、一般の練習者にとっては何が何でも行わなければならない種目とはいえません。

 ハック・リフト、ジャンピング・スクワット、ヒンズー・スクワット、フライイング・スプリット、レッグ・カール、ベンチ昇進、カーフ・レイズなどにより、痔疾にほとんど関係なく運動でき、しかも効果の大きな種目がたくさんあるので、その中から適当なものを選び出せばよいでしょう。

(2) どうしてもスクワットを行うなら回数を20〜30回に増やして重量を下げることです。

 運動方法についての工夫では、両足を広く開くより狭くする方が悪影響を軽減できます。フル・スクワットではなく、ハーフ・スクワットにするのもひとつの方法です。

(3) 痔疾の人に限らず、おのおの個人の体形、体質、特性を考慮して、その身体的条件内でトレーニング・スケジュールを作ることが肝要です。つまり練習方法を人に合わせるのではなく、その人に合った練習をするということです。
(解答はJBBA事務局長、'68ミスター日本 吉田 実)
月刊ボディビルディング1972年11月号

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