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なんでも Q&A お答えします 1975年2月号

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月刊ボディビルディング1975年2月号
掲載日:2018.04.03

短期間で発達させた筋はどうなるか

Q ぼくは将来トップ・ビルダーになることを目指してトレーニングしている少年です。ビルダーのからだは,下腿部が他の部分に比べてどうしても細いように思われます。それで,僕は将来のことを考えて,いまから下腿部を鍛えておこうと思ってカーフ・レイズを始めました。
 前々から父に「コツコツと長い時間をかけて鍛えたものは,いつまでも残る」と聞かされていたので,平らなところで重量を使わないカーフ・レイズ(50回×3セット)を毎日コツコツと行なっています。しかし3セットではなんとなくもの足りなく,5セットぐらいやりたくなります。だけど5セットやると疲労が残り,それが積み重なって続かなくなるのではないかと思うのです。
 そこで質問しますが,いまのようなやり方ではなく,無理と思っても,疲労をその日のうちに取り去るように手当をして,50回×5セットを毎日行うほうがよいのでしょうか。ただ,そのようにして早く太くした筋肉は,いつまでも残るものでしようか。
(埼玉県戸田市・金子公一,14歳)
A 君が疑問とするところを整理すると,次の3つのことがらに分けられると思います。
①からだの発達を本当に身についたものにするには,コツコツと長い年月をかけて鍛えることが必要か。
②筋を早く太くするには,無理と思っても,トレーニング量を多くして毎日行うほうがよいか。
③発達のしかたが早かった筋は長持ちするか。
 以上のことがらを順を追って説明することにします。
①このことについては,君のお父さんのいわれるとおりです。
 説教がましいことはいいたくはありませんが,ものごとは,何によらず本当に身につけるには地道な努力が必要です。これは,ボディビルでも同じことです。
 長期間のトレーニングによって得た筋の発達は,かりにトレーニングを止めたとしても,短期間で得たものよりは退化するのが遅いといえます。ということは,からだを鍛えるのに年月をかければかけるほど,それによって得た筋力と筋の発達は身についたものになるということです。
 したがって,君が,ただ単にからだが発達すればよいと考えているのではなく,本当に身についたものにしたいと思っているのなら,長期にわたってトレーニングを行う必要があります。
 しかし,この長期にわたってトレーニングを続けるということは,それなりに地道な努力がいり,気力だけで続けられるものではありません。焦るあまりに無理なトレーニングを行えば,やがて,体力的にトレーニングが負担になり,挫折してしまうことにもなりかねません。よしんば挫折せずに続けられたとしても,体力的に余裕のない状態では,トレーニングの効果を得ることは難しいといえます。
 君も焦ることなく,お父さんがいわれるように,コツコツと気ながにトレーニングを行うようにしてください。
②ボディビルの原則からいって,無理なトレーニングは慎むべきです。
 豊かな経験と体力をかねそなえたビルダーの中には,意識的に,一定の期間,オーバー・ワークになるような過度なトレーニングを続けて行い,その後に,数日間の十分な休養をとるといった方法を,ときには採用している人もなくはないのですが,経験と体力の乏しい年少者や初・中級者が,激しい消耗をともなう過度なトレーニングを行うことは絶対に慎むべきです。
 ボディビルというものは,トレーニングを多くやりさえすれば効果が得られるというものではありません。自分の体力に合ったトレーニングを行なってこそ,初めて効果が得られるものです。このことを君によく理解してもらうために,トレーニングの効果が得られる経過について説明しておきます。
 トレーニングの効果は,運動を行なっているときに得られるのではありません。
 ボディビルの場合,トレーニングはあくまでもからだに刺激を与えるための手段であって,効果は,トレーニングで消耗した筋が,休養によって元どおりに回復した後に,超回復というかたちで得られます。つまり,トレーニング(筋の消耗)→休養(筋の回復)→休養(筋の超回復=効果)といった経過をたどって得られるわけです。
 したがって,トレーニングの効果を十分に得るためには,
(イ)消耗した筋が,次のトレーニング日までに超回復し得る範囲に,量および強度を制限して行う。
(ロ)消耗した筋が,超回復するのに必要な休養をとった後に,次回のトレーニングを行うようにする。
以上の原則に基いてトレーニングを行うようにしなければなりません。
 君が質問とされたトレーニングの仕方は,上述の原則からすれば,量的にも,また,頻度においても問題があり,有効とはいえません。短期間で筋を発達できるどころではなく,まかりまちがえばオーバー・ワークになり,かえって筋力と筋の太さが減退してしまうおそれがあります。
 多少過度と思われるトレーニングを行うのであれば,原則(ロ)に基き,間に休養日をおく必要があり,また,トレーニングを毎日行いたいのであれば,原則(イ)に基いて,量および強度を制限する必要があります。
 [証]トレーニングを毎日行いたいのであれば,ということは,ふくらはぎの運動に限っていえることで,からだの他の部分のための運動は,必ず間に休養日をおいて行うようにしてください。それも,君の年齢と体力を考慮すれば,絶対に過度とは思われない程度に行うことが大切です。
③このことは①と関連があります。
 早く大きくなるということは,いいかえれば,筋が短期間で太くなるということになります。ということは,①で述べたことからして,短期間で得た筋の発達は,太さにかかわりなく,身についたものとはいえません。
 つまり,どの程度身についたものになるかは,その後に,なおもトレーニングを続行し,先に得た筋の発達をどのくらいの期間持続したかということによって違ってきます。このことは傾向としていえることで,どのくらいの期間トレーニングを続行すれば,このくらい身についたものになるとは明確にはいえません。
 いかに筋を太くしたとしても,トレーニングを止めてしまえば減退していくのが当然で,それも得た効果のトレーニング期間が短かければ短いほど減退していくのが速いということがいえます。(担当・竹内威)

体重を増やしたいが

Q 体重を増やし,ガッチリした体格になりたいと思い,10カ月前からボディビルを始めました。しかし,この間に1kg増えただけです。これはトレーニング法に誤りがあるからでしょうか。
 開始時および現在の体位とトレーニング・スケジュールを書き添えますのでよろしくご指導ください。
記事画像1
<トレーニング・スケジュール>
 以上のとおりですが,私のからだはどちらかといえばすじばった感じです(大阪市・今村一雄)

 以上のとおりですが,私のからだはどちらかといえばすじばった感じです(大阪市・今村一雄)

A 体重が増えないことについては,食事の内容も無関係ではありませんが,あなたの場合多分にトレーニングの方法にも原因があると推察されます。
 というのは,トレーニング開始以来現在まで,たんに体重だけでなく,全体的にとりたてて体位の向上が見られなかったということから考えて,トレーニングの内容にいささか不足するところがあったのではないかと判断できるからです。
 ボディビルの運動は,漸増的過重負荷運動ともいわれ,ボディビルをたんなる健康法として行うのならともかく多少なりとも体力の強化,および体位の向上を意図して行うのであれば,体力が向上するのにともなって,負荷を漸増的に増やすようにし,つねにからだに十分な刺激が与えられるようにしなければなりません。
 とはいうものの,無理に負荷を増やすことは著しくからだを消耗させ,かえって効果の面でマイナスになるおそれもあり,さらには,からだを損うことにもなりかねないので,もちろん慎まなければなりません。
 あなたの場合,開始時においては運動に不順れということを考慮すれば,手紙に記述されているトレーニングの内容でも強いて不足とする点はないでしょう。しかし,その後,10カ月も経過した現在のトレーニングは,運動種目によっては使用重量が軽るすぎるのではないかと思われます。それというのは,皮下脂肪が少ないといわれるあなたの体質からすると,ベンチ・プレスとスクワットの使用重量が,上腕部と大腿部のサイズの割には少なすぎるのではないかと考えられるからです。
 体脂肪の増加によって体重を増やすのでしたらそのかぎりではありませんが,ビルダーとしての体形を保ちながら体重を増やすには,とくに胸部(大胸筋,広背筋)と大腿部および腎部の発達を促すことが必要です。その意味で,ベンチ・プレスとスクワットはおろそかにすることのできない運動種目であるといえます。したがって,あなたの場合,これらの運動種目における使用重量を再検討し,より適切な重量を用いてトレーニングを行うようにする必要があるのではないかと思います

<使用重量の決め方(初級者向き)>
 使用重量は,その運動における基準の回数(あらかじめ定めた1セットの回数,例えば10回)を,1セット目に正しいフォームで行えるものでなければならない。
 基準の回数を完了するのに不安を感じたり,または,フォームがくずれてしまうようでは不適である。
 といっても,余力がありすぎるようでは十分な負荷とはいえないので,その点を考慮して決めるようにする。
 感じとしては,正しいフォームで基準の回数を終了した後に,なお1~2回ぐらい反復が可能と思われる重量がよい。
 2セット目に,基準の回数を反復することが不可能であっても,何らさしつかえはない。そのような場合は,基準の回数にこだわることなく,1セット目と同様に,あと1~2回の反復が可能と思われる余力を残して終了するようにする。基準の回数にこだわって無理をすることは,著しく体力を消耗させ,初級者においては,かえって逆効果になるおそれもあるので絶対に慎しむことである。あくまでも余裕のあるトレーニングを続けることにより,基準の回数を行えるようにする。
 3セット行う場合は,3セット目を2セット目と同じ要領で行うようにする。
 
たとえば次のようにする。
日時の経過→
1セット目 10回→10回→10回
2セット目 9回→10回→10回
3セット目 8回→9回→10回

<使用重量の増加法>
 ついでに使用重量の増加の仕方について述べておきます。
 使用重量の増加は,所定のセット数(例えば3セット)が,それぞれ正しいフォームで基準の回数を行えるようになったら,無理のない範囲で(通常は2.5キロ)重量を増やす。ただ,一度できたからといって,次回からすぐに増量してはならない。トレーニングの日数にして5日前後の準備期間をおき筋力が向上したことを十分確認してから増量するようにする。
 増量後は,〔使用重量の決め方〕で説明した要領で行う。もしも,1セット目から基準の回数を行えないようであれば,基準の回数を目標回数としてトレーニングを行うようにすればよい。

<食事について>
 筋の強化と発達,および体重の増加を促すには,からだが必要とするだけの栄養を摂らなければなりません。
 筋力を強化し,筋を肥大させるには,とくに蛋白質を充分に摂る必要があります。もちろん他の栄養素も健康を維持するためには大切ですが,筋の主成分であるところの蛋白質を欠いては,いかにトレーニングを行なっても,筋を強化し,筋を肥大させることはできません。その意味で,蛋白質はビールダーにとって最も必要な栄養素であるといえます。
 1日の蛋白質必要量は,からだの大きさ,体質,および1日の運動量によって異なりますが,ビールダーの場合1日に,体重1㌔当り1.5~2.0グラムぐらいは摂ることが必要と考えられています。したがって,あなたの場合は63㌔の体重から計算して,1日に約95~125グラムぐらい摂ることが望ましいです。

<体脂肪を増やすには>
 同じ体重を増やすにしても,体脂肪の増加による方法は,筋および骨格等のからだの実質的な発達による方法よりも容易といえます。からだの実質的な発達によって体重を増やすには,蛋白質を主とした栄養を摂ることに加えて,トレーニングにおけるそれなりの努力と月日の経過が必要です。しかし体脂肪の増加に重点を置いて体重を増やす場合は,食事の内容が体脂肪を増加し得るものであれば,さほどトレーニングを重視しなくても可能であるといえます。
 つまり,脂肪の多い食物と,体内で脂肪に転化する含水炭素を多く含むものを多量にとるようにすれば,トレーニングは,食べものの消化と吸収を促す程度に行なっていても体重の増加は可能であるということです。しかも,多少の例外はあるにしても,比較的短期間に体重を多く増やすことが可能です。
 体脂肪が増えるということは,食事によって補給される熱量と,からだが消費する熱量の収支において,余剰となった熱量が体脂肪としてからだに蓄積されることによります。したがって体脂肪を増やすには,体内で消費されるよりも多量の熱量を食物から摂るようにすればよいわけです。そのためには,脂肪の多い食物と,含水炭素(体内で脂肪に転化する)を多量に含む主食類,いも類,あるいは砂糖を主原量とした菓子,および飲みものを,消化と吸収が可能な範囲でできるだけたくさんとるようにすることです。胃の容量からして,一時に,それらの食物を多量にとることが困難であるなら,消化のできる範囲で,食事の回数を増やしたり,間食をしたりするとよいでしよう。(担当・竹内威)

椎間板へルニアの原因と予防

Q 1年ばかり前から,季節の変わり目などには腰が重く,少し痛みを感ずるようになりました。ジムの仲間が椎間板へルニアではないかというのです。特別に腰を強く打ったこともなく,腰痛の原因に心あたりもありません。医者にかかるほどの痛さでもありませんので,そのままにしておりますが,自然になおるものでしょうか。(渋谷区・小林)
A 腰痛は多くの人が経験する病です。つまり,人間の脊椎の構造が無理にできているからです。人間の脊椎は軟骨や靭帯で連結され,さらに,垂直に重い頭(約2kg)や,胸部,腹部を支えており,その負担は非常に大きいものです。これらの負担を支えながら,傾いて不安定な骨盤の上にのっている脊椎が前後に彎曲するという構造上,急性・慢性の腰痛が起こりやすくなるわけです。
 起居動作中,とくに体を長くかがめていたり,長く坐っていたり,不自然な姿勢を続けていると強い痛みを感じます。
 椎間板へルニアは坐骨神経痛症状をともないます。その他,カリエス,すべり症,変形性脊椎症,脊椎失患は一般に脊椎や下肢にその原因となる変形を発見することができ,腰痛をともないます。
 重量あげ選手やビルダーに多く見られる外傷性疾患は,神経源が圧迫され刺激によって痛みが生じます。その痛みは腰や下肢に多く,まれに脊椎の変形も生じます。また,内臓性の腰痛は1日中痛み,夜間の痛みをともないます。
 腰椎の変形が椎間板へルニアであり姿勢や動作でよくわかります。物を捨ったり,深くおじぎするのが困難となります。股関節が曲がって伸びない人は座位が苦痛です。
 腰痛の予防法としては,上を向いて寝るときは,両膝を軽く曲げ,その下に座ぶとんなどを丸めて入れます。横に寝るときは,両膝の間に座ぶとんを1枚狭んでおくことも一方法です。また,痛むところを蒸しタオルやカイロで温めたり,マッサージをするのも効果的です。変形の中に腫瘍が原因する場合は手術を要します。
 慢性の痛みには,整形外科,精神科神経科,泌尿科,内科等からくるものがあります。その場合は,その原因となっている疾患をまずなおさなければなりません。
 運動選手やビルダーの場合,とくに大きな負荷がかかるような運動の場合は,サポーター(ゴム帯)やコルセット,バンド等で腰を保護して実施することです。へルニアの場合は,骨が痛むことは少なく,筋肉や靭帯や軟部組織に痛みが多いものです。温湿布やマッサージで血液の循環をよくすることです。(担当・能丸康司)

胃弱は薬より日常の食生活が大切

Q ボディビルを始めて3年。21歳の学生です。動機は胃弱をなおすためだったのですが,いっこう良くなりません。食欲はあるのですが,ちよっと食べ過ぎると胃にもたれたりチクチク痛んだりします。身長172cmで体重は67kg。一般の人から見ればいい体格をしているのですが毎日,この重くるしいような不快感に悩されていますが,なんとかなおす方法はないものでしようか?
 胃の弱いのは遺伝するのか,私の父も若いときから胃弱だったそうです。いままでに新しい胃薬が発売されるたびに,私は真先に買っていろいろ試してみましたが,どれもまったくの一時しのぎでなおりません。まだ医者にかかったことはありませんが,だんだん悪くなるようで心配でなりません。ご回答お願いします。(東京・志田)
A 胃が弱いとのことですが,胃の病状,病態は非常に多く,限られた誌面では説明できませんが,一般的な胃弱の予防を述べておきます。
 口に入れた食物は,咀嚼運動によって細かくされ,耳下腺,顎下腺,舌下腺の睡液と混合されて分解が起こり,これを食道から胃に送ります。そして胃の内側粘膜からペプシンと塩酸を分泌し,蛋白質を分解して糖分と脂肪は十二指腸に送られます。
 胃弱には急性単純性炎症,急性腐食性炎症,急性血行性炎症などがありますが,その原因は,消化不良の飲食,アルコールの過飲,食事の不摂生,刺激性食物,薬の刮用,偏食,精神的・肉体的過労,極度の緊張,腐食物(何日もたった牛乳など)を食べたときなどに起こります。また,魚,卵白,牛乳等に対する特異体質者がそれらのものを口にしたとき,あるいは,ミカン刈りやぶどう刈りの直後,洗わずに食べたときなどにも起こります。
 一見,頑健そうに見えるビルダーの中にも胃弱で悩んでいる人は意外に多いものです。それは,日常の練習からくる肉体的疲労(無理な練習量をした場合),精神的疲労(コンテスト出場者に多い),過食,偏食等が原因していると思われます。
 いつも胃が重苦しく不快で,食欲不振が続き症状が悪化すると吐きけやむくみをともなうようになります。そして,表層性・萎縮性・肥厚性胃炎,あるいは胃下垂などを繰り返し,さらにそれがすすむと潰瘍,腫瘍などに進むこともあります。
 胃弱の治療,予防法としては,まず食事を軽くし,刺激性を避け,消化吸収のよいものを一定時間に食べるようにすることです。また,胃下垂の場合には不眠,頭痛,肩こり,神経痛等をともないますから,栄養価の高いものを1日数回に分けて食べ,食後はしばらく右側を下にして横になって休むようにします。食後によく散歩したり軽い運動をする人がいますが,これは消化を阻害し,胃を弱くする原因になります。
 上腹部が発作的激痛を起こしたり,発熱をともない黄疸が出ることがあります。ことに潰瘍を形成すると,胆嚢症,尿右症,腹膜炎,虫垂炎と手術が必要になってきます。
 一般に神経質な人は胃の疾病にかかりやすいので,心身の疲労,不快な刺激,心の異変,異性感情,学校や日常生活での悩みを早期に解決することが大切です。胃弱で悩むビルダーの場合は,無理なトレーニングを避け,興奮性を避け,食事養生,アルコール・香辛料・コーヒー・タバコなどの刺激物に注意することです。
 最後にちよっと付け加えておきたいことは,胃が弱いビルダーの欠点は一般に運動量に比例して腹筋が発達しにくいことです。さらに,胃弱の人がシット・アップなどの運動をやりすぎると消化不良を起こすこともあります。
 いずれにしても胃に疾患のある人は日常の食生活に充分注意することが大切で,医者や薬だけではなおるものではありません。(担当・能丸康司)

しみ,そばかすの原因と治療法

Q ボディビルを始めて2年になります。以前から少し肌にしみのようなものがありましたが,ことしの夏あたりからとくに目立つようになりました。肌を焼くために何回も海水沿に行きましたが,それが原因ではないかと思っています。あるいは内臓の失患からくるものでしようか。しみの原因と治療法を教えてください。(東京・木島)
A しみ,そばかすで悩んでいる人は意外に多いものです。女性はもちろん,肉体美を競うビルダーは,美しい肌にあこがれるものです。いくら褐色に焼いても,きたない肌ではマイナスです。そこで,しみとそばかすについて項目を分けて説明します。
①しみ(肝班)
 しみは後天的色素沈着症と称し,中年以後の女性に多く見られます。頬骨の部分から額や顔に不正形の色素班が黒褐色に範囲を広げ,日光や紫外線の影響をうけるとひどくなります。また疲劳,睡眠不足、胃腸障害、生理作用などのときに濃厚に見えますが,これは悪化しているのではなく,体が元にもどれば回復します。オーデコロンを塗布して直射日光に当ると,より一層しみが濃くなることもあります。
 一般に,しみはストレスの蓄積者,肉体的・精神的に疲れやすい人,神経質の人に多く,若年者やスポーツ選手に見られるのもこれが原因です。肝臓の働きが低下し,ホルモンの働きが鈍くなり,色素が沈着し,それが日光の作用によって強弱が明確になります。
 しみを防止する方法としては,物事をクヨクヨせず,取越苦労を避け,直射日光による日焼けを防止し,睡眠時に白降汞,PMH,親油性ビタミンCを主成分とする漂白クリームを塗布して寝るか,ビタミンC強肝剤の内服が効果的です。
②そばかす(雀卵斑)
 色白の人に多く見られる褐色の班で米つぶくらいの大きさのものが皮膚面に左右対称にできます。この班点は優性遺伝をします。思春期に多く,夏季に強い紫外線にあたると悪化します。
 防止法としては,直射日光を避け,紫外線防止クリームを使用しますが,クリームの有効性には個人差があります。顔や全身にそばかすが非常に多い場合は,皮膚剥削手術を行い,ビタミンC,インチレニン,クロロキン,漂白剤治療を施します。多くの場合,そばかすは表皮のメラニン含有量に起因しますので,洗顔と日光を避け,平常からクリームを塗布して防止することをすすめます。(担当・能丸康司)
月刊ボディビルディング1975年2月号

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