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長期プログラム作成の際には長期的な超回復(マクロサイクル)を考慮する

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掲載日:2017.04.12
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ポイント2-24.
長期プログラム作成の際には長期的な超回復(マクロサイクル)を考慮する

図2-14. 長期的な超回復の模式図

図2-14. 長期的な超回復の模式図

長期的なプログラムを作成する際には、数日単位のサイクルで起こる短期的な超回復だけでなく、複数の短期的超回復がまとまって、数週間や数か月単位で起こる中長期的な超回復を考慮すると効果的です。

合宿における練習やトレーニングなどでは、一定の期間集中的にトレーニングを行うために一時的なオーバートレーニング状態になりますが、その後長めの休養をとったり、軽いトレーニングに切り替えたりすると、長期的な超回復を得ることができます。

短期的及び中長期的な超回復は、トレーニングプログラムを作成するための重要な要素であり、超回復減少を踏まえた上で、トレーニングの様々な条件を波状的に変化させることが、オーバートレーニングのリスクを減らし、効率よくトレーニング効果を得るためのポイントといえます。

ポイント2-25.
ハードなトレーニングは筋の微細な損傷を引き起こす場合があり、損傷が修復されるまで休養をとることが必要

ハードなトレーニングを行った場合には、筋肉等の組織内に微細な損傷がもたらされることがありますが、これらの傷が修復されるには一定の期間が必要となります。
もし、組織が十分に修復される前にハードなトレーニングを行った場合には、いったんできた損傷部をさらに痛めつけることになり、これがさらに大きな損傷へと発展し、オーバーワークやケガの発生につながる危険性があります。
図2-15.

図2-15.

ハードなウエイトトレーニングは筋組織の微細な損傷を引き起こす場合がある(Waterman, 1991)(図はトレーニング前後の筋原線維の模式図)

ポイント2-26.
ウエイトトレーニングの実施に伴う超回復を知る手段としては筋肉痛が有効

ウエイトトレーニングを行うことによって、からだにはさまざまな変化が起こるため、超回復を知るための手段としては多くの要素が考えられますが、その中でも筋肉痛や筋肉の張りの状態は、超回復を知るための最もわかりやすい手がかりといえます。

ウエイトトレーニングをハードに行った場合には、筋肉痛が発生することが多い為、筋肉痛が残っているときには、まだその部位は超回復に達していないと判断し、筋肉痛が回復してから次のトレーニングを行うようにすると良いでしょう。特に、トレーニング後1日~2日くらいたってから起こる遅発性の筋肉痛は、回復するまでに数日から1週間以上の日数がかかる事があるので注意してください。このような遅発性の筋肉痛は、ウエイトを下ろす動作(ネガティブの局面)の際に強い負荷をかけたり、動作をゆっくり行った時や、初めてのエクササイズやプログラムを開始した時などに起こりやすいといわれています。

トレーニングの実施予定日が来たのに、筋肉痛が回復しない場合には、その部位のトレーニング種目については、延期するか、強度や量を減らして行うようにします。初心者がウエイトトレーニングを実施する場合には、中2~3日程度の休養日を設け、週2~3回の実施を目安にするとよいでしょう。
図2-16. スポーツ選手の競技力と栄養の関連

図2-16. スポーツ選手の競技力と栄養の関連

ポイント2-27.
トレーニング部位や強度によって回復時間は異なる

表2-3に、トレーニング部位やトレーニングの強度による回復時間の違いの目安を示しました。一般的には、トレーニングの強度が強いほど回復に時間がかかります。また、トレーニング部位については、大腿部や胸部、背部のような大きい筋肉は回復に時間がかかり、腹筋やふくらはぎ、前腕のような小さい筋肉は、比較的早く回復しやすい傾向にあるようです。
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表2-3. トレーニング部位や強度の違いによる回復日数の目安(マッスル&フィットネス日本語版 Vol.55 1992年を改変)

ポイント2-28.
垂直跳びの記録等が疲労回復の目安となる

超回復を把握するための方法としては、垂直跳びの記録や朝起きたときの安静時心拍数、血圧などを測定する事が有効であると言われています。特に、垂直跳びについては、日頃の練習やウォーミングアップの一環として実施しやすく、日々のコンディションの変化の目安として活用すると効果的です。垂直跳び以外にも、各スポーツの特徴を生かしたコンディションの把握方法を工夫してみると良いでしょう。
  • 競技スポーツのためのウエイトトレーニング2001年6月30日初版発行
    著者:有賀誠司
    発行者:橋本雄一
    発行所:(株)体育とスポーツ出版社

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