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自宅でボディビルダーを目指そう!!0円から始めるホームボディビル 第7回 ダンベルを使ったホーム・トレーニング〈その4〉

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.08.01
今回はお待ちかねの上腕のエクササイズに入ります。特にダンベルの使用は細かい腕の動きに対応でき大変有効です。肘を曲げて力瘤を見せるポーズは世界中で力を誇示する最もポピュラーな表現であり、また日常生活の中でもよく目立つボデイ・パーツなので誰でも格好良く発達させたいと思う筋肉ですね。太い腕を作るにおいてまずはこの上腕二頭筋から追究してみましょう。
筆者紹介
川島英博(かわしま・ひでひろ)
1948年8月2日生まれ/O型/(株)ヘルスプロデューサー代表/トレーナー・鍼灸・整体師・通訳/「からだ工房」でスポーツ故障者の治療をする傍ら大手スポーツクラブで治療とパーソナルトレナーの両方で活躍している。著書に『ザ・ウエイトトレーニング』『筋力トレーニング』『ボディビル百科事典(弊社より近日発刊予定)』がある。
記事画像1

ダンベル・ツーハンズ・スタンディング・カール(上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、前腕屈筋群)

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初めて筋トレを始める時、誰でもまずはこのダンベルによるカール種目から入るといっても良いほどポピュラーな種目ですね。肩幅くらいのスタンスで立ち、手の平を前に向けて両手にダンベルを持ち、肘を伸ばして体側に構えます。そのまま肘を曲げ、ダンベルをゆっくりと肩の高さまで持ち上げて肘を完全に屈曲させたあと、元へ戻します。動作中、肘の位置はなるべく移動させずに上腕二頭筋の収縮のみによってゆっくりとカールするようにし、また、下げる時のスピードは早くなりがちですが、少なくとも上げる時と同じか、ややスローに下ろしていき、上腕二頭筋のネガティブな収縮を感じながら動作をするのを基本とします。

〈回数・セット数〉10~15回×2~3セット

※追い込み法
動かなくなってから腰の前後の反動を利用して数レップス繰り返します。反動は最小限とし、あくまでも上腕二頭筋の収縮によって持ち上げるよう努力します。※バリエーション手の平を前に向けるだけでなく、少し前腕を内側へ向けて(回内)行なってみましょう。上腕二頭筋・長頭や腕橈骨筋に刺激が移行するフォームになります。また終始親指を上に向けた状態で行なうと(サム・アップ・カール)、前期の筋肉群の使用割合はさらに増大し、完全に手の平を下に向けて(回内)行なうと上腕二頭筋は大きく関与せず、ほとんど上腕筋や腕橈骨筋のみで動作を行なうので、これらの筋群の発達に有効です(リバース・カール)。

ダンベル・スタンディング・オルタネイト・カール(シュピネイテド)

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肩幅くらいのスタンスで立ち、ツーハンズ・カールと同じように手の平を前に向けてダンベルを体側にぶら下げて持ち、片方ずつ交互にカールするわけですが、片方が動作している間は反対側を下垂させて休めているようにします。手の平を上に向けたままカールをしても良いのですが、片手ずつ行なうダンベル・エクササイズのメリットを生かして、手首の外側への返しを行なってみましょう。上腕二頭筋は肘を曲げるだけではなく、前腕を強く外側へ回旋させる(回外)働きも大きいので、全ての能力を発揮させるには肘を曲げると同時に手首の外側への返しを行なうと最大に収縮させることができ、また非常に効果的です(スピネーション)。

〈回数・セット数〉10~15回×1~2セット

※追い込み法
正確な動作が要求されるエクササイズなので、チートをせずストリクトで行ないましょう。動作が限界に来た時にはそのまま終了した方が良いです。

※バリエーション
①両手を体の方に向けた状態からスタートします。
②片方を下げると同時にもう片方を上げる連続した動作でオルタネイト・カールを行ないます。やや動作スピードが速くなるので、パンプアップを目的とした追い込み用として最終のセットで行なうと効果的です。反動をつけ過ぎて動作が雑にならないように注意が必要です。

※片手ずつで行なうと、両手同時の場合に比べて左右の手への集中が行ないやすく、また捻りや横への重心のわずかな傾斜が可能になるので、細かな動きが加えられるメリットがあります。ただしこのメリットを正確に生かせるようになるにはある程度時間をかけてダンベルのコントロールに慣れる必要があります。

※一種のピーク・コントラクションになるので、上腕二頭筋の収縮時の緊張を強くし、ポージングの際における前腕の回旋のマッスル・コントロールの練習にもなります。

ダンベル・コンセントレーション・カール

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ベンチに浅く座って両膝を開き、肘を伸ばして片手にダンベルを持ち、同側の膝の内側に肘を当て、動かないように固定させてスタート・ポジションとします。このまま肘を曲げていき、最上点に達したらゆっくりと元の位置に戻します。肘が固定され、片手で上腕二頭筋を集中(concentration)して鍛えられるのでこの名前があります。上腕がほぼ下垂しているので、スタート時の抵抗は少ないものの、フィニッシュにおける筋の最大短縮時とウェイトの抵抗値が増す時点とがほぼ重なるため、収縮感が強まります(終動負荷)。いわゆるピーク・コントラクションの一種で、上腕二頭筋をフレックスさせた時の収縮感を養うのに適していますが、一般的にポージングでの上腕二頭筋のピーク(高さ)作りに効果があるともいわれています。

〈回数・セット数〉10回×2~3セット

ダンベル・コンセントレーション・カール(エルボー・オン・ザ・ニー)

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身体の構えは通常のコンセントレーション・カールと同じですが、ダンベルを持った方の肘の大腿部に当てる位置がやや上方で、肘を大腿部に半ば乗せるように置いてスタートします。肘の固定度が強まり、上腕が垂直ではなく最初から斜めに立ちあがっているためにスタートから抵抗が得られ、上体を後へ倒すことによって力の出し方が増強できるので、重いウェイトを扱えるようになります。したがって上腕二頭筋の集中したバルク・アップにて適する上に細かいバリエーションやテクニックの使用も可能になる種目です。

※追い込み法
・屈んだ上半身の上下のあおりを使って数レップスを繰り返します。
・支点として、肘を置いてある方の膝を左右に動かして肘を曲げる動作の補助にします。
・動きが止まってから反対側の手で動作側の手または前腕を持ち上げ、補助をしながら数レップスを繰り返します。

※バリエーションカールする方向を変えてみましょう。手を顔の方に向けてカールすると上腕の外側(長頭)へ、反対側の肩の方向に持ってくるとやや内側(短頭・烏口腕筋)へ刺激が移行します。また動作中スタートから親指をやや上に向けると上腕の外側へ、小指側を立てて行なうとやはり内側へ刺激が移行します。

〈回数・セット数〉6~10回×2~3セット

21カール

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世界で最初に21インチの上腕を作ったといわれるリロイ・コルバートが多用したことで有名になったバイセップス・エクササイズのテクニックです。肘を曲げる角度を別々に分け、これらを①伸展から90度まで②90度から全屈曲まで③伸展から全屈曲まで(フル・カール)の3種類とし、これらを各角度につき連続7レップスを①②③の順に続けて行ない、合計21レップスを1セットとするやり方です。各角度における上腕二頭筋の収縮の特徴を追及した上に連続して追い込むので非常に優れたトレーニング方法といえます。ただし大変きついセットなので、後半以降はチーティングを使う傾向にあるため、できるだけストリクトに行なえるように強い意識を持って最後まで集中して行なうことが大切です。

〈回数・セット数〉21回×2セット

※追い込み法どうしても21回まで続けにくい場合は、少し腰の反動を利用して所定回数を遂行しますが、筋力がつくにしたがってできるだけストリクトで行なえるようにしていくように努力をしていきます。

※バリエーション
①②③の順を入れ替えます。自分の苦手なパートを最初に持って来ても良いですし、逆にあとに回してさらに厳しい形式にして鍛える方法もあります。

※肘角度をさらに1/2細分化して全可動域1/4ずつの4パーツにする方法もあります。①上部1/4から全屈曲→②1/2から全屈曲→③3/4から全屈曲→④全伸展から全屈曲と各7回ずつ計28回続けて行なう方法もありますが、非常にきついので軽量でも1セットで充分なパンプアップが可能です。

ワンハンド・ベントオーバー・カール

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下げたダンベルの重量の方向が真下になるので、上腕二頭筋に対しては肘を曲げる方向(前方)への抵抗が0からのスタートとなり、肘を曲げていくにしたがって抵抗値が増えていく過程をとります。そして最上点のフィニッシュで意識的に上腕二頭筋を強く収縮させるよう努力をします。抵抗値の最大と収縮の終了点とがほぼ一致し、ピーク・コントラクションを得るのに効果的といわれています。

動作中、垂直より後ろへ肘を引かないように注意が必要で、反対に少し前へ押すような意識を持ちながらカールをしていきます。

〈回数・セット数〉10~15回×2~3セット

※追い込み法最終的には少し前後にスイングしてレップスを続けても良いです。

マービン・カール

記事画像10
往年のミスター・アメリカであったマービン・イーダーが、彼のキレのあるバイセップスをこのエクササイズで作ったと紹介されたためにこの名前がつきました。肩幅より少し広いスタンスで膝を軽く曲げて立ち、上半身をやや後傾させて片手にダンベルを持ち、肘を腰骨(上前腸骨棘)の上に乗せます。この状態から肘を曲げてカール動作を行ないますが、肘はずっと腰骨につけたままにしておきます。立った状態でその上に肘が固定されたままのカールになるため、動作中上腕二頭筋の緊張が解けることなく持続するので、特殊な強い刺激を受けることができます。軽いウェイトでも有効なのでホーム・トレーニングに適し、また肘の固定という面では、プリーチャー・ベンチがない場合の代用としても使えます。

〈回数・セット数〉10回×2~3セット

※追い込み法最終レップスで上半身の上下の反動を利用してレップスを続けます。

スタンディング・サイド・カール

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片手にダンベルを持ち、肘を体側につけて直立し、そのまま身体の外側方向へダンベルを巻き上げていき、ゆっくりと下ろします。肘は終始体側につけておき、肘を完全に伸展させてからカールします。いわゆる上腕二頭筋のストレッチ系のエクササイズの中で、立ったまま行なえます。他の種目でパンプアップをしたあとの仕上げとして軽量で最後に1~2セット行なうと上腕二頭筋がより伸展し、結果としてフレックスした時の立ち上がりを良くするともいわれています。上体をカールする方向と反対側へ傾けると伸展度を強くすることができますが、動作はゆっくりと丁寧に行ない、反動をつけずに行ないます(掲載写真は初心者用に手を前方に下ろしたものですが、経験者はもっと外側方向へ持って行って強く伸展しても構いません)。

〈回数・セット数〉10~15回×2~3セット

※追い込み法このエクササイズは上腕二頭筋等の伸展度が強く、関節等への負荷もかかるので、フォースド・レップスは行なわず、動きが停止した時点で終了とします。

※注意
今回ご紹介した上腕二頭筋の運動は、安全と簡易性を考慮して全てが立位か座位の種目になりましたが、他にベンチに寝て行なうカール種目があります。上腕が身体の長軸のラインから外れ、上腕(肩関節)の位置が大きく前後方向に変化するものが多く、どちらかというとアドバンス系に属するといっても良いかもしれません。機会があればご紹介したいと思います。

腕を逞しくしたいのですが、上腕二頭筋とはどんな筋肉ですか?

 上腕二頭筋はよくご存じのように上腕の前にある、いわゆる〝力こぶ〟と称される部分の筋肉ですね。肘を曲げる作用をすることで良く知られていますが、実際はもっと多くの機能があり、また肘を曲げる筋肉は他にもあるため、これらの発達も全体的なバルクを作る上に必要なので、ここでその形状や働きを少し整理して見ておきましょう。
 
《上腕二頭筋》

○この筋は上腕にある紡錘状の長い筋肉です。特徴としてその起始が2つに分かれているので、名前の通り二頭筋と呼ばれていますが、ここでその両端の起始・停止の位置を確認しておきましょう。

〈起始→停止〉
長頭…肩甲骨の関節上突起→橈骨粗面(上腕二頭筋腱膜)
短頭…肩甲骨の烏口突起→橈骨粗面(上腕二頭筋腱膜)

 このように上腕二頭筋は外側の長頭と内側にある短頭の二頭に分かれており、各々起始部が違うので、次の特徴が出てきます。

○肩関節において、長頭の起始は肩関節の関節包内を通っているので関節の安定に関与し、また外転作用も行ないます。一方短頭の起始は烏口突起という内側にあるために内転作用もします。両頭とも停止部に向かって合流して、肘関節をまたいで橈骨粗面に停止しているので、上腕二頭筋は肩関節と肘関節をまたぐ二関節筋となります。したがって上位にある肩関節の位置や動きによって上腕二頭筋は、肘を曲げる力の発揮に影響を受けることになります。

○停止部の橈骨粗面では、腱が橈骨の内側へ糸巻きのように回り込んで付着しているので、上腕二頭筋の収縮によって橈骨を回転させることが可能です。すなわち上腕二頭筋は肘関節を屈曲させるだけでなく、前腕を強く回外(手の平を上に向ける=スピネーション)させる能力をも持っていることになります。

※橈骨体はほぼ三角柱状ですが、肘近くの頭の部分だけが巻きテープのように円盤状になっていて、平行して隣接する尺骨の頭にある小さな溝(尺骨切痕)の周囲を円いギアのようにターンしながら回る特殊な関節(車軸関節)を作っています。これによって肘関節内では橈骨が回転できるようになっています。

※上腕と前腕を結んでいる肘関節には、細かく分類すると腕尺関節(上腕骨―尺骨)、腕橈関節(上腕骨―橈骨)、上橈尺関節(橈骨―尺骨)の三つの関節がありますが、各々の関節部位において屈曲運動(蝶番運動)と回旋運動は互いに独立して行なうことが可能です。

○上腕二頭筋に関するその他の特徴
・紡錘状筋(平行線維)の上腕二頭筋は、肘を曲げて収縮させると起始

・停止が大きく近づくこともあり、筋腹中央部の(解剖的)断面積が増え、立ち上がりが大きく目立つ筋肉です。

・紡錘状で筋長が長いので、可動域が大きく、また速く動作することが可能です。

・個人差に関係しては、筋腹が長い人ほど大きな力を発揮でき、短くて腱が長めだと速い動きに適する傾向にあります。また前者はバルク型に、後者は高いピークを持つ上腕二頭筋になりやすいとも言われています。

・肩関節の位置にもよりますが、肘関節が約90度のあたりから大きな筋力を発揮でき、また回外力も増す傾向にあります。

・手の平を下へ向けた前腕の回内状態(オーバー・グリップ)では、橈骨が上腕二頭筋腱を内側へ巻き込むため、上腕二頭筋は充分に働くことができません。この場合の肘の屈曲運動では上腕筋と腕橈骨筋の2つが主に働きます(リバース・カール)。

・長頭は上腕二頭筋をフレックスさせた時の縦方向の高さ(ピーク)を形成し、短頭は横方向へのバルク作りに関係すると言われています。※腕橈骨筋は前腕の外側に沿ってよく見えるので、その発達は望まれる所ですが、その働きは特殊で、橈骨神経支配で前腕の伸筋群に属していながら実際の作用としては肘関節の強力な屈筋としての作用をするという、ちょっと変わった筋肉として知られています。

《上腕筋》

○上腕筋は肘の(前腕)の強力な屈筋で、起始・停止は次のようになります。

〈起始→停止〉
上腕骨の外側前面→尺骨粗面

○これで判るように、上腕筋は肘関節のみをまたぐ一(単)関節筋と言えるので、肩関節等他の影響を全く受けず、また回転しない尺骨につくため、回内、回外にも関係なく純粋に肘関節の屈曲のみを受け持つ筋肉です。

○上腕二頭筋が作用しにくい受動短縮位や伸展位等の関節角度からの屈曲動作では、大きな主力筋ともなります。

○上腕二頭筋に表層を被われているので、収縮の動きは外からは判別しにくい筋肉です。

※上腕筋は上腕前部の筋肉特に肘に近い部分のバルク形成には重要です。この筋を発達させるダンベル種目としては、親指を上にしたハンマー・カールやゾットマン・カール等があります。

《烏口腕筋》

 上腕の屈筋群には他に上腕上部にある烏口腕筋がありますので、参考のためにご紹介しておきます。

 起始→停止は、肩甲骨の烏口突起→上腕骨の内側前面 となり、上腕二頭筋・長頭の下を走り上腕骨(肩関節)の内転や屈曲を行なうが小さい筋であるので、その作用は弱いです。特別にこの筋のための種目をしなくても、他のプル・エクササイズ等でも副次的に発達させることができます。
 
※筋肉の両端にある骨などへの付着部を起始・停止といい、動きが小さいか固定されている方を起始といい、大きい方を停止と呼びます(動きのパターンによっては呼び方が逆転することがありますが)。ほとんどの場合身体の中心に近い方が起始になることが多いようです。

※日常生活の中での多くの手の表現や細かな動作は、さまざまな角度の屈曲位で行なわれることが多く、上腕屈筋群の筋肉は上腕伸展筋(上腕三頭筋)に比べて複雑な動作が可能な構造になっています。したがって普段のトレーニングにおいても、さまざまの方向から刺激を変えて発達させる必要がある筋肉群でもあります。

カール種目の解説書を読むと〝手首を捻る〟という言葉が出てきますが、どういうことをいうのでしょうか? またどうして必要なのでしょうか?

 前項で紹介したように、上腕二頭筋は肘の屈曲だけでなく、同時に前腕を強く回外(下を向いた手の平を上に向ける)する働きをします。

 カール種目で肘を曲げてダンベルを持ち上げるだけでも上腕二頭筋は力を出して収縮しますが、この時にフィニッシュになるにしたがってさらに前腕を外側へ捻ると、最大の筋収縮を得ることになり、より強い刺激を上腕二頭筋に与えることができるわけです。特にダンベル・エクササイズではこのテクニックがよく使え、またウェイトの重さではなく正確なフォームの方が大事なので、器具や重いウェイトが少ないホーム・トレーニングにはこの方法は適しています。

カールをする時のダンベルの効果的な持ち方はありますか?

 一般的には普通にまっすぐ握って全ての動作をすれば良いのですが、場合によっていくつかのテクニックを使う場合があります。
 
①まずスタートでウェイトを真下に下ろしている場合は、前腕・上腕ともに垂直線上にあるので抵抗の方向も真下になり、カールのための初期負荷が得られにくいので、手首を屈曲(掌屈)することにより、少しでも前方へウェイトを移動させておくと方向が変わり、始動がしやすくなります。

②運動中リスト・カールのように手首の屈曲動作を入れるというテクニックがあります。ウェイトが最下点にある時に手首をいったん後ろ(背屈)へ反らせておき、リスト・カールのように手首を内側へ返して(掌屈)、その慣性のリズムに乗って前半のカール動作を行なうものです。後半のレップスになっても動作をスムースにまた途切れなくリズミカルに動作を続けられ、また前腕の同時発達も期待できます。

※これは初代(1965〜66年)ミスター・オリンピアのラリー・スコットがよく提唱していた方法で、特にスコット・プリーチャー・ベンチ・カールの場合には必ずこれを行なうようにセミナーなどで指導していました。彼のあの特有な形の大きな上腕二頭筋はこの種目と方法で作られたとして有名で、また前腕の大きさも群を抜いて大きく発達していたので、バリエーションとしても一度試してみてはいかがでしょうか?

※以前、手首を後ろへ返したままのカールが何かの折に紹介されたことがありますが、バルクアップのためのテクニックとしては、現在では実施者はあまり見られなくなったようです。これは手首に負担がかかる場合があるのと、重いウェイトを扱いにくいためとも思われます。

レップスを繰り返して苦しくなった時や重いウェイトを持つ場合には、腰などの反動を使ってカール動作をするチーティングを使いたくなるのですが、これはいけないのでしょうか? 

 主に一つの関節を中心にしたアイソレート系の種目では、反動をつけないストリクトな動きがまずは基本とされることが多いですが、今回の上腕二頭筋は各関節角度によって、発揮される筋力が少なからず違ってきます。したがって他の筋肉にも言えることですが、弱い角度での筋力に合わせたウェイトのみの使用では、強い角度では弱すぎて抵抗値が不足してしまいます。この場合、積極的に筋力をつけるには強い方の抵抗値をメインにして選ぶべきですが、この場合弱い部分に関しては反動を利用して通過させるようにするとフル・レインジで動作ができ、またどの関節角度においても有効な強い刺激を得ることができます。これは一例ですが、反動を利用して最初から重いウェイトを使用してチーティング・カールをすることも構いません。

 楽をするためのチーティングはNGですが、マッスル・コントロールに慣れたトレーニーがレップスを追い込むためや強い刺激をさらに得たい場合のテクニックとしてのチーティングはOKで、おおいに利用してバルクアップを狙っていきましょう。ただし主働筋である上腕二頭筋の緊張が動作中に抜けないように強く意識を集中して行なうことが重要です。

パーシャル・ムーブメントを使ってみたいのですが…。 

 初心者の間は、カール種目のスタートからフィニッシュまでを連続した1動作として1レップとする方法を基本として良いのですが、上腕二頭筋は動きが大きく、また肘の屈曲角度の移動感覚的が非常に分かりやすい筋肉なので、経験者でなくても少し慣れてきたら動きを部分的に分けるパーシャル・ムーブメントをバリエーションとしてトライしても良いでしょう。
 
①追い込み方法としてフル・レインジで動かなくなったあと、まだ動ける肘角度が直角前後30〜40度の間だけのパーシャル・レンジを数レップス繰り返します(burns)。

②最初から重いウェイトを使用し、強い力を発揮できる90度を超えた角度の間だけを6~8回以上繰り返します(heavy curl)。

③各関節角度を区分し、それぞれ数レップス連続して行ないます。肘を伸ばしたスタート・ポジション、90度に曲げたミッド・ポジション、完全に曲げたフィニッシュ・ポジションの3つの角度を基準にすることが多く、これら2~3ポジションを各6~8レップス続けて行なう努力をします。連続して強い刺激を受けるので、短時間でパンプアップが得られるメリットがあります。

※カール動作での肘が伸びきったスタート・ポジションでは、上腕二頭筋の収縮力も充分ではなく種目によっては肘関節の負担も大きいので、肘を10度ほどほんの少し曲げた状態をスタート・ポジションとしても構いません。伸展位での刺激やストレッチ感を得たい場合は、ごく軽めのウェイトで、セットの最後にゆっくりと注意深く行なうと良いでしょう。特に女性の場合は肘頭(尺骨の頭部)が小さく、関節面の彎曲も浅いために肘関節が直線より後方へ反って過伸展している場合があるので、この時も気をつけて少し肘を曲げた状態からスタートするようにしましょう。



 上腕二頭筋は筋肉や腱の付き方などが人によって微妙に異なる傾向があり、筋肉の個性が出やすいボデイ・パーツともいえますが、その持てる筋肉量を満遍なく最大に発達させることは勿論可能であり、自分の筋肉の特徴を生かしながらオンリーワンともいえる際立った素晴らしいバイセップスを作ることは決して夢ではありません。

 その目標に向かって様々なトレーニング・テクニックに日々挑戦しながら努力を続けて山のようにそびえ立つ大きな上腕二頭筋を構築していきましょう。

 KEEP LIFTING!!


(Model=穴沢基樹)
[ 月刊ボディビルディング 2013年3月号 ]

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