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気圧とトレーニング④

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掲載日:2018.12.26
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フィジークオンラインをご覧の皆様、三橋忠です。(加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院院長、ファイン・ラボフィットパーソナルトレーナー・横浜医療専門学校非常勤講師)
前回は「気圧とトレーニング③」について説明しました。
今回は気圧を調整し、身体の健康状態を良くする高気圧酸素カプセルについて紹介します。
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①酸素カプセルの原理

通常の大気圧は約1気圧です。
高気圧酸素カプセルはカプセル内の大気圧を1.3気圧以上に高めることによって、通常取り入れる事のできない溶解型酸素を増やし、身体の隅々まで酸素を供給します。

※「結合型酸素」:血液中のヘモグロビン(赤血球)と結合して各細胞に供給される。所謂、普通の血液中酸素
※「溶解型酸素」:ガス化して体内取り込む。非常に小さく毛細血管、リンパ液にも入ることができる。

②酸素カプセルの効果

①疲労回復
良質な溶解型酸素を取り込むことで疲労物質を分解・除去し、疲労回復効果があります。

②記憶力の向上
全身の酸素消費量の20〜25%は脳で消費します。
酸素が十分に供給されると、脳は活発に働いているα波を出します。この状態は集中力や記憶力が高まっていることを示します。

③肩こり・冷えの解消
取り入れた酸素は血液中だけでなくリンパ液や脳の髄液まで行き渡るので、身体全体の血流の流れが良くなり、凝りや冷えも改善されます。

④怪我の早期回復
怪我をした患部は、圧迫などで酸素不足に陥っています。
酸素を取り入れると細胞が活性化され、血流が良くなり、怪我の早期回復が期待できます。
また酸素カプセルの高気圧環境下では、骨が圧縮するので、骨密度が驚異的に上がります。

⑤ダイエット
糖分や脂肪を燃焼させる、脂肪分解酵素のリパーゼが活動するためには、十分な酸素が必要です。
また脳に酸素を取り込むことで、身体の脂肪量を調節する脳内物質のレプチンが増えます。
このレプチンが正しく働くことで、余分な脂肪を溜め込まないように脳が司令を出します。

⑥美肌効果
毛細血管の塊である、皮膚にも酸素が行き渡ることで、美肌効果が期待できます。

③気圧に対しての訓練

あまり語られない情報ですが、酸素カプセルは気圧に対する訓練にもなります。

酸素カプセルは気圧を1.3気圧まで上げるために5〜10分かけて加圧し、そして出るときは1気圧まで5〜10分かけて減圧します。

この気圧の増減が、気圧に対して身体を慣らす訓練になります。日頃気圧の変動で不調が起こる人に試してもらうと、低気圧、高気圧の急激な変化にも対応できるようになります。

まとめ

今回は気圧の変化のアプローチとして、酸素カプセルの原理と効果について説明しました。

酸素カプセルは不調な時ほど体感がしやすいので、疲労困憊、寝不足、試合後の時などに入るとその恩恵を受けやすいです(^-^)
  • 三橋 忠
    加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院 代表
    ファイン・ラボフィット パーソナルトレーナー
    大手スポーツクラブのチーフトレーナー・責任者を経験した後、パーソナルトレーニングスタジオ店長として4年間勤務し、整形外科・接骨院でもキャリアを積み、2011年に加圧トレーニングスタジオHAPPINESS&ハピネス整骨院を開業。パーソナルトレーニングで年間3500 セッションの指導を行う。

    <資格>
    ・厚生労働大臣認定柔道整復師
    ・加圧スペシャルインストラクター
    ・米国認定ストレングス&コンディショントレーナー(NESTA-PFT)
    ・キネシオテーピングトレーナー

    <競技実績>
    2008年ボディビルMr茨城 準優勝
    2008年ボディビルMr茨城70kg以下級 準優勝
    2009年ボディビルMr茨城70kg以下級 優勝