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<ベンチプレス>高頻度トレーニングの導入② ~メイントレーニングとサブトレーニングの重量設定~

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掲載日:2017.02.14
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メイントレーニングとサブトレーニングの重量設定

通常のやり直しでは、セットベストの重量から-10kg、もしくは-20kgで開始しますが、高頻度トレーニング導入のためのやり直しでは、基本的に-20kgから開始することになります。メイントレーニングのセット重量はセットベスト重量である120kgから-20kgした100kgから、サブトレーニングのセット重量はセットベスト重量である105kgから-22.5kgした82.5kgから始めることになります。サブトレーニングでの-22.5kgというのは「2日連続の疲れた状態でのセットベスト」と本来のセットベストの重量差を2.5kgと仮定し、さらにそこからやり直しの-20kgを合わせることによって求められています。

「本来のセットベストと2日連続の疲れた状態でのセットベストが2.5kgしか変わらないのはおかしいのでは?」と思うかもしれませんが、高頻度トレーニングに適応できた場合、オフの日の後と2日連続でトレーニングを行った時の重量差はほとんどの人で2.5kgしかなく、人によっては全く変わらない、オフを取らない方が挙がるという人もいます。

中には5kgの重量差が出る人もいますが、そのほとんどがメイントレーニングの日のトレーニング量が多いことによるもので、メイントレーニングのトレーニング量が適切であれば、通常は2.5kgの重量差になってきます。

重量を上げるタイミング

【表1】やり直しを活用した高頻度トレーニング導入の具体例

【表1】やり直しを活用した高頻度トレーニング導入の具体例

通常のやり直しでは、セットクリアする度に毎回重量を2.5~5kgずつ上げていきます。これに対して高頻度トレーニング導入時には、「回(日)」ではなく「週」で考え、その週のトレーニングのセット重量を、セットクリアできたかどうかに関わらず固定にします。表1の場合だと、1週目のメイントレーニングの重量は月曜日・木曜日の両方でセットクリアした場合に、次の週からセット重量を5kg上げて105kgに。サブトレーニングの重量も火曜日・金曜日ともに82.5kgを扱い、火曜日と金曜日の両方でセットクリアした場合に、次の週からセット重量を5kg上げて87.5kgとしています。

メイントレーニングとサブトレーニングはそれぞれ別々で考え、「メイントレーニングでセットクリアしたが、サブトレーニングでセットクリアできなかった」という場合は、次の週からメイントレーニングの重量だけを5kg上げ、サブトレーニングはそのままの重量でトレーニングを行うことになります。

セット数とセットクリア条件

やり直しを活用した高頻度トレーニングの導入時も、通常のやり直しと同様にセット数とセットクリア条件の難度を上げてトレーニングを行うことになります。
表1の場合だと、メイントレーニングであれば、本来のセット数が2セットで、セット重量がセットベスト-20kgのときに5セット、-15kgのときに4セット、ベスト-10kgのときに3セット、そしてベスト-5kgのときに本来のセット数である2セット。サブトレーニングであれば、本来のセット数が3セットで、セット重量がセットベスト-22.5kgのときに5セット(セット数が多くなりすぎると疲労がたまるため、ここでは5セット)、セットベスト-17.5kgのときに5セット、セットベスト-12.5kgのときに4セット、そしてセットベスト-7.5kgのときに本来のセット数である3セットとなっています。

ただし、すべてのトレーニングでセット数とセットクリア条件の難度を上げるわけではありません。メイントレーニングの2回目(木曜日)とサブトレーニングの1回目と2回目(火曜日・金曜日)のセット数とセットクリア条件の難度を上げ、メイントレーニングの1回目(月曜日)のセット数とセットクリア条件の難度は上げずに、本来のセット数とセットクリア条件でトレーニングを行います。

メイントレーニングの1回目(月曜日)は、本来のセット数で、ある程度余裕を持ってセットクリアできる予行演習のトレーニング。メイントレーニングの2回目(木曜日)が、セット数とセットクリア条件の難度を上げた、次のステップ(重量)に進むための本番のトレーニングという捉え方となります。

また、メイントレーニングの1回目(月曜日)の疲労度が低く、比較的疲労の少ない状態でサブトレーニングの1回目(火曜日)を行えるため、メイントレーニングと同様にサブトレーニングも1回目(火曜日)が予行演習となり、2回目(金曜日)が本番ということになります。
  • ベンチプレス 基礎から実践 ベンチプレスが誰よりも強くなる(VOL.1)平成23年9月1日初版1刷発行
    著者:東坂康司
    監修人:児玉大紀
    発行人:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社


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