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なんでもお答えします Q&A 1979年1月号

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月刊ボディビルディング1979年1月号
掲載日:2018.09.13

上腕部のスペシャライゼーション

Q ボディビルを始めてから6年になります。その甲斐もあって、最近ではビルダーとしてちょっとは見られるからだになりました。来年はコンテストに出場してみようかと、ひそかに考えています。
ところで、下半身については、県大会なら恥かしくないくらいの筋量はあるつもりですが、上半身にはあまり自信がありません。ことに、上腕部のサイズ不足と形に難点があるように思われます。そのようなわけで、これから当分の間は、上腕に重点を置いたトレーニングをやっていきたいと考えています。現在は、スプリット・ルーティーン(2分割)を採用してトレーニングしていますが、つきましては、上腕のスペシャライゼーションのご指導をいただきたいと思います。
なお、参考までに現在の体位を書き添えておきますが、私の場合、上腕のサイズが全体の比率からいって、コンテスト・ビルダーとしてはどのくらいあればよいのか、その点についてもご意見をお聞かせください。

身長 172cm
体重 73kg
胸囲 116cm(拡張時)
上腕囲 38cm(コールド)
前腕囲 32cm(コールド)
腹囲 70cm(へこませた状態)
大腿囲 61cm(コールド)
下腿囲 40cm(コールド)

(群馬県 大野栄一 会社員 21歳)
A 体位の数字を見るかぎり、かなり立派なからだをしておられるように思われます。地位コンテストなら今のサイズのままでも結構通用するのではないでしょうか。しかし、その上の全国大会ともなるとあなた自身も認めておられるとおり、確かに上腕に最大の難点があるかと思われます。
あなたの場合、コンテスト・ビルダーとして一流になるには、全体的な比率からいって、上腕囲はコールドの状態で41cm以上は欲いと思います。現在のサイズが38cmですから、3cm不足ということになります。この先、腕のサイズを3cm大きくするというのは並大抵のことではないと思いますが、どうか頑張ってください。
それでは、上腕のスペシャライゼーションについてお答えします。
一応あなたくらいの腕になったら、これから先のトレーニングは、より多角的に刺激を与えるように考えて行う必要があると思います。そのような意味で、まず運動種目について述べることにします。

<上腕二頭筋の運動>

○主要な種目
①ツー・ハンズ・バーベル・カール
②ダンベル・カール

○準主要種目
①シーテッド・ハーフ・カール
②インクライン・ダンベル・カール
③ベント・フォワード・カール
④スリー・パート・カール

○比較的長頭に効く種目
①サム・アップ・カール
②ダンベル・インナー・カール

○比較的短頭に効く種目
①ナロウ・グリップ・カール
②ツイスティング・カール(シューバイネイション)

○盛りあがりをよくする種目
①プリーチャーズ・カール
②コントラクション・カール・オン・プリーチャー・ベンチ
③ベント・オーバー・カール
④ニー・カール

<上腕三頭筋の運動>

○主要な種目
①フレンチ・プレス・スタンディング
②フレンチ・プレス・ライイング
③ラット・マシーン・プレス・ダウン
④ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス

○準主要種目
①リバース・ディップ
②トライセプス・プレス・アップ
③デクライン・フレンチ・プレス
④リバース・グリップ・ディップ(手のひらを外側へ向けてバーを握る)

○補助的な種目
①パームズ・ダウン・フレンチ・プレス(アンダー・グリップの握り方でシャフトを握る)
②クロス・オーバー・トライセプス・イクステンション
③ケーブル・トライセプス・イクステンション(エキスパンダーを使って行うフレンチ・プレス。背のうしろにかまえる)
④ワン・ハンド・フレンチ・プレス・スタンディング
⑤ライイング・トライセプス・キック・バック

以上の他にもまだいろいろと腕の運動はありますが、さし当っては上述の運動を参考にしてください。

<トレーニング・コース例>

註:◎印は主要な種目、○印は準主要種目、△は補助的な種目

<1>上腕二頭筋

◎ツー・ハンズ・バーベル・カール
○シーテッド・ハーフ・カール
○インクライン・ダンベル・カール
△サム・アップ・カール
△ツイスティング・カール(シューパイネイション)
△プリーチャーズ・カール

<2>上腕三頭筋

◎フレンチ・プレス・スタンディング
◎フレンチ・プレス・ライイング
◎ラット・マシーン・プレス・ダウン
◎ナロウ・グリップ・ベンチ・プレス
△クロス・オーバー・トライセプス・イクステンション

以上がコース例の1つですが、必要に応じて組み合せを自由に考えてみてください。
また、上腕のサイズとは迫力を増すには、上腕筋の運動も必要があるかと思います。運動種目には次のようなものがありますので、適宜コースに加えてください。

<上腕筋の運動種目>

①リバース・カール
②ダンベル・リバース・カール
③ブレキアリス・カール
④ナロウ・グリップ・チンニング

なお、誌面の関係で運動のやり方を省略しましたが、わからないものについては、6月号増刊「新ボディビル百科」を参照してください。

僧帽筋を発達させるための運動法

Q ボディビル歴は3年4ヶ月です。ふだんはジムでトレーニングしていますが、仕事の関係で忙しいときは自宅でやることもあります。体格はジム内でも多少は目立つくらいにはなりました。しかし、友達からよく僧帽筋が足りないといわれます。そこで、僧帽筋の発達を促すための種目をいくつかご紹介いただきたいと思います。
(大阪市 A・Y  学生 21歳)
A 僧帽筋は三角筋と協応して働くので、三角筋のための運動を行うことでけっこう発達する人もいます。そして、運動種目の面からいえば、サイド・レイズやフロント・レイズ系統の運動が、三角筋の運動の中で比較的僧帽筋に効く傾向を有しているといえます。その他、スタンディング・ローも同様な傾向を有しています。したがって、三角筋のための強化コースの中に、それらの運動種目をもり込むのも、僧帽筋を発達させるための1つの方法といえるでしょう。
では、僧帽筋のための運動種目をいくつか紹介します。

◎バーベル・シュラッグ

バーベルを両ももの前にぶらさげた立位姿勢をとり、両腕を伸ばしたまま、バーベルをぶらさげた状態で両肩をすくめるようにあげる。さらに、あげるだけでなく、前後上下に肩を廻すようにしてもよい。

◎ダンベル・シュラッグ

両手にそれぞれダンベルを持ち、両ももの前にぶらさげて両肩をすくめる動作を行う。バーベル・シュラックの場合と同様、前後上下に肩を廻すようにしてもよい。

◎ラウンド・バック・シュラッグ

背を意識的に彎曲した状態で行うダンベル・シュラッグ。
[ラウンド・バック・シュラッグ]

[ラウンド・バック・シュラッグ]

◎プローン・インクライン・シュラッグ

インクライン・ベンチにうつ伏せに寝た状態で行うダンベル・シュラッグ。

◎シーテッド・シュラッグ

床に座り、両足を前に投げ出した姿勢で行うダンベル・シュラッグ。
[シーテッド・シュラッグ]

[シーテッド・シュラッグ]

以上、僧帽筋のためにはシュラッグ系統の運動がとくに有効であるといえます。他の運動としては、ハイ・プルアップ、ハイ・クリーン、ゆっくりとした動作で行うクリーン・アンド・プレスなど、バーベルをしたから引きあげる種類の運動もかなり有効です。

体力の衰えを痛感、ボディビルでなんとかこれを防ぎたいが

Q 私は45歳です。ボディビルの経験はほとんどありません。25年ほど前、ボディビルが日本ではやり出した頃に1ヶ月くらいやっただけです。したがって、全くの素人も同じです。
ところで、私はこの4~5年来、体力が急激に衰えだし、いささか中年の悲哀といったものを感じています。とくに下半身の衰えが目立ちます。
それで、いくらかでも体力を回復させることができたらと考えてボディビルを始めることにしました。なにせ、この20年間、ほとんど運動と名のつくものをやっていないので、ボディビルのようにウェイトを使って行う運動を始めることにいくぶん不安を持っています。したがって、そのへんのところを考慮した上で、トレーニングのやり方をご指導いただきたいと思います。
器具は、息子(19歳)のために購入したバーベル、ダンベル、フラット・ベンチ、スクワット・スタンドがあります。なお、現在の体位は次のとおりです。

身長 173cm
体重 71kg
胸囲 92cm
上腕囲 29cm
大腿囲 51cm
腹囲 93cm

(千葉市 菅原祐二 会社員 45歳)
A 一般的にいって、40歳代といえば1年ごとに体力が衰えていく年代であるといえます。まして、あなたのように、からだを動かす機会の少ない人の場合には、適当にからだを動かしている人の場合よりも、体力の衰えがめだって速いといえるでしょう。若いときならともかく、あなたくらいの年代になると、からだを動かさないでいると、どんどんからだが錆ついてしまいます。
そのような意味で、ボディビルを始めるというのは非常によいことです。健康法としてボディビルのトレーニングを行うときは、正確にはフィットネスといいますが、いずれにせよ、日課としてからだを動かす機会をつくるというのは大変よいことです。
フィットネスといった意味合いでトレーニングを行う場合は、バーベルやダンベルのウェイトを使った運動を行うだけでなく、柔軟体操やランニングなども含めたトレーニングをする必要があります。
では、トレーニング法のうち、ウェイトを使う運動について説明します。

◎スクワット

スクワットは主として脚・腰・背中を鍛えるための運動です。ボディビルの基礎的な種目ですので、運動のやり方についてはご存じのことと思いますので省略します。

<フィットネスとしての要点>
①運動時の両足の間隔は、肩幅よりもいくぶん狭いくらいがよい。
②ボディビルの場合には、踵の下に敷き物を敷いて行うことが多いが、フィットネスとして行う場合は、できるだけ敷かないようにする。関節などがかたいために、敷き物をしないと正しいフォームで運動ができないような場合は、徐々に敷き物の厚さを薄くするよう努める。

◎ベンチ・プレス

胸・肩・腕(伸筋)の運動で、これもボディビルの基礎的種目ですので、運動のやり方は省略します。

<フィットネスとしての要点>
バーベル・シャフトの握り幅を一定にしないで、たとえば合計3セット行うとしたら、最初の1セットは通常的なグリップの間隔で行い、2セット目、3セット目は、その都度、グリップの間隔を1こぶしずつ狭くしていくといったように行うのがよい。

◎プレス・ビハインド・ネック

<運動法>
普通のスタンディング・プレスのように胸の上あたりからバーベルをプレスするのではなく、首の後ろ側からバーベルをプレスする。このとき、両肘を前方へぶれさせないように留意する。

<効果>
肩と背中。

<フィットネスとしての要点>
バーベルをおろすとき、背の方へできるだけ深くおろすようにする。こうすれば肩や胸のすじを柔軟にするのに役立つ。肩や胸のすじの硬い人は、はじめは広目に握り、慣れるにしたがって、少しずつ狭くするようにすればよい。

◎ダンベル・カール

腕(屈筋)、手首、肩を鍛える運動である。この種の運動は、腕の力が弱くても、やり方によってはかなりの重量でもあがるが、重量にこだわりすぎると、必要以上に反動を使ったりして動作が雑になるので、その点くれぐれも注意する。

<フィットネスとしての要点>
普通、ダンベル・カールといえば手のひらを上に向けて行うやり方を指すが、フィットネスとしてダンベル・カールを行う場合は、いろいろと変ったやり方で実施した方が効果的である。つまり、カールの運動を何セットか行うのであれば、それぞれ1セットごとに変った方法のカールを行うようにするのである。ダンベル・カールの変った運動法にはつぎのようなものがある。

①リバース・ダンベル・カール(手の甲を上に向けて行うダンベル・カール)
②サム・アップ・カール(ダンベルをタテに持って行うカール。つまり、親指を上にしてダンベルを持って行う)
③ツイスティング・カール(手首を廻わしながらカール運動をする。手のひらを上にした状態から伏せるように廻わしながらダンベルをあげる方法と、伏せた状態から上へ向けるように廻してあげる方法とがある)

◎ハイ・クリーン

ハイ・クリーンは、全身運動であり、とくにパワーの養成に効果的である。
[ハイ・クリーン]

[ハイ・クリーン]

<フィットネスとしての要点>
ハイ・クリーンの全身運動としての利点を充分にいかすようにする。すなわち、バーベルを引き上げるときは全身を上方へ存分に伸ばすようにする。また、腕と手首を反えす動作や、おろすときの動作では、重心の位置と身体的な力の分配に留意しできるだけ円滑な感じで動作を行うように心がける。そうすれば、全身的なパワーの強化に加えて、身体の協応性も養われる。

◎シット・アップ
◎レッグ・レイズ

この2種目は、腹・脚を鍛える種目で、いずれもボディビルの基礎的な種目ですので説明は省略します。

◎ヒンズー・スクワット

重量を背負わずに、空身で行うスクワット。両腕を前後に振りながら調子をとるようにして動作を行なってもよい。下半身、腰の運動。

<フィットネスとしての要点>
普通のスクワットと同じ足幅で行なってもよいが、思いきって狭くして行うのもよい。その場合、背と腰が少々彎曲してもかまわない(重量物を背負ってやる普通のスクワットでは、背と腰を彎曲させると腰を痛めるおそれがある)。そのようにすれば、足首や腰、背などの柔軟性を養うのに効果がある。また、踵の下に敷物を敷かないで行い、しゃがんだときに踵を床から浮かさないように留意して行う。

以上、8種類の運動について説明しましたが、さし当たってはこれで十分だと思います。そして、次の述べる使用重量、反復回数、セット数に留意して無理することなく、長く継続的にトレーニングすることが肝心です。

◎使用重量と反復回数

年齢的にいって、余裕のない重要を使用することは絶対に慎むことです。ときおり計画的に試みる場合はともかくとして、通常的なトレーニングにおいては、使用重量、反復回数とも、それぞれ自分の最高能力の1/2、できれば1/3程度に押えて行うことです。

◎セット数

翌日に疲れを残さない範囲で、できるだけ多くする。1セットの反復回数を多くすることは、持久力の養成によいと考えられるが、この場合はセット数を多くしすぎないように注意する。

◎トレーニング・メソッド

別にきちんと定める必要はない。運動種目の順序、使用重量、反復回数を決めないで、気のむくままに、あれをやったり、これをやったりといった調子で、自由にからだを動かすように行えばよい。時間をかけてのんびり行い、セット間に軽い柔軟体操や足ぶみなどをおりまぜて実施すればなおよいと思います。

[回答は1959年度ミスター日本、NE協会指導部長・竹内威先生]
月刊ボディビルディング1979年1月号

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