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チャーハン(焼めし)

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月刊ボディビルディング1974年12月号
掲載日:2018.09.08
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野沢秀雄

1.おお!この物価高

 7月の総選挙のときに、田中総理をはじめ、すべての政治家がロのすっぱくなるくらい約束していた物価抑制・インフレ退治。公約が信じられないことくらいは知ってるが、
反対に物価を上昇させ、インフレが進行するような政策がとられてるのは一体どうしたことか・・・。バスや地下鉄・国鉄料金・郵便料金・米や麦の値段・・・。
あがるものばかりで、下がるのは、政府の人気のみ。まったくシラけた世の中だ。

2.頼るものはわが体のみ

「賃金があがるから、仕方がないんだ」と政治家や資本家はいうが、世の中は、給料で生活できる人ばかりではない。たとえば、年金や貯金のほそぼそとした利息で生活している人はどうなるのだ。
昔の水準のままで、月3~4万円で暮すのは楽ではない。朝・昼・夜の食事を含めて、1日1000円くらいの暮しでないとやっていけない。
 会社に勤めている者でも、健康ならばいい。元気に仕事をしている限り、毎年べースアップがあって、ボーナスも出て、大体物価につり合った生活ができるが、それでも健康を害して病気になり、仕事ができなくなったらお手あげだ。
 近ごろアスレチック・クラブに、数十万円もの入会金を払ってトレーニングにくる中高年の人たちが増えているが、仮に、これだけの金を払ったとして、自分の体力と気力が増すならば、その人の年間収入は300万~400万をくだらないから、活躍できる期間が1年間のびるだけで十分に元はとれるという計算だ。おまけにトレーニングにより意欲的な人間になり、バリバリやれば、会社の重役や経営者として、定年など気にしないで生活することも可能になる。
 このようなわけで、健康に関してはお金がかかってもかまわないという人がふえている。たしかに頼れるものは自分の体と、健康しかないのだから、このインフレ時代には賢明なやり方といえよう。

3.自分でつくるスタミナ食

 さて、前書きが長くなったが、今月は独身者のためにチャーハンをとりあげよう。簡単にできて、安くて、しかもカロリーのあるメニューだからだ。
 外食ばかりでは費用もさることながら、内容も貧弱になりがちだ。たとえば、天ぷらうどん。食品分析表では1杯当り380カロリーで、蛋白質12.5グラムあることになっているが、これは10年以上も前のデータだ。
現在の1食分は、うどんやそばは乾燥状態で50グラムぐらいしかない。自分でつくれば、1食分100グラムをゆでるとたっぷりある。また、天ぷらに使うエビも、小さいのが入っている店はいい方で、ひどい店になるとエビが半分で、あとはコロモばかり。
これでは栄養があると思って食べても、期待した半分くらいの効果しかない。
 その点、自分でつくれば、希望する栄養を確実にとることができる。とくに私はフライパン一つを手もとに置くことをいつもすすめている。
 いため物の場合、カロリーが高くなり、同じ量だけ食べても、5割ぐらい効果がアップするからだ。とくにスポーツマンは、練習でエネルギーを使いきるので、このような方法がよい。
 チャーハンは、どこの店でも値段が安いが、これは前日にたいて残ったご飯を利用するからといわれている。ひどい店になると、客が食べ残した残飯をフライパンでいためて出すというがまさかそんなひどいことはしないだろう。
疑いだしたらまずくて食べられなくなる。
 反対に、超一流の店になると、わざわざチャーハン用にごはんを固めにたいて、冷凍庫でパリパリに凍らせてこれを材料にする。これにならって、われわれもごはんを余るくらいにたいておき、冷蔵庫に人れておく。
そうすれば、水分が少なくなって固くなるのでちょうどよい。

4.うまい料理法

 チャーハンは誰にでもすぐできるがおいしくつくるコツは強火でザーザーいためることだ。フライパンにマーガリンまたはライスオイルを引く。自分が食べる量のごはんを冷蔵庫からとり出し、しゃもじでいためる。
このとき同時に焼豚やハム・タマネギなどをまぜこんでもよい。
 全体に油がゆきわたり、焦げた臭いがしはじめたら、火を弱め、トマトケチャップを少々加える。これだけで、とびきりうまい特製チャーハンができあが一り!好みによって食塩・味の素・こしょう・粉末チーズを加えるとよい。
 トマトケチャップのかわりに、カレーのルウ(顆粒や粉末のものがよい)を少量まぜると、スペイン風のドライカレーができる。こり性の人なら、ほしぶどうを少しまぜるとさらにいちだんとおいしくなる。
小麦胚芽や小麦胚芽油を同時に少し加えるのも健康によい。これらのものは、若々しく、強じんな血管をつくるのに役立つものだ。
 おかずには、みそ汁か、スープのほかに、やはりサバの缶詰をおすすめしたい。缶詰食品は、加熱殺菌をおこなうので、心配な保存料や酸化防止剤を使用しないのでもっとも安心できる食品だからだ。

5.カロリー計算

 ふつう、店で食べるチャーハンは、量がたっぷりある店のもので660カロリー、蛋白質15.6グラム、量の少ない店ではこの半分くらいだ。焼豚100グラムいれて自分でつくると、1食分920カロリー、蛋白質59.7グラムになる。
これにサバ缶詰1缶、タマゴを入れたみそ汁、白菜を3枚ばかり。デザートに「なし」1個。これだけでカロリーは1455、蛋白質109.8グラムとなり、300~350円であがるのだから、外食の2倍以上栄養がとれる。
 サバの缶詰のかわりに、納豆やとうふ、チーズ、魚などを取合わしてもよい。私は連続1週間ごはんをいためてチャーハンにした生活を続けたが、腹もちがよく、トレーニングをしない日は1日2食で体調はベストであった。
それだけで高カロリー、高蛋白なのだ。このような知恵で物価高のこの時代をのりこえていただきたい。
月刊ボディビルディング1974年12月号

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