フィジーク・オンライン

Ad by J SPORTS

Weekly Monthly Shopping

10セット・システム ~ マッスル・ビルディングはこの方法で… ~

この記事をシェアする

0
月刊ボディビルディング1969年12月号
掲載日:2018.07.09
写真・モデル 宮 本 皜 選手
クロス・グリップ・ベンチ・プレス

クロス・グリップ・ベンチ・プレス

トライセップス・プレス

トライセップス・プレス

トライセップス・エクステンション

トライセップス・エクステンション

“リバイバル”システム

「古きをたずねて新しきを知る」という。

 ボディビルにもこの言葉はそのまま通用する。

 マッスル・ビルディングはビルダーの最大の関心事。だからこそ、特別の食事法、特別のトレーニング・プログラム、特別の練習種目が云々され、サイズやパワーを増大させようという問題に研究のメスが入れられる。そして、毎日のように新しい発見が行なわれる。いや、古きものの価値が再発見され、よそおいを新たに登場する、いわゆる“リバイバル”というべきであろうか。現在行なわれている方法の多くが、じつは、以前には問題にされなかった古い方法の認識と改良の結果にほかならないからである。

 “アイアン・マン"誌のジムで試用されたこの10セット・システムもその一つである。これは新しい方法と呼ぶべきものではない。何年も前にときおり使用されたこともあるが、けっきょくは陽の目を見ずに終わった薄命のシステムなのだ。じつをいうと、ウェイトリフターがこれを採用したことがあるが、それも筋肉づくりの手段としてではなく、パワー養成をその目的としていた。一般ビルダーにはその真価は理解されなかったようである。

 さて、10セット・システムの方法だが、ベンチ・プレスを例にとってかんたんに説明すると--

 最初の2~3セットは軽量のウェイトを使用する。あなたが5回くりかえせる最高重量を200ポンド(90.7kg)と仮定すると、第1セットは150ポンド(68kg)でスタートして6回くりかえし、1分間休息する。次に、第2セット--160ポンド(72.5kg)で6回、1分間休息。第3セット--170ポンド(77kg)で6回、1分間休息。第4セット--180ポンド(81.6kg)で6回、1分間休息。第5セット--190ポンド(86kg)で6回、1分間休息。第6セット--200ポンド(90.7kg)で5回、1分間休息。

 このへんでそろそろウェイトの重みが体にこたえてくる。第7セットはもう1度200ポンドで4~5回、休息1分間。第8セットは190ポンドに落として5~6回、休息1分間。第9セット--180ポンドで5~6回、休息1分間。第10セット--170ポンドで5~6回、休息1分間。

 この第8~10セットがヤマである。あなたの筋肉は悲鳴をあげるだろうが、最大の効果を生むのがこの最後の3セットなのだから、歯をくいしばってがんばること。

 このシステムを採用したパワー・リフターで、1カ月ばかりの間に、ベンチ・プレスの記録を80ポンド(36kg)ものばした者があるし、他の方法ですべて失敗したビルダーがこのシステムを使用したところ、腕の発達が見られたというから、“マッスル・ビルディングとパワー・ビルディングに一石二鳥の効果があるシステム”と“アイアン・マン”誌が推賞するのも、あながち我田引水の弁ではなさそうである。

 ところで、このシステムでトレーニングをしていた連中が、セットごとに器具を変えてみたらおもしろかろうと思いついて、さっそく実験してみた。いわば“10セット・システムのバリエーション”というわけだが、いろいろの角度から筋肉に刺激を加えることができるし、単調になりがちなトレーニングに変化と活気をあたえられるので、効果の大きい卓抜なアイデアといえる。

10セット・システムのバリエーション

 ただし、各種の器具を必要とするので、ジムか完備したホーム・ジムでないと実行はむずかしい。バーベルとダンベルはもちろん、ラット・マシーン、ベンチ、インクライン・ベンチ、カーフ・マシーンくらいはそろっていなければならない。

 では、トライセップス(上腕三頭筋)の運動を例にあげて説明しよう。

 まず、上腕三頭筋の運動10種目を選ぶ。いいかえれば上腕三頭筋の運動に使用する器具10種類ということだがこれを全部そろえるのがむりなばあいは、同じ運動を2回くりかえすことになるのはいたしかたない。
パラレル・バー・ディップス

パラレル・バー・ディップス

ダンベル・トライセップス・プレス

ダンベル・トライセップス・プレス

プッシュ・アップ

プッシュ・アップ

トライセップス・エクステンション・ツウ・バック

トライセップス・エクステンション・ツウ・バック

リバース・ディップ

リバース・ディップ

リバース・ディップ

リバース・ディップ

 第1セット--クロス・グリップ・ベンチ・プレス
 第2セット--ラット・マシーン・トライセップス・エクステンション
 第3セット--ライイング・トライセップス・プレス
 第4セット--パラレル・バー・ディップス
 第5セット--ワンハンド・ダンベル・トライセップス・プレス
 第6セット--プッシュ・アップ。背中にウェイトかパートナーをのせて抵抗を負荷する。
 第7セット--ラット・マシーン・トライセップス・エクステンション
 第8セット--トライセップス・エクステンション・ツウ・バック
 第9セット--クロス・グリップ・ベンチ・プレス
 第10セットーリバース・ディップ

 以上、各セットとも反復回数は7~8回、セット間の休息時間は約1分である。

 これで上腕三頭筋はいろいろの角度から最大限に運動させられるので、より多くの筋線維に刺激があたえられて、より大きな発達が促進されることになる。

 もちろん、この10セット・システムは初心者向きのプログラムではない。はげしい練習に十分耐える能力を身につけた経験者、スティッキング・ポイントにぶつかって進歩のとまった人、あるいは最大限の発達を望む人が対象である。

 さて、上腕三頭筋を例にとって10セット・システムのバリエーションを説明したわけだが、あなたがボディビルの経験者なら、他の筋群、あるいはいくつかの筋群を対象に同じ要領でプログラムを組めるはずである。たとえば、上腕二頭筋-上腕三頭筋-三角筋、大腿-下腿、広背筋-大胸筋-腹筋、または上体全体を対象とすることもできる。ただし、これはスペシャライゼーション・プログラムだから、せいぜい5つの筋群(50セット)にとどめることが望ましい。このばあい、各筋群の運動の間に5~10分間の休息時間をおく。

 また、各セット間の休息時間を利用して、筋肉を軽くマッサージすることをおすすめする。血行をよくするために、心臓部に向けてマッサージするのだが、強くこするのは禁物。軽くなでるようにマッサージするのだ。

 最後に食事について一言。このプログラムに従っている間は、肉、タマゴ、ミルク、チーズのようなタンパク質の豊富な食品を、野菜やくだものとともに、十分にとること。
月刊ボディビルディング1969年12月号

Recommend