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なんでもQ&Aお答えします 1974年7月号

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月刊ボディビルディング1974年7月号
掲載日:2018.07.21

腕の発達と空手の関係は?

Q 私は現在、ボディビルと並行して空手の練習をしていますが、空手をやっているせいか腕がなかなか太くなりません。
ボディビルの知識も浅く、そのことに不安を感じますので、Q&Aにおたずねする次第です。
現在の体位は胸囲113cm、上腕囲34cm、腹囲76cmです。トレーニング・コースは次のとおりです。(名古屋市 利川正見 20才)
記事画像1
A 空手をやっていると、腕の発達が得られないかということですが、そのようなことはまったくありません。
前例について述べれば、1961年度のミスター日本になった土門氏は、ボディビルと並行して空手を行いながら40cm以上の腕を獲得しています。

ましてあなたの場合、現在の上腕囲が34cmであり、胸囲との比較から考えても、腕の発達が限界に達しているとは思われず、まだまだ発達の余地があるものと推察されます。
もし、現在、腕の発達が止っているのであれば、それは多分にトレーニングの方法に原因があるのではないかと思われます。

トレーニング・コースを拝見して感ずることは、現在の上腕二頭筋および上腕三頭筋に対する1種目ずつ採用の方法をそれぞれ2~3種目ずつに増やすことであんがい腕の発達を促すことができるのではないかと思います。
しかし、極端に多種目を採用することは慎しんでください。現在の腕のサイズから考えて、いま述べたように2~3種目、そしてセット数は1種目につき3~4セットぐらいが適当だと思います。

あなたのお手紙にあるトレーニング・コースには、肝心な腕の運動種目における使用重量が記入されていないので、現在、あなたが正しい動作で運動を行なっているかどうかについての判断は残念ながらしかねます。
もし、余裕のない重量を用いて不正確な動作で行なっているのであれば、使用重量を軽くして正しい動作で運動する必要があると思います。

皮下脂肪と栄養の関係について

Q 私は肥満という悩みを解消するために約半年前にトレーニングを始めました。以後、まじめにトレーニングを続けたかいもあって、1ヵ月ほど前から腹筋らしいものも見られるようになり、ボディビルを始めてよかったとつくづく思っております。
ところが、最近になって変化があまり見られなくなり、かえってふとってきているように思われます。
そこで、体脂肪をおとすために食事の内容を改めようと考えているのですが、デフィニションを獲得するには実際にどの程度、低カロリー食が関係があるかについてお教えください。
また、関係があるのでしたら、その食事の内容についてご意見をうけたまわりたいと思います。
もし食事の内容について具体的にご指導いただけるのでしたら、1日の食費が400円以内でおさまるような方法をお願いいたします。なにぶん生活上の予算もありますので、その点をよろしくお願いいたします。
(東京都江戸川区 小林武 20才)
A おたずねの件について答えるまえに、デフィニションという言葉について説明します。
ボディビルにおけるデフィニションという言葉の意味は、筋の発達が皮膚をとおして外観的によく識別できる、ということです。
したがって、デフィニションが良いということは、まず、皮下脂肪が薄いことと、筋が良く発達していることが条件になります。
いかに皮下脂肪が薄くても、筋の発達が不十分では、ビルダーとして、真にデフイニションがあるということにはなりません。そこで、あなたのご質問にお答えします。
 
皮下脂肪を薄くするということに関しては、食事の内容を低カロリーなものに改めることで可能です。
しかし、デフィニションを良くするという見地からいえば、筋の発達も重要な課題になるので、食事の内容を低カロリーのものにすると同時に、筋の発達に必要な十分な栄養と適切なトレーニングが欠かせない条件となってきます。 

では、そのうちの食事の内容について具体的に説明します。
皮下脂肪を薄くするには、何といっても動物性の脂肪、および含水炭素の摂取を制限することが肝心です。
食品についていえば、バター、ラード、魚類、肉類の脂肪を多く含む食品と、主食類、および糖分を多く含む菓子、飲みもの等を制限する必要があります。
体内に入って体脂肪の素となるのは動物性の脂肪に限ったことではなく、余剰となった糖質も変化して体脂肪になります。

筋の発達を促すには、蛋白質を十分にとらなければなりません。とくに蛋白質を多く含む食品としては肉、魚、卵、豆類、豆製品、乳製品等があげられます。
ビルダーとしての蛋白質の必要量は、1日に体重1kg当り1.5gくらいと考えられるので、それを基準とすればよいでしょう。
ただし、従事している仕事の労働度が強度な場合は、基準よりもいくぶん多く摂る必要があると思います。

しかし、ここでよく注意しなければならないことは、蛋白質の摂取にかまけて動物性の脂肪を多く含む食品を食べすぎないようにすることです。
デフィニションを良くするには、体脂肪を少なくしていくと同時に筋の発達を促していかなければならないので、蛋白質を多く含んでいて、しかも脂肪の少ない食品をとるようにしなければなりません。
たとえば、牛肉ならばバラとシモフリはひかえ、豚肉は脂肪分が多いので食事の内容から除外し、鶏肉またはクジラの赤身のものを食べるようにします。

次に主要食品のカロリー、蛋白質、脂肪の含有量を表示しますので、これらを参考として食事の内容を研究してください。この表で不足なことがらについては、書店で栄養成分表か栄養分析表を求めて自分なりに工夫するようにしてください。
<主食類のカロリー>

<主食類のカロリー>

<肉類の蛋白質および脂肪含有量>

<肉類の蛋白質および脂肪含有量>

<主な食品の蛋白質含有量>

<主な食品の蛋白質含有量>

最後に、食事法を考えるにあたっての注意事項として次のようなことがらに注意してください。

①体脂肪をおとすには主食を制限することも必要ですが、だからといって極端に制限することは慎しんでください。
極端に主食類を制限すると体内の糖質が欠乏して、エネルギーの燃焼が悪くなり、作業能力(運動能力)をいちじるしく低下させます。
これを継続するときは、必ず健康を損ねることになります。したがって体調をみながら徐々に制限するようにしてください。

②動物性の脂肪と含水炭素の摂取を制限しても、必要な他の栄養素、とくに蛋白質とビタミン類は十分に摂るようにしてください。
蛋白質については前述しましたがビタミン類は身体の機能の健全な働きを維持し、健康を保っために必要な栄養素ですから、それらを含む食品を十分に摂るようにしなければなりません。

ビタミンA、およびCは、野菜や果物等から比較的容易に摂ることができますが、日本人の食生活では、一般的にいってビタミンB類が不足しがちになるので、その点に留意する必要があると思います。B類は豚レバー、小麦胚芽等に多く含まれています。
本誌6月号に載っていた関二三男氏の食事法に、豚レバーとエビオスを摂っていることが記載されていましたが、これは蛋白源としてのみならず、ビタミンB類を摂取するという意味でも有効なことです。

③体脂肪の減少は、空腹に近い状態ほどよいと考えられるので、できるだけ間食を慎しむことも大切です。
ただし、極端な空腹状態での激しい作業(運動)は、ときには体内における糖質をいちじるしく低下させ、また不快感の原因になることもあるので注意してください。

④水分の摂取については、体重の減量が目的ではないので、ことさら制限する必要はありません。
水分をとりすぎたからといって皮下脂肪が増すということはありませんから、必要なだけとるようにしてください。

<予算内で食事をとるための指針>

ご質問の文面に、1日の食費を400円以内の予算であげたいとのご希望がありますので、その点について基本的な考え方を述べておきます。
まず、食事の内容を①主食類②蛋白質を多く含む食品③ビタミン類を補給するための食品(野菜、果物)の3つに分けてください。
そして、それらの3つに大別された食品に割当てる費用をあらかじめ決めてください。たとえば主食類80円、蛋白源200円、野菜および果物類120円というように。

主食については、ごはんが最も安くつくのはいうまでもありません。野菜および果物については価格の変動が激しく、ときには予算内であげるのが困難になることもあるので、安いときに数日分まとめて買うようにするのが経済的です。
保存する場合は、品別にポリ袋に入れて冷蔵庫にしまっておけば比較的長くもたせることができます。

蛋白質については、食品別に蛋白質1g当りの単価を計算し、必要量を予算内で摂るように工夫するのがよいでしょう。
蛋白質1gをとるのにいくらかかるかを2~3示すと、牛肉約10円、鶏肉約6円、鶏肉コマ切れ約4円、白モツ約3円50銭、タマゴ約3円といった見当になります。

以上が限られた予算内で食事をまかなうためのひとつの考え方ですが、あなた自身、自分なりに研究してみてください。
しかし、この物価高騰のおりに1日400円以内でまかなうことは、正直いって非常に難しいことだと思います。
食費を切りつめることにより、食事の内容がかたより、栄養的にアンバランスになるおそれもありますのでできることなら、他の面での節約をして、もう少し食費にゆとりをもたすほうがよいと思います。

大胸筋の外郭部の発達を促したい

Q ボディビルを始めて約1年になります。筋肉の発達は総体的に見て良いと思いますが、強いていえば、大胸筋の発達が弱いのが悩みです。どのような運動を行えばこの部分の発達を促すことができるでしょうか。
現在採用している大胸筋のための運動種目は、ベンチ・プレスとベント・アーム・プルオーバーの2種目です。
なお、使用重量は前者が45kg(10回×3セット)、後者が30kg(10回×3セット)です。
(甲府市 小野明 18才)
A まことにビルダーらしい悩みとは思いますが、はっきりいって、現在の力量で、大胸筋の発達を形体的な面からとらえて云々するのは早いようです。
というのは、ベンチ・プレスを45kgくらいの重量で行なっている段階では大胸筋の発達における形体的な傾向を適確に判断することはむずかしく、また、その必要もないと思われるからです。
せめて60kgぐらいで10回行えるようになるまでは、そのようなことにあまりとらわれずに基本的な運動のみを忠実に行うほうがよいのではないかと思います。 

いまの段階ではあれこれと考えて、種目を多く行うことは、いたずらに筋の消耗を強くし、かえって筋の発達を悪くするおそれもあります。
大胸筋の外郭部の発達を促す一般的な運動種目としては、ワイド・グリップによるベンチ・プレス、ダンベル・ベンチ・プレス、ベント・アーム・ラテラル・レイズ・ライイング等がありますが、
いずれにしても、もっとベンチ・プレスの力量が向上してから行うようにするほうがよいでしょう。
月刊ボディビルディング1974年7月号

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