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私の食事1週間 <食事診断> 1972年12月号
野沢秀雄

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月刊ボディビルディング1972年12月号
掲載日:2018.05.18

'71ミスター富山1位 先名利雄

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<先名選手の食事診断>
総合点 92点
 総カロリー約3,600、純タンパク質約220g(体重1kg当り2.8g)、炭水化物50%、脂肪量160g。

 たいへん充実したよいメニューです。「低カロリー・高タンパク質」はビルダーの常識ですが、毎食ごはんを1杯ずつ食べながら、それを実現しているのですからたいしたものです。1日の総重量もその割には多くなく、食事に対する工夫と配慮に感心しました。

 この秘密は何よりも間食の見事さあります。カロリーもタンパク質も昼食以上です。もしも先名選手のメニューから間食分が抜けたら、質のおちた貧弱な内容になることは明らかです。

 食事は分けて食べた方がよいので、練習量の多いビルダーにはぜひおすすめしたいものです。

 このメニューのもう1つの特徴は朝食がしっかりしていることです。タンパク源として、卵・ハム・大豆・魚のうち、2つないし3つを同時に食べています。夕食も同様に必ず2つ以上の良質タンパク源が共存しています。間食も同じ工夫がされていて、普通にある食品をうまく食べている点が高く評価されます。

 トロロコンブとトコロテンは、ともにカロリーがなく、腹がふくらむので女性の減量食としてよく使われますがビルダーにとってはむしろ、海藻類の代表として、デフィニションをつくる効果のあることを記憶しておくとよいでしょう。先名選手もよく勉強して知っているようですね。

 さて、点数がちょっと低いのは野菜と果物が不足するからです。1日に大体500g食べると合格で、300g以下では不足です。大きなトマト3個で充分です。レモン・レタス・キャベツ・生タマネギなどは、しっかりした筋肉組織をつくり、張りのある肌をつくるのに有効です。

'72ミスター石川1位 辻信次

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<辻選手の食事診断>
総合点 98点
 すぐれた良いメニューです。1日平均の総カロリー約3,800、純タンパク質200g、炭水化物40%という数字は相当勉強されていることを意味します。

 今月号の「スタミナ・メニュー」にも書いたように、1つの食品だけでカロリーもタンパク質も、ビタミン,ミネラルもと、すべての条件を満たしているものはありません。いくつもの材料を組み合わせて料理すると、かなり良い条件になります。

 スパゲッティ、チャーヘン、五目そばなどは、それだけでもかなりいい線をいく一品料理です。これらの料理を組み合わせてメニューをつくると、総合的な良いバランスが得られるのです。洋食のフルコースをみても、スープから始まって、最後のデザートやコーヒーに至るまで、バラエティーに富んでいることがわかります。人類が長年伝えつづけてきた知恵はたいしたものです。

 さて辻選手の場合、どの日のメニューを見ても、心にくいばかりにバランスがとれています。とくに良いのは、緑色の野菜の多いことと、しらす・いわし・牛乳などのカルシウム源が多いことです。また、間食の内容も申し分ありません。

 ビルダーが大成するためには、よく食べることが条件になりますが、3度の食事では胃袋の大きさに制限がありこれを補う意味で間食をとった方がいいのです。

 わかめ・もやし・とうふ・納豆・ほうれん草・豚肉・ごはん等はビルダーにぜひ採用してもらいたい食品です。

 この調子で激しいトレーニングにはげめば、必ず栄冠を手に入れる日がくるし、何歳になっても健康で充実した日々が送れるはずです。

 あえて言うならば、炭水化物の割合をもう少し増やすこと、およびトレーニングのない日曜日を軽い食事に変えるとともに間食をはぶくことをおすすめします。後輩の若手ビルダーによき指導をされることを願ってやみません。

'71ミスター福岡1位 上田文夫

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<上田選手の食事診断>
総合点 85点
 かなり栄養過剰のメニューです。総カロリー約5,500、純タンパク質約250g(体重1kg当り4.5g,炭水化物48%という数字がそれを示しています。

 先日厚生省から発表された46年度国民栄養調査の結果によると、日本人はすでにカロリーもタンパク質も水準に達しており、中年女性の1/3は太り過ぎであり、タンパク質をとり過ぎている世帯が全国で3C%もあることが判明したのです。

 戦争のために長年の間栄養不足で苦しんだので、栄養学者はもちろんのこと、日本人すべてが良い内容の食事をとるように努力してきました。そのおかげで青少年の体格はすばらしく向上し、外国人とまちがえるように背が高くなりました。

 ところが、今度は栄養のとり過ぎで病気になる人が出はじめたのです。アンバランスな栄養のとり過ぎにその原因があるのです。

 さて上田選手の場合、カロリーもタンパク質も多すぎます。逆に野菜や果物が大きく不足して、相当なアンバランスを示しています。こんなメニューを続けていたら、何年もたたないうちに体が疲労してダメになります。

 また、同じ食品が2度、3度と出てきますが、なるべく料理は変えた方がいいのです。栄養源がかたよらないために。

 つぎに良い点は、バターピーナッツやゴールデンフィーズ(とうもろこし)・麦飯・鯨肉などのスタミナ食品を食べていること、朝食が充実していること、社員食堂の昼食にうどんや牛乳をプラスして一般従業員よりレベルの高い食事内容にしていることなどです。

 総括すれば、全体的に食べる量を落として80%くらいにします。具体的には、おかずを一品へらすことです。この費用だけでたいへんなはずです。アイスクリームやコーラ、ヨーグルトなどには砂糖が意外に多いのでご注意ください。こうして減らした分だけ新鮮な野菜と果物に廻します。こうすることにより、自分でもビックリするくらい体調がよくなります。

'71ミスター高知1位 山本博章

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<山本選手の食事診断>
総合点 82点
 総カロリー約4,400。純タンパク質約240g(体重1kg当り3.6g)。

 山本選手の食事の特徴は、とくに間食が充実している点です。カロリーの点では夜食以上、タンパク質の点では朝食・昼食をしのいでいます。こうなれば間食というより、立派なディナー(正食)です。ただし、一度に食べるのではなく、何回かに分けて食べる方が効果があります。

 次に、タバコ15本の問題ですが、実はタバコの煙は、数ミクロンの微粒子の集まりです。気体だからガスのように体内を通過するだけと考えやすいのですが、立派な固体なのです。

 だから、気管や肺胞のあちこちに吸着し、たまっていくのです。

 また、タール分からのニコチン毒も実存します。タバコを飲む人にやせた人が多いのも、体内での抵抗作用が関係するのかも知れません。いずれにしろ、本数を減らすか、できたら吸わない方が無難です。

 食事内容は結構です。間食のタマゴを朝食に1個まわせばなおいいでしょう。

 野菜を多くとり、トレーニングのない日に量を減らす注意は他のビルダーと同様です。
月刊ボディビルディング1972年12月号

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