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秀島洋子のトレーニング教室
アイソメトリックス

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月刊ボディビルディング1978年2月号
掲載日:2018.05.11
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 日常生活の中で、いつでも、どこでも、手軽に、わずかの時間でできる筋力トレーニング、これがアイソメトリックスです。
 アイソメトリックスは、静的筋力トレーニングとも呼ばれ、たとえば、両手の掌を胸の前で合掌して、内側に押し合ったり、柱を全力で押したり、または引いたりするように、動かないものを動かそうとする形のトレーニングです。つまりこれは、筋の長さが等しい状態で収縮をしているのが特徴をなしています(等尺性収縮)。
 アイソメトリックスは、動作をしながらのトレーニング(アイソトニックス)ではないので、呼吸循環持久力、いわゆる、心肺機能を高める効果は、ほとんど期待できないという短所がありますが、これについては、前号で述べた持久性のトレーニングと合わせて実施していくことによって、全般的な体力を高めることができます。
 アイソメトリックスを効果的に行なっていく条件としては、最大筋力の少なくとも60%以上で行うこと、そしてこの筋力を6~12秒間、維持することがあげられます。隔日的に、各運動種目を、1日1回からはじめて、体力に応じてその回数を増やしていくのがよいでしよう。
 ボディビルダーにとって、腕・広背筋・大胸筋の発達は、とくに気になるところです。そこで今回は、主としてこの部分を鍛えるために、1人で行うアイソメトリックスをいくつか紹介しておきましよう。

◇胸の運動
①本を何冊か用意します(あるいはバーベルのプレートでもよい)。これを体の前で、肘を伸ばしたまま両手の手のひらではさみ、上下に動かします。[写真1]
②腕組みをして、左右、反対側の上腕部を6秒間押す。[写真2]
[写真1]

[写真1]

[写真2]

[写真2]

◇腕の運動
③肘をまげ、軽くにぎってこぶしをつくり、左右の手首を交又させ、下の手は上へ、上の手は下の方へ、押そうとする。これを6秒間行う。[写真3]
[写真3]

[写真3]

◇腹の運動
④膝を立てて仰向けになり、あごを鎖骨につけて、背を丸めるようにして上体を起こしたまま、6秒間静止する。腕は頭のうしろで組む。[写真4]
[写真4]

[写真4]

◇広背筋の運動
⑤腰をおろして深く膝を曲げて立て、そのひざを両手でもって6秒間、全力でひっぱる。上体は動かさないようにする。[写真5]
⑥膝つき姿勢で、肘を伸ばしたまま、手のひらを台の上において、6秒間下に押す。[写真6]
[写真5]

[写真5]

[写真6]

[写真6]

月刊ボディビルディング1978年2月号

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