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なんでもQ&Aお答えします 1975年10月号

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月刊ボディビルディング1975年10月号
掲載日:2018.08.31

三角筋の後部に有効な種目は?

Q ボディビル歴4年。23才の会社員です。来年あたりコンテストに出たいと思っていますが、三角筋の発達が思わしくありません。とくに三角筋の後部に有効な種目をお教えください。(足立区・原口)
A 三角筋の後部は、プレス、ラテラル・レイズを問わず、直立した姿勢では発達しにくいといえます。したがって、その部分の発達を促すには、上体を前倒させて行うべント・オーバー・ラテラル・レイズ、またはベンチに伏臥
して行うプローン・ラテラル・レイズを肩のトレーニング・コースに採用するのがよいでしょう。
①ベント・オーバー・ラテラル・レイズ(リア・ラテラル・レイズ)
㋑上体を床面と平行になるまで前倒し左右のダンベルを真横へあげる。
㋺ダンベルをあげるときに、肩甲骨をできるだけ内側へ寄せないように留意し、また、終始、手の甲を上に向けて(おろしたときは外)動作を行う。
㋩正確な動作では、両腕がほぼ水平の位置で止まるが、でき得る限り可動範囲いっぱいに動作を行うようにす
る。
㋥重量は余裕のあるものを用い、ダンベルをあげるときに、両腕を左右横へ伸ばすように行うのが効果的である。ダンベルを適当な重量に組めない場合は、プレートの穴に親指を差し込んで保持するとよい。
②プローン・ラテラル・レイズ
㋑フラット・ベンチ(平らなべンチ)に伏臥し、ベント・オーバー・ラテラル・レイズと同じ要領で動作を行う。この運動は、ベンチの高さからして完全に腕をおろし切れないが、可能な範囲で正確に動作を行う。腕をおろしたときにも肘を曲げないで終始伸ばしたまま行うようにする。

上腕三頭筋の後ろ部分を発達させたい

Q ボディビル歴3年。上腕囲はノー・パンプ・アップの状態で37cmあります。しかし、上腕三頭筋の後ろの部分の発達が弱いせいか、サイズの割には見ばえがしません。この部分を発達させるために、いろいろな運動を試みてはいるのですが横の部分にばかり効いてしまって、一向に効果が得られません。来年はコンテストに出場してみようかとも考えているのですが、このようなわけで、ついつい弱気になってしまいます。だからといって素質がないものとあきらめてしまうのも残念です。
 そこで、お尋ねします。上腕三頭筋の運動で、後ろの部分に効かずに、横の部分にばかり効いてしまうのは運動のやり方が悪いからでしょうか。それとも、種目の採用に問題があるからでしょうか。いままでに実施した種目と現在のトレーニング法を同封しますので、誤りがあれば指摘してください。なお、トレーニングは自宅で行なっています。

◇いままでに行なった種目(すべての種目を同じ時期に行なったというこ
とではありません)
①フレンチ・プレス・スタンディング
②フレンチ・プレス・ライイング
③ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
④ワン・ハンド・フレンチ・プレス・スタンディング
⑤ワン・ハンド・フレンチ・プレス・ライイング
⑥リバース・ディップ


◇現在のトレーニング内容(分割法を採用して週に2回行なっている)
①フレンチ・プレス・スタンディング 10回×3セット
②ワン・ハンド・フレンチ・プレス・スタンディング 10回×3セット
③ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス 10回×3セット
④リバース・ディップ(大腿部の上にプレートを置いて)12回×3セット
(栃木県 早田 修 会社員 24才)
A 悩む気持は解らないでもありませんが、たまたま発達の悪い部分があるからといって、それを単的に素質の有無に結びつけて考えるのは誤りです。あなたの素質がどのようなものであるかはわかりませんが、もし、体脂肪の少ないからだであれば、ノー・パンプ・アップの状態で上腕囲37cmは立派なものです。3年のキャリアからすれば、むしろ素質充分といえます。
 からだの発達の仕方について不満と悩みを持っているのは、何もあなただけに限ったことではなく、ビルダーは多かれ少なかれ同様な不満と悩みを有しているものです。したがって、あなたもことさら深刻に考えて悩む必要はありません。肝心なのは、その不満と悩みを努力によって、いかに解消するかにあります。
 ごく短期間でトレーニング内容の是非を判断することはもとより慎まなければなりませんが、トレーニングの結果が妥当なものであるかどうかを常に検討することは大切です。そして、誤りがあると感じたら、それをとことんまで究明し、是正してこそ向上が得られるというものです。
 前置きが長くなりましたが、それではあなたの質問についてお答えします
 上腕三頭筋の後ろの部分(長頭)は人によっては確かに効果の得にくい部分であるといえます。というのは、上腕三頭筋は外側頭(外側に位置する)、長頭(後ろに位置する)、内側頭(内側に位置する)の3頭からなり、日常的な自然な動作では、筋作用的に外側頭と内側頭を主とし、長頭を従とする動作が多いので、そのため、人によっては上腕三頭筋の運動において、長頭を十分に刺激することのできる動作を適確に行うことができないからです。
 したがって、そのような人の場合はある程度、動作に不自然さがともなっても、長頭に十分な刺激を与えられるように心がけて運動を行うようにしなければなりません。
 あなたが現在も含めて今までに実施した種目は、長頭の発達を効果的に促すという意味で、まったく不足がないとはいえませんが、現段階では十分に効果を期待できるものといえます。それにもかかわらず思うように効果が得られなかったのは、採用種目に問題があったというより、運動の動作が、長頭の発達を促すのに適確でなかったからであろうと考えられます。
 では、上腕三頭筋を十分に刺激するにはどのように行えばよいかということを、個々の種目について述べることにします。


◎フレンチ・プレス・スタンディング
①バーベルを頸の後ろにおろすとき、できるだけ遠くへおろすようにする
②あげるときは、肘を前へずらしたりまた、横へ開いたりしないように留意し、重量が常に肩(腕のつけね)より後ろへかかるようにして腕を押し伸ばす。
③また、バーベルをあげるときに、上腕を外側へぶれさせると、差しあげる感じの動作になり、長頭がうまく作用しなくなるので注意。長頭に効かすには、あくまでも押しあげる感じの動作で行うことが肝要である。差しあげる感じの動作では、主として外側頭が作用し、長頭に対する効き目が半減してしまう。
④この運動は肩がかたいと動作が正確に行えないので、そのような人は、まず肩を柔軟にする必要がある。このための運動としては、㋑腕をまっすぐに伸ばし上体を床と平行になるぐらいに前倒し、手首(または前腕)を支点にして体重を支え、上体を下に沈めるようにする[図1参照]。㋺腕をまっすぐ伸ばして壁に寄りかかり、体重をかけて腕を壁に押しつけるようにする[図2参照]。


◎フレンチ・プレス・ライイング
①この運動は、バーベルをおろすときには、とくに注意しなければならない点はない。強いてあるとすれば、長頭を横(外側)の方へ向けすぎないようにすることであろう。というのは、おろしたときに上腕が横の方へ向きすぎていると、バーベルを上へあげる動作において、長頭を十分に刺激することが難しくなるからである。
②バーベルをあげるときに留意すべきことは、差しあげるというよりも、肘を支点にして前腕であおぐような感じで腕を伸ばすことである。また動作の途中で肘を横ぶれさせると、長頭に十分に効かなくなる。ワキをいくぶん締める感じで、どちらかといえば長頭を横(外側)の方ではなく、足先の方へ向けるようにして動作を行うとよい。


◎ワン・ハンド・フレンチ・プレス・スタンディング
①まず注意すべきことは、ダンベルをおろす位置である。反対側の肩の後ろへおろさずに、保持している側の肩の後ろへおろす。
②挙上動作の要領は、バーベルを使用する場合とだいたい同じだが、ただあげきったときに、ダンベルが水平にならないように動作を行うのがよいと思われる。また、上腕をいくぶん内側へねじった感じで動作を行うようにするとよい。


◎ワン・ハンド・フレンチ・プレスライイング
①立って行う場合と同様、あげきったときにダンベルが水平にならないように留意する。そのためには、シャフトの中央より上部を握り、ダンベルをぶらさげる感じで保持して動作を行うとよい。また、挙上動作におけるポイントは、肘を支点にして、前腕を振りあげるというよりも、手首を上方へ押しあげる感じで行うことである。
②この種の運動には、ダンベルを顔の反対側におろすやり方のものもあるが、動作上、注意すべき点は同じである。


◎リバース・ディップ
①この運動は、両手を後ろ手について腕の屈伸を行うのであるが、ただやり易いように無造作な動作で行うのでは長頭にはあまり効かない。長頭に効かすには、両肘を横へ開かずに中へ寄せるようにし、終始、一定の間隔を固守して動作を行うとよい。運動中に、両肘を左右横へ動かすと長頭に効きにくくなるので注意。
以上が、個々の運動種目における、上腕三頭筋の長頭を刺激するための運動法です。しかし、そうであるからといって、ただ、上述したことを漫然と実行すればよいということではありません。
長頭を上手に刺激するには、なんといっても、運動を反復する過程において、自分自身でそのポイントをつかむようにしなければなりません。そのためには、あまり余裕のない重量の使用は慎しみ、目的とする筋を的確に刺激するよう留意して動作を行うようにすることです。そして、常に、よりよい方法に対する追求と努力をおこたらなければ、あるいは、前述した方法以上に、あなた自身に合った運動法がつかめるかもしれません。
なお、トレーニング・コースについては、詳しく述べることは省略させていただき、要点のみを記すことにしま
す。
①外側頭よりも長頭に有効と考えられる種目を2〜4種目行うとよい。
②種目の順序は、運動がやり易すければどのように並べてもよいとはいえるが、使用重量の面で、重いものから軽いものへと移るようにするのもひとつの方法である。また、動作中長頭を意識しにくい種目から意識しやすい種目へという順に並べるのもよい。
【図1】

【図1】

【図2】

【図2】

年少者のボディビルのやり方は?

Q 僕は中学1年生です。まだボディビルの経験はありませんが、逞しいからだになりたいと思っています。そこで、次のことがらについておたずねします。
①僕の年令でもボディビルを行えば筋肉が逞しく発達するでしょうか。
②現在の僕に適すると考えられるボディビルのトレーニング法はどのようなものでしょうか。
③栄養の面で、どんな点に注意して食事をとればよいでしょうか。
(桑名市・義本一貴 中学1年)
A まず①の質問についてお答えします。少年時代には誰しもすなおな気持で逞しいからだに憧れるものです。しかし残念ながら君の年令ではボディビルを行なっても筋肉の逞しい発達ということに関してはあまり期待できません。
 というのは、年令からして、現在の君のからだは、体質的に一人前の男性のからだとして完成される以前の、いわゆる成長期にあると考えられるからです。そして、そのような時期においては、からだに重い負荷を荷して行う抵抗運動を行なっても、筋肉が逞しく発達するという意味での効果はほとんど期待できません。
 君と同じくらいの年令でも、肉体的に早熟の人の場合には例外もなくはありませんが、通常、筋肉が逞しく発達するという意味でのボディビルの効果を期待できるようになるのは、からだが完成期に入ってからであるといえます。からだが完成期に入るのは、人によって個人差がありますが、だいたい14〜15才といわれ、その後、18〜20才ぐらいまでの間に男性として肉体的に完成されます。

 以上のことから、現在の君が抵抗運動を行なっても、筋肉はさほど逞しくは発達しないということが理解できると思います。したがって君の場合は、筋肉の逞しい発達を促すための抵抗運動にあまりこだわらずに、ボディビルをもっと広い意味に解釈して、からだの成長をすなおに促す運動を行うようにする方がよいでしょう。
 それでは次に、②の現在の君に必要かつ適すると思われる運動について述べることにします。
 筋肉の逞しい発達を促すための抵抗運動(主にバーベルまたはダンベル等による重い重量を用いて行う運動)はからだが完成期に入ってから行うようにしても遅くはないので、現在のところは、背丈の伸長、および身体の巧緻性と機敏性を促すための運動やスポーツを行うようにすることです。
 それには脚部の骨にタテからショックを与える運動(ジャンプ、ランニング、およびそのような運動動作が多く必要とされるスポーツ)と、巧緻性と機敏性を要求されるスポーツをつとめて行うようにするとよいでしょう。
 つまり、陸上競技(ただし長距離は除く)、バレーボール、バスケットボール、野球、卓球などのスポーツを適当に行うことです。また、水泳は姿勢を良くし、からだのすなおな発育を促すので、成長期における運動として非常に有効といえます。

 しかしながら、上述したスポーツが成長期に適したものであるからといって、それらを過度に行うことは慎まなければなりません。というのは、いかに成長期に適した運動であるからといっても度が過ぎれば体力が著しく消耗するので、ときには身体の伸びやかな発育を阻害することになるからです。
 身体の伸びやかな発達を阻害しないためには、その日その日の疲労が翌日までに回復される程度に運動を行うことです。運動を続けていくうちに、体力と回復力が強化されるので、オーバー・ワークにならない範囲で運動量を増やしていくとよいでしよう。

 最後に③の食事について述べることにします。
 前項で、成長期には成長期に適した運動を行うのがよいということについて述べましたが、身体の発育を促すには、適切な運動に加えて、十分な栄養を摂ることも大切です。もちろん、栄養的にバランスのとれた食事をするようにしなければなりませんが、身体の発育にとくに必要とされる蛋白質とカルシウムをことさら十分に摂るようにすることです。
 世界各国民の平均身長の面から考察したデータによりますと、栄養面に充実した食事、とくに蛋白質とカルシウムを多く摂っている国民ほど身長が高いということです。このことは、食生活が豊かな国ほど生活水準も高いということがいえるので、各国民の身長差が栄養のみによるとはいちがいに断定できませんが、身長の発育に栄養が密接に関わりを有していることは間違いありません。
 したがって、成長期においては、栄養がかたよらないために、野菜や果物などのからだの調子を整えるものや、からだをつくる蛋白質、カルシウムを多く含む魚貝類、肉、卵、豆または豆製品、および小魚、牛乳、乳製品等をつとめて多くとるようにすることです
[解答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生]
月刊ボディビルディング1975年10月号

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