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知っていると有利 栄養ミニ知識
カロリーの話

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月刊ボディビルディング1974年5月号
掲載日:2018.09.02

<もっと食事に強<なろう>

「はらがへったなあ。ラーメンでも食べよう」「中華まんじゆうがうまいぜ」……ある高校のすぐ隣に住んでいるので,スポーツ練習を終えたヤングたちが,こんな会話をしながら歩いていくのによくでくわす。近くのパン屋で菓子パンを食べたりときにはおでんや焼鳥,コロッケなどを立ち喰いしたりで,健康な食欲を満たしているのはいいが,同じ食べるならもう少しだけ知恵を働かすと栄養の効果が2倍にも3倍にもなる。

<カロリーのとりすぎは……>

 ごはんやパンを食べ過ぎると,カロリーが過剰になり,肥満することは誰でも知っている。ごはんやパンをかんでいると,口の中がだんだん甘くなってくるのは,でんぷんが分解して麦芽糖やぶどう糖になるためである。よく間違いやすいが,私たちの食べた物は胃で吸収されるわけではない。「胃が苦しい」「胃の消化が悪い」などとよくいうが,実は食事の90%以上は小腸で吸収される。水も実は大腸から吸収されるのだ。だからスポーツのあとや夏の暑いときに,いくら水を飲んでもあまり効果がなく,かえってダブダブと重い感じになりバテやすい。
 それでは胃から吸収されるのは何かというと,アルコールや炭酸ソーダである。ビヤホールでちょっと飲んだり,コーラやファンクを飲んだだけで,のどのかわきがスカッ!とするのはこのためである。

 話がそれたが,でんぷんはぷどう糖となってはじめて小腸から体内に吸収され,エネルギーに変化する。すなわち,筋肉が働くたびにぶどう糖が燃焼されて,炭酸ガスと水に分解する。このときに生ずるエネルギーが人間の活動のもとである。

 ちょうどバランスがとれて,食べた食事のカロリーと,運動で使用されるカロリーが一致するときは問題ないが食べたカロリーが多いときは体内に蓄積される。これがさまざまなトラブルを引きおこし,「頭が悪くなる」「動きが鈍くなる」といったことにもなる。

<体の中に銀行がある>

 小腸から毛細血管に入ったぷどう糖は,血液の流れに乗って肝臓にいく。肝臓には,ぶどう糖を集合させてグリコーゲンに変える作用があり,いつも約250ℊ のグリコーゲンを貯臓する能力がある。いざというときに再びぶどう糖にもどし,体のいろいろな場所に送りこむためである。

 250ℊ以上にぶどう糖があるときは血液に乗せて体の組織に送りこむ。ほとんどの場合,筋肉に到着し,筋肉グリコーゲンとして貯蓄される。運動のたびに燃焼するのはこの筋肉グリコーゲンから生ずるぶどう糖なのだ。

 よく病院の人院患者にぶどう糖を注射するのは,体が弱っている人の血液に直接エネルギー源を与えるためで,食欲のない人や,胃や小腸の働きの悪い人などにふさわしい方法といえよう。

<カロリー計算をして食べよう>

 このような仕組みによって,腹のまわりや首にプクプクと脂肪がつきやすいが,恐ろしいのは筋肉と筋肉の間や血管の中にまで脂肪が蓄積することである。筋肉のきれの良い体は,ムダがなくスムーズな動きがとれるのに対して,脂肪が付着するにつれて,単位面積あたりのパワーが減少する。また,血管壁に付着した類脂肪物質(いわゆるコレステロール)は高血圧の原因になり,心筋梗塞,脳卒中など死亡率の高い成人病をひきおこす。重要なことは,食事のとり方で良くも悪くもなること,および,若いときからの食習慣で将来大きな差の出ることである。さしあたり次のことを頭に入れて,毎日の食事をしてみよう。

 ラーメン488,カレーライス633,
 にぎりずし592,チャーハン799,
 カツドン784,サンドイッチ527,
 きつねうどん359,野菜サラダ125
 (数字は1食あたりのカロリー)

「世の中みんな計算さ」とはおなじみテレビのコマーシャルだが,食事についても,なれてくると見当がつくものだ。子供や少年は成長がはげしく,その割に胃腸が小さいので間食はとくに重要だ。大人がおつきあいすると,たちまち太ってくる。このあたりにもご用心。一野沢一
月刊ボディビルディング1974年5月号

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