フィジーク・オンライン

岡田隆 追求そして、石井直方教授との出会い #2

この記事をシェアする

205
掲載日:2017.03.28

研究、理学療法、トレーナーの3足のわらじを履く

記事画像1
まずはリハビリをしっかりとできるようになるには、理学療法士としての勉強をしないといけませんし、日体大で出来ることも同時に考えたときに、日体大ではスポーツ医学の研究室で卒論を書いたんですよね。そして、大学院にも行けと言われていたのですが、やはり現場に出たいという気持ちが強く、理学療法の専門学校に行くことにしました。

専門学校はとても良かったのですが、やはりスポーツの現場に出る人を養成するところではないんですよね。理学療法の専門学校は主に医療技術者を養成するところですのでみんな病院に就職するんですよね。シニア等の機能改善などが中心で僕にはやっぱり、それだけでは足りないなと思ったんですよね。

それで、理学療法士の専門学校に夜間4年間通っている間(2年次、3年次)の時に日体大の修士課程に通って、現場に出る準備と研究を同時にしてみたいと思ってダブルスクールをすることにしました。

色々と考えてダブルスクールをしていたのですが、まあ、理学療法士も柔道と同じで高校を卒業して直ぐに始めている人がいますよね?大学を出てから通った僕はその時点でもう遅れているんですよね。普通に勝負したら負けなんですよ(笑
だから何か新しいことをしないといけないという思いで、「じゃあ、昼間大学院に行って、日体大で学んだことをより深めて、理学療法との融合を図れば強みが出る」と思って大学院にも通いました。

実際初めてみると、大学院に行って、専門学校に行って、専門学校に行って、また大学院に行って家に帰るっていう生活がとても大変で、、、 
何とか時間を作りたい、無駄な時間を省きたいって考えていて、ふと気付いたのが、日体大の柔道部の合宿所って本当にすぐそこにあるんですよ。大学のすぐ近くに、、、 それで、すぐに柔道部の監督に頼みましたね「トレーニングを見るから住まわせてくれ」って(笑

それから学生と一緒に合宿所に住まわせてもらって学生のトレーニングの指導をしていましたね。朝練の指導をして、昼間大学院に行って、夜は専門学校に通うって生活をして、なんとか移動の手間を抑え、現場経験も同時に積んで、研究も平行して行っていました。

合宿所にはそれはもうガッツリと住んでまして、、、でももちろん凄く狭い、3畳ぐらいですかね。その中に全てを詰め込んで2、3年間ぐらい住んでましたね(笑

石井直方教授との出会い

実は一度病院に勤務していたことがあるんですよね。実地もしてみたいという思いが少し芽生えてきて、理学療法の専門学校を卒業後病院で少し働いてみたのですが、やはり病院は高齢者のリハビリ、機能改善などが多くて、、、

それもとても大事なことだとは思いますが、僕はそれをやるために理学療法士になったわけではないので、経験を積んだら直ぐに次のステージに行きたいと考えていました。

僕の中で現場に出たいという気持ちと、とことん勉強して、更に上の高いレベルで教えられる指導者となっていきたいという気持ちがあって、後者の思いが強くなりもっと深く勉強して、研究能力も高めないといけないと考え東大の石井(直方)先生のところに行くことにしました。

僕は東大の研究室では体幹筋のトレーニングを研究してました。その前の修士課程のときには体幹の怪我(腰痛)の研究をしていたのですが、腰痛の研究の限界も同時に感じていたんですよね。なんというか、、、まずは大前提として僕らは医者じゃないんですよね。医者じゃないので出来ることも限られているのが1点と、一口に腰痛といっても、例えばヘルニアがあったり、分離症があったり、骨が欠けていたり、椎間板が少し傷んでいたり、全く何も傷んでいない別の原因の腰痛があったりと、、、とにかく色々なパターンがあるんですよね。

それで、腰痛の人100人連れてきて研究をしましょうと言っても、100人集めることがまずは難しい。それでは、20人をなんとか集めてきたとしても先程言ったパターンの人がいるので、同じパターンの人なんて、もうほとんど存在しないんですよ、、、

そうすると被験者の質が、もう全然バラバラで、、、何を見ているか、何をどう比べているのか分からないってなってしまうんですよね。
っていうところで、これはそもそも怪我とか病気の研究をするのは医者の仕事であって、僕ら体育とかトレーナーの仕事はもっと違うことを考えなきゃいけない。別の出来ることがあるはずと思って、「腰痛にならない筋肉の作り方」を研究しようと思ったんですよね。

体幹筋の鍛え方を分かれば腰痛になりにくいし、なった後のリハビリにもとても有効的に使えるんですよね。これは、医者の仕事じゃない、腰痛になるのを防げる研究だと考えて研究していました。


石井先生は当時からとても忙しかったのと、僕が修士課程も終わっていて、社会での仕事の経験もあり、理学療法士の資格も持っていて、さらに海外の学術誌に論文も出していたので、先生は多分僕が出来ると思われていたようで、、、基本自由に放置されてましたね。何でもやっていいからと(笑

でも、今となってはそれが凄く良かったと感じています。勉強会では石井先生の一言一言聞き漏らさないようにして、自分の研究は自由に突き詰める感じです。

研究していたことを簡単にいうと体幹筋を鍛える研究で、主に背筋の中の更に細かい筋肉がいくつかあって、例えば背骨の「ぐらつきを抑える」ための筋肉とか、背骨を「しならせる」筋肉はどのように働いているのかというような研究です。要は深層筋の動き方の研究ですね。深掘りしていくととても学びが多かったです。

また体作りに必要な食事や栄養なども、自分でトレーニングを行いながら同時並行で知識を得ていきました。いろいろな人と引き合わせて頂く機会もとても多いので、その中で話を伺いながら知識を溜めていった部分も多いですね。

再び指導者の道に

そして、東京大学院の博士課程を出て医療従事者の養成大学に招かれたのですが、実はその大学は理学療法の専門学校と同じ学校法人だったんですよ。そこで、大学院をでたら、是非来てほしいと言われていたんですね。
そこはまだできたばかりの大学で、設立3年目くらいの時に着任しました。ですので作り上げてきたという思い入れはあります。小さい大学なのでスポーツも強豪校とはいえるものではありませんでした。そこでは、主にトレーナー教育をしていました。もちろん柔道部の指導も行っていました。
また、大学外の仕事もいろいろとやっていて、当時は水球の日本代表のトレーニングだったり、リハビリだったりも行っていましたね。


少し話が脱線しますが、最近良く聞かれる質問に「スポーツ(競技)によって鍛え方とか、トレーニングって全く違いますか??」って言うものがあるのですが、実はほぼ同じなんですよね。全く違うものだというイメージがあまりにも強すぎて、迷走しているのが今の日本のトレーニングの大きな問題点の一つじゃないですかね。人間の体は一緒ですからね。あと、「アスリートの筋肉と、ボディビルダーの筋肉は違う、使えない筋肉」って言うのと同じ類ですよね。一緒ですから(笑
岡田氏のデスクの上にトレマガを発見!!

岡田氏のデスクの上にトレマガを発見!!




■岡田隆スペシャルインタビュー
岡田隆 トレーニングとの出会い #1

岡田隆 追求そして、石井直方教授との出会い #2

岡田隆 柔道代表チーム合流と当たり前のトレーニングとの葛藤 #3

岡田隆 トレーナーを隔てる、フィジカル系とボディメイク系 #4

岡田隆 7階級メダル獲得もテンションが上がらないリオ オリンピック #5

岡田隆 制限の中でのトレーニングとトレーニングの重要性 #6

岡田隆 TVと栄養、そして東京オリンピックへ #7


■岡田 隆(オカダ タカシ)
日本体育大学 体育学部 准教授
第50回日本社会人ボディビル選手権大会 男子無差別級 優勝
第22回東京オープンボディビル選手権大会 男子70Kg以下級 優勝
日本オリンピック委員会 強化スタッフ
文部科学省 スポーツ功労者顕彰
JATI-AATI
NSCA CSCS
柔道四段

■SNS
facebook
twitter
blog

Recommnd