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2015年 第2回 オールジャパンメンズフィジーク メンズフィットネス選手権大会

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月刊ボディビルディング
掲載日:2017.05.30
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公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟 専務理事
審査委員会委員長 中尾 尚志



2015年第2回オールジャパン・メンズフィジークと第1回目となるオールジャパン・メンズフィットネス選手権大会が、JBBF女子フィットネス系の大会と併催で、平成27年9月21日・22日の2日にわたって東京都品川区のきゅりあんで開催された。

メンズフィジーク選手権は、アジアボディビル・フィットネス選手権大会の予選として4月に仙台市で開催されたが、オールジャパン・メンズフィジーク選手権大会としては、昨年大阪で初めて開催された第1回に続いての大会となった。

一方オールジャパン・メンズフィットネス選手権大会は、オープン大会としては、既に大阪連盟が5月に開催しているが、JBBF主催大会としては初めての開催となった。

オールジャパン・メンズフィットネス

●ラウンド1(パフォーマンス審査)
8名がエントリーしたことは、初の試みとしては多かったと云える。JBBFでは、ミスフィットネスを始めて今年で20回を数えるが、JBBFで参加人数が減少気味なのに比べて海外では依然として盛んに行われている。一方男子の方も海外では力強さと派手な大技で人気を呼び、多くの観客を集めている。

メンズフィットネス選手権も女子と同じように、パフォーマンス審査から開始された。パフォーマンスで出た評価を、最終審査結果に基づいた順位で、上位から紹介していくことにする。

文句なし1位に選ばれたのは、一番バッターの兼田。わりと小柄な選手であるが、パフォーマンスが始まって間もなく見せた大技に、審査員も観客も、ただただ興奮を覚えたというのが正直な感想である。体操競技の技は、TV等で見たことがあっても、目の当たりにするとやはり迫力がある。これまでも女子選手の大技を見たたことはあったが、やはり男子の技は比べ物にならないくらいインパクトが強かった。体操の選手だったと聞いていたが、初めて参加した大会で、それも1番目にもかかわらず冷静な出だしと、随所で見せた大技やその他の技も世界レベルに近く、この大会のパフォーマンスでトップになることは、間違いないだろう!欲を云えば90秒の間に、ダンス的な振りやエアロビクスの要素も少し入れてほしかった!?このままでは体操競技の床の演技に、この上なく近いものになってしまう。一人のジャッジが6位に付けていたのには驚きだ!

2位で兼田を追う高田は、3位の魚原とは同点だったが、ジャッジのひとりは1位につけていた。派手なパフォーマンスは無いものの、兼田とはまた違った見ごたえのある内容であった。ベースとなっていたのは、衣裳が表しているように、中東の雰囲気を連想させるような少々妖しくもおもえるパフォーマンスで、その中に力技、エアロビクス的な表現また、柔軟性といったあらゆる要素が組み込まれて盛りだくさんに演じられた。特に印象に残ったのはシャープな動きと技のキレ!

3位の魚原にも1位をいれたジャッジが1名いた。回転技が入っていたところ以外は高田と同様すべての要素が組み込まれたパフォーマンスで、ベースになっているのは競技エアロにもおもえた!?ダンス的な振りや力技また、柔軟性の表現が、選んだ曲のリズムと上手くマッチして、90秒間をリズミカルなものに仕上げていた。体のキレも良かったし、生き生きした表情には楽しんで演技している様が伝わってきた!

4位は遠藤。一人のジャッジが2位につけていた。ボディビルの大会にも出場している選手で、大阪で行われたオープン大会のメンズフィットネスで、ビルダーの体でキレのある演技をしていたのを思い出した。ダンス的な振りも上手いし、フィットネスに必要な技も一通り入っていて、とくに印象深かったのは、手の振りの表現のシャープさだった!

5位は清水で、3位・4位・5位・6位・7位と、1位と2位以外の評価が並んだ! パフォーマンスの評価は必ずしも良いものではなく、中でも4位をつけたジャッジが3名いて、ベスト3には差をつけられてしまったようだ!評価が良くなかった理由は、90秒間のほとんどがダンスで占められていて、フィットネス競技の内容にはほど遠かったからである。清水のパフォーマンスは、ステージダンスかストリートダンスのように感じられた。

6位と云う結果となった鈴木だが、パフォーマンスラウンドの評価は7位であった。メンズフィジークに出場しているような体の捌き方をするところも見受けられたし、ボディビルのポージングも入ったパフォーマンスは、メンズフィットネスでプレゼンテーションするには、内容的には少々物足りなさを感じた!

パフォーマンスラウンドで6位だった中野のパフォーマンスは、カンフーを取り入れたような演出だったが、全体の流れにギコチナサが感じられ、繰り出す技も少々雑なところがあった!

お能を彷彿とさせる衣裳に身を包んで和風の演技をねらった木下のパフォーマンスは、フィットネス競技で求められる要素がほとんど入っていなかった!
●ラウンド2&決勝ラウンド(クォーターターン審査)
ラウンド2では、三度の比較審査が行われて順位付けが行われた。

ファーストコールで呼ばれたのは兼田、鈴木、清水、魚原そして、高田。兼田は短いキャリアのせいか、他の選手と比べるとまだ体が出来ていない。特に大腿部のボリュームに欠けるところが見られた。クォーターターンで見る限り清水がベストに思えるが、下半身に弱さがある。体の出来ている魚原だがウエストの太さが気になった。厳しく仕上げてはいるが、高田の全体像には競技者の雰囲気があまり感じられない。

セカンドコールは高田、遠藤、魚原、兼田そして、鈴木。遠藤が呼ばれて、これでベスト6が出そろったようだ。遠藤の仕上がりに厳しさは無いが、ビルダーだけに筋量はしっかりついている。鈴木はフレームが良いわりに仕上がりのアマさを感じた。

最終のサードコールは、下位の比較のように思えるメンバーが指名された。中野、遠藤、兼田、木下の4名である。このメンバーに共通して言えることは、クォーターターンのバランスがあまり良くなかったことである。

ラウンド1とラウンド2の審査結果は、ラウンド1パフォーマンス審査の7位鈴木と8位木下そして、ラウンド2クォーターターン審査の7位中野と8位木下の3名のうち中野と木下が、決勝ラウンドに進めなかった。
優勝 清水紘二郎(神奈川)

優勝 清水紘二郎(神奈川)

左:3位 高田嚴(東京)/右:2位 魚原大(大阪)

左:3位 高田嚴(東京)/右:2位 魚原大(大阪)

左から…6位 鈴木俊彦(神奈川)/5位 遠藤竜正(大阪)/4位 兼田健生(福岡)

左から…6位 鈴木俊彦(神奈川)/5位 遠藤竜正(大阪)/4位 兼田健生(福岡)

1位/清水紘二郎 一言で云うと、マッチョでダンス上手!決勝ラウンドがなければ3位で終わっていたところだ!クォーターターンのサイドで、後ろ側の腕の位置が少しおかしかったことが気になった。ラウンド2のクォーターターン審査では1位。

2位/魚原 大 上体のバランスがよかった!体の捌き方に、写真モデルのような雰囲気があり、自分を良く見せるテクニックを身につけているように思えた。ラウンド2のクォーターターン審査では2位。決勝ラウンドが無ければ1位だった!

3位/高田 巌 パフォーマンスだけを見た場合、最も優れた演者だったと思う。舞台上で見せた独特のパフォーマンスのレベルは高く、体の仕上がりも厳しかった。しかし、フィットネスの競技者と云うより舞踊家と云った方が良かったのかも知れない!? ラウンド2のクォーターターン審査では、魚原と同点。決勝ラウンドが無ければ2位!

4位/兼田健生 まったく素直なクォーターターンであった。ビルダーやフィジーク選手の猛烈な自己アピールの狭間で、パフォーマンスラウンド以外で見せ場をつくることが出来なかったようだ!? ラウンド2のクォーターターン審査では6位と云う評価。決勝ラウンドが無くても4位。

5位/遠藤竜正 体のバランスは一番良かったのではないか!? ビルダーだけあって、自分の体をいかにアピールしたらよいかをよくわきまえていた。ラウンド2のクォーターターン審査で5位。決勝ラウンドでは4位。最終的に5位。

6位/鈴木俊彦 クォーターターンのバックで広がりをみせられなかった。ポージングは概ね上手かったが、反面姿勢の悪さが目に付いた。ラウンド2のクォーターターン審査では4位になっているが、決勝ラウンドでは6位。


決勝審査を終えて少し疑問に思ったことがある。ピックアップ審査が必要でない今回のような大会では、決勝ラウンドをする必要は無いような気がする!? 1位になった清水には少し酷なはなしだが、ラウンド1のパフォーマンス審査の結果が5位で、ラウンド2と決勝ラウンドで同じクォーターターンを二度やった結果総合で1位になったことは、どこか矛盾した印象が拭えない! 現ルールでの順位付に異存はないが、今後検討する余地があるような気がする。

今回の大会が2日にわたって行われるので、メンズフィットネスのパフォーマンスは、2日目の観客に見せられなく、せめて上位3名のパフォーマンスだけでも表彰式後に披露しようと云うことになった。しかし、結果は4位に終ったが、兼田のパフォーマンスがあまり素晴らしかったことに一つの提案が出され、設定がなかったベストパフォーマンス賞を出すことになった。上位3名の後に続いて披露された兼田のダイナミックなパフォーマンスに大きな拍手が送られた。

オールジャパン・メンズフィジーク

昨年より始まったJBBFのメンズフィジーク選手権も、北九州市で行われたアジアボディビル・フィットネス選手権大会を経て今回の開催に至っているが、その間にメンズフィジークに対する認識も大いに高まったと思われる。今回のオールジャパン・メンズフィジーク大会の講評を述べる前に、メンズフィジークとはどんなものか、もう一度おさらいをしておこう。

どんな体、どんなプレゼンテーションそして、どんな雰囲気が評価されるのか?

まず体で云うと、厚みよりもワイドで細いウエスト、丸みのある三角筋が作り出すV字型の上半身にきれいに並んだボリュームのあるシックスパック。仕上がり感は、皮膚一枚のように鮮明でしかもシボリ過ぎないことそして、肌の色は見た目に健康的できれいなこと。一言で云うと、女性からも男性からも憧れられるようなカッコ良さである。

我が国のメンズフィジーク選手権大会で負け知らずの長谷川が、アジアボディビル・フィットネス選手権大会オーバーオール審査で、中国の選手に敗れた記憶も新しいところだが、この大会で審査委員長を務めたIFBBのパウエル氏の言葉を借りると、この中国選手のことを、「これまで私が見たフィジーク選手のなかで彼がナンバーワンだ」と。二人の間で優劣が付いたとすれば、仕上がりの鮮明さにあったのではないか!?

次に、どんなプレゼンテーションが高い評価を得られるか? まず挙げられるのは、無駄な動きは必要ないことそして、気取った雰囲気はあまり好まれないと云うこと! そして最も大事なことは、MCの指示に的確に反応することである。スタンスで気を付けなければならないことは、ラインナップで待機しているときにとるポーズと、フロントスタンスを指示されたときでは、体の向きを変えなければならないことである。

最後に、フィジークの選手が、舞台上でどんな雰囲気を出せば評価されるか? これはトータルパッケージとして考えなければならないことで、まず爽やかであること。コスチュームに品があって上手くフィットしていること。全体的なルックスが、スポーツマンらしいこと。そして、他の選手と協調しているかと云うところである。
●ピックアップ審査/168cm以下級
25名の出場者から12名を選ぶピックアップ審査で、まず目に付いた選手は豊田、田中、橋本、末松、井坂、多田、山下そして、衛藤。

比較審査が二度行われて、田中、衛藤、村越、渡部、小椋、棚瀬、花島、溝尾の8名が指名された。中でも溝尾は二度とも指名されている。田中の仕上がりが良いようだ! 小椋は、前面は良いのだが、背中がアマイ! 衛藤にバランスの良さが感じられた。

ピックアップ審査の結果満票が、豊田、末松、宇野、井坂、多田の5名。6票が、木下、山下、衛藤の3名。5票が、村越1人そして、4票が首藤、田中、橋本の3名。同点審査もなく12名の予選進出者が決定した。


●172cm以下級
このクラスに1名の欠場者があり、27名の出場者から12名を選ぶことになった。あと一人、身長計測で172cmにかなり足りずオープン参加となった選手が出た。

まず目にとまった選手を挙げるなら次の9名。徳久、新保、湯浅、藤田、米田、横川、大殿内、赤山そして、田中。 

3度の比較審査に指名されたのは、齋藤、中山、川出、山本、藤田、高野、米田、大殿内、岡田の9名。この中で齋藤と藤田が、2度指名を受けていた。藤田にはもう少しワイド感がほしい! 川出の仕上がりがアマイ! 高野の上体は大きいが仕上がりはアマイ! 仕上がりの良い米田には、三角筋の丸みがほしい!

ピックアップ審査の結果満票は、徳久、新保、湯浅、高野、米田、横川、大殿内、田中の8名。6票が赤山1人そして、5票は、中山、藤田、谷澤の3名。以上の12名がラウンド1の予選審査に進むことになった。


●176cm以下級
1名の欠場者があり、27名から12名を選ぶことになった。まず目に付いた選手と云えば、珠玖、堂野、加治、有馬、佐藤、財全、中村、吉田の8名。力をもっている有馬だが、今日はあまり目立っていない!? このクラスも3度の比較審査が行われて指名されたのは、住永、山口、堂野、水上、加藤、財全、吉田、野島そして、中島。このうち2度指名されたのは、水上、財全、中島の3名。この中で目立って仕上がりが良かったのは堂野、財全、吉田の3名。財全はフレームも良かった。

ピックアップ審査の結果満票を獲得したのは、珠玖、加治、有馬、佐藤、水上、財全、中村の7名。6票は竹中、吉田、中島。5票と4票は堂野と住永。以上の12名が次のラウンドに進むことになった。


●176cm超級
もっとも多い30名のエントリーがあったこのクラスにも欠場者が2名あり、28名から12名を選ぶことになった。特別目立っていた選手と云えば5名で、小泉、岩田、齋藤、菅原、長島。

このクラスは比較審査が5度も行われたが、それだけ接戦だったのか? 12名の選手が比較審査に指名された。清水、岩田、宮崎、佐々木、礒部、須原、小島、村上、半下石、中村、木全、針谷。この中で3度指名されたのが宮崎、半下石、中村そして、木全。2度が佐々木、礒部、村上。一度が清水、岩田、須原、針谷。1度目の岩田への指名は理解できない! 村上のフレームがきれいだ! 須原には力みが見られた。フィジークらしいプロポーションの木全。

ピックアップ審査の結果は、小泉、岩田、須原、菅原、長島の5名が満票。6票だったのが蟹澤、佐々木、村上、齋藤、木全。驚くべきことに、齋藤をピックアップで外したジャッジが一人いた! 宮崎と礒部が5票。以上の12名が、最も参加者の多いクラスから次のラウンド1・予選審査に進むことになった。
●ラウンド1・予選審査/168cm以下級
豊田、田中、末松、井坂、多田、衛藤あたりが上位にいきそうだ!

ファーストコールで呼ばれたのは豊田、宇野、井坂、多田、末松の5名。宇野は仕上がりで後れをとっている。豊田と末松がすべてにおいて優れているように見える。

セカンドコールは末松、宇野、豊田、衛藤の4名。今回の衛藤は、豊田・末松と比較するには仕上がりがアマイ!

サードコールで呼ばれたのは豊田、田中、末松、多田、井坂。たぶんこの5名が上位になることは間違いなさそうだ! これまでの比較で、あと一人を予想するなら宇野か衛藤か?

ラストコールになって呼ばれたのは、山下、井坂、首藤、村越そして、木下。村越と山下は、ともにワイド感のあるアウトラインを持っているが、村越について云えば、腹筋の弱さが目立っていた。このメンバーに井坂を入れるのは少し問題だ!

予選審査の結果を見てみると、かなりバラついたものになっていた。1位の末松に1位票がもっとも多かったが、5位と云う評価をしたジャッジもいた。4名の女性ジャッジで1位に付けたのは1人で、末松は、男性ジャッジの支持が多かったことになる。

1位票が2番目に多かったのは豊田だが、4位も2票あった。3位の井坂と4位の多田は同点だったが、井坂には9位、多田には8位と云う評価も入っていた。5位は宇野。1位にしたジャッジがいたが、最も多かったのは6位票。今日の宇野の仕上がりを、1位に評価することは少々理解に苦しむ? 6位になった田中の仕上がりは良かったと思う。仕上がりに今一つ厳しさがなかった衛藤が7位で、今回はファイナリストになれなかった! 8位村越、9位木下、10位山下、11位首藤そして、12位は橋本。


●172cm以下級
新保、湯浅、田中が特に目立っていた。筋量があり過ぎとも思える徳久が、この先どんな評価をされるのか? フレームはワイドだが、今一つ仕上がりに厳しさが感じられない横川?

ファーストコールは新保、徳久、横川、湯浅そして、田中。この5名が、たぶんこのクラスのトップメンバーになるだろう!? 新保のフロントスタンスは、不自然にとられて仕上がりの良さを表現出来ていなかった。徳久は、フィジークの選手にしては厚みが勝ち過ぎである。横川の胸部にはアマさがあり、フレームの良さに水を差していた。もっとも仕上がりが良かった湯浅は、アウトラインもさることながら、特にバックの広がりを見ても、この時点で今日のトップは間違いないだろうと予想した! アウトラインの良さと自然なクォーターターンで健闘している田中は、ややアマイ!

セカンドコールは横川、湯浅、米田の3名。横川・湯浅と比較されるのは、米田にとって少々きつかったか? やはりショルダーラインの広がりが欲しいところだ!

サードコールは赤山、田中、湯浅、米田、徳久の5名。ビルダーの赤山には広がりが感じられず、鍛えこまれた体から受ける印象は、フィジークらしいとは言い難い。徳久のクォーターターンは、両肩が詰まったように見えて、ことさら厚みだけが強調されてしまった。

フォースコールは赤山、中山、新保、大殿内。ここでも新保の肩の入れ方に違和感があった。大殿内はアウトラインのきれいな選手だ!

ラストコールでは、これまで呼ばれなかった3名の出番となった。まだまだ体の出来てない藤田。ビルダーとして活躍している谷澤の仕上がりは、かなりアマカッタが体の見せ方は上手い! 高野は上体が大きいのだが、全体のバランスは良くなかった!

予選審査の結果が出て少々驚いた! 圧倒的な評価で横川がトップ! 5名のジャッジが1位に付けていた! また、2位票が5票と云う圧倒的な評価で2位になったのが湯浅! 興味深かったのは、徳久のバルキーな体が、どんな評価をされているのか? 割れた評価であったが3位。素直なアウトラインが評価されて田中が4位。新保と米田は同点の5位と6位。仕上がりで新保が、自然なクォーターターンでは米田と、どちらも譲れないせめぎあいを見せてくれた!? 評価が割れた赤山が7位。8位から12位は、かなりバラついた評価となり、高野、大殿内、中山、谷澤、藤田の順になった。


●176cm以上級
上位に来そうな選手を挙げるなら、珠玖、佐藤正、財全、竹中、中村あたりか? あと一人気になる選手が有馬! ところが、今日の有馬は何か物足りない感じである。たぶんこの6名がファイナリストになることは間違いないようだが、このクラスでも興味深いことがある! もっともフィジークらしいアウトラインをもつ佐藤正と、ビルダー顔負けの筋量をもつ中村に、今日のジャッジがどんな評価をするかである。

ファーストコールは佐藤正、中村、珠玖、有馬、吉田の5名。メンズフィジークの選手に求められるすべてを備えているかのような佐藤正。フィジークの選手にしては筋量があり過ぎの中村。バックスタンスで体が歪む傾向があるが、仕上がりの素晴らしい珠玖。この3名がたぶんベスト3と思われるが、この中に吉田を入れるのは少し無理がある!

セカンドコールは加治、珠玖、佐藤、竹中、中村。この比較から、ベスト3と思われる後に、加治と竹中が来そうな雰囲気が見えてきた。加治は、佐藤正と同じようなきれいなフレームを見せている。竹中の仕上がりは厳しいうえに、フレームがワイドだ!

サードコールは中村、佐藤、珠玖、有馬そして加治。有馬の仕上がりがやはりアマイ!

フォースコールは財全、吉田、有馬、加治、中島。財全と有馬のどちらかが、ベスト6の最後の選手になりそうだ!

ラストコールになって、呼ばれていなかった住永、堂野、水上が指名された。堂野がいつもより厳しく仕上げてきたが、クォーターターンすべてで肩が委縮して見えた。

予選審査の結果は、パーフェクトとはいかなかったが、佐藤正の文句なしのトップ。1位と4位の間でバラツキがあったが、中村が2位。中村を追う珠玖は3位。竹中と加治が同点で4位と5位。いつもの有馬でなかった結果6位。7位になった財全と有馬は同点! 8位吉田、中島が9位そして、水上と堂野も同点の10位と11位。ラストは住永。


●176cm超級
目立っていたのは次の5名。小泉、岩田、齋藤、菅原、長島。今大会のメンズフィジークで、連覇がかかっているのは齋藤ただ一人! その齋藤と勝負する力を持っているのは誰なのか?

ファーストコールは長島、岩田、齋藤、蟹澤、佐々木。長島のプロポーションは素晴らしいが、腹筋に弱さがある。岩田は平面的に見える。蟹澤はかなりアマイ! 佐々木は、ボリューム不足。いつにもまして厳しさがました齋藤。クォーターターンでも飾ることなく、シンプルな身の捌き方に磨きがかかってきた。

セカンドコールは長島、須原、齋藤、菅原、岩田の5名。筋量豊富な須原にウェストの太さが目立つ! 菅原のアウトラインはワイド感があり、フィジークらしさを見せていた。

サードコールは岩田、齋藤、村上の3名。岩田の背中に広がりが見えない。ここに村上を入れるのは、セレクトミスか? プロポーションに恵まれた村上だが、調整不足の感は否めない。

フォースコールは長島、蟹澤、小泉そして、齋藤。小泉が初めて指名された。長島や齋藤と比べるとまだまだだが、蟹澤には仕上がりで勝っていたのではないか?

フィフスコールに指名されたのは木全、蟹澤、小泉、佐々木。木全も佐々木もプロポーションのきれいな選手だが、とりわけ木全は長身故の伸びやかさがある。小泉の体は出来ているが、バックスタンスで広がりが出せなかった。

ラストコールは宮崎、村上、礒部、佐々木の4名。村上以外は初めて比較された。

6度の比較審査を終えて、やはり齋藤がダントツであった! 続くのが長島。岩田が頑張って3位。4位に菅原。5位に須原そして、同点で蟹澤と小泉が並ぶ。8位木全、9位村上、10位佐々木、11位宮崎そして、12位は礒部。以上の12名が決勝ラウンドに進むことになった。
【168cm以下級】優勝 末松純一(京都)

【168cm以下級】優勝 末松純一(京都)

左:3位 多田 哲(東京)/右:2位 豊田純也(沖縄)

左:3位 多田 哲(東京)/右:2位 豊田純也(沖縄)

左から…6位 宇野明訓(東京)/5位 田中光昭(神奈川)/4位 井坂真也(三重)

左から…6位 宇野明訓(東京)/5位 田中光昭(神奈川)/4位 井坂真也(三重)

●ラウンド2・決勝審査/168cm以下級
1位/末松純一 プロポーション的にあまり恵まれているとは言えないが、よく鍛えこまれて仕上がりも素晴らしかった。特に腹筋の良さが光っていた! クォーターターンはどのスタンスでもバランスがとれていて、無駄なアクションも飾り過ぎた振りもなく、スッキリしたものであった。

2位/豊田純也 バックスタンスで広がらなかったのは残念だったが、仕上がりや肌の焼き込みも素晴らしく、クォーターターンも無駄のない動作で好感がもてた。決勝でも末松に次ぐ1位票の多さで、4位をつけた一人のジャッジを除いて安定したものであった。

3位/多田 哲 ポージングのバランスも良く、フロントスタンスでみせるアウトラインは、このクラスでもっともフィジークらしさを見せていたのではないか? あと少し仕上がりの厳しさがあれば、結果も変わっていたかも知れない?

4位/井坂真也 クォーターターンのどのスタンスでも上体に広がりが感じられなかった! とくにバックスタンスで背中を詰めたように見えていたし、クォーターターンのサイドでは、上体が傾きバランスを壊していた。ウォーキングも颯爽とした感じがなかった! 仕上がりは良かった!

5位/田中光昭 ウォーキングで手の振りがおかしかったのと、歩き方も小さくなっていた。仕上がりがとてもきれいで、とくに腹筋の見え方が鮮明だった。残念なのは、バックスタンスで背中が広がらなかったことである。前日の予選の時より良く見えた!

6位/宇野明訓 オーバーアクション気味だが、クォーターターンのサイドの見せ方は上手かった!プロポーション的に恵まれているとは言い難いが、今回の仕上がりはアマ過ぎた! 前面のアウトラインはワイドだが、背中は広がらない。バックスタンスの足は横に流すこと。
【172cm以下級】優勝 横川尚隆(東京)

【172cm以下級】優勝 横川尚隆(東京)

左:3位 徳久大器(神奈川)/右:2位 湯浅幸大(東京)

左:3位 徳久大器(神奈川)/右:2位 湯浅幸大(東京)

左から…6位 米田将司(兵庫)/5位 新保政信(石川)/4位 田中 充(東京)

左から…6位 米田将司(兵庫)/5位 新保政信(石川)/4位 田中 充(東京)

●172cm以下級
1位/横川尚隆 爽やかさとワイドなアウトラインで他をリードしたが、ベストな仕上がりとは言い難い! フロントスタンスを取った時に、片足を広げ過ぎて下半身が斜めに向いていた。待機のポーズとフロントスタンスのポーズの違いをもっと理解してほしい。クォーターターンのサイドで背中を広げていたので、体がフラットに見えた!

2位/湯浅幸大 クォーターターンはどのスタンスでもバランスがとれていた。前日より良くなっていた決勝当日の湯浅の仕上がりにジャッジも気が付いたのか、1位票が横川と同じ3票になっていた。飾らないところが湯浅の良さかもしれないが、表情にもう少し明るさがほしかった。バックスタンスでみせた背中は文句なしに良かった!

3位/徳久大器 クォーターターンは飾り過ぎず、素直なとりかたをしていた。厚みが勝ち過ぎて、ただでさえて広がりに欠けるきらいがあるのに、クォーターターンのサイドでは、ことさら肩甲骨を寄せているように見えて、上体の広がりが出せなかった!? 仕上がりは良かった!

4位/田中 充 少々オーバーアクションのところもあるが、ポーズがきまった時の雰囲気には晴れやかさがあった。ただ、クォーターターンのサイドを取った時に、後ろの肩が上がっていたので全体のバランスが悪くなっていた。仕上がりがややアマカッタのと、ウェストが太く見えた。

5位/新保政信 素晴らしい仕上がりで臨んでいた。残念なことに、フロントスタンスをはき違えているようだった! どのスタンスにもいえることだが、腰に当てている方がラットスプレッドのようになっていて、変に体が捻じれていた。片方のジャッジからは、たぶんサイドポーズにしか見えなかったのではないか!?

6位/米田将司 仕上がりは厳しかった。無駄なアクションもなく、素直なクォーターターンは支持できるが、もう少し派手さがあっても良かったのかな? 今回も同じ指摘をするようだが、上体が広がって見えないので、三角筋を緩めるようなポーズのとり方も工夫してほしい。
【176cm以下級】優勝 佐藤正悟(大阪)

【176cm以下級】優勝 佐藤正悟(大阪)

左:3位 珠玖悟史(千葉)/右:2位 中村厚志(埼玉)

左:3位 珠玖悟史(千葉)/右:2位 中村厚志(埼玉)

左から…6位 有馬康泰(東京)/5位 竹中孝(岐阜)/4位 加治康武(東京)

左から…6位 有馬康泰(東京)/5位 竹中孝(岐阜)/4位 加治康武(東京)

●176cm以上級
1位/佐藤正悟 今大会でもっともフィジークらしさをもっていた選手である! すべてに当てはまる要素を備え、クォーターターンもあまり飾らずさりげなくとっていた。雰囲気も爽やかで、笑顔を絶やさないステージは素晴らしかった。ただボードショーツのデザインは、もう少しシンプルな方が、より体を引き立たせたとおもうが?

2位/中村厚志 フィジークの選手にしては、ただただ凄すぎると言わざるを得ない! 素晴らしい腹筋の持ち主だが、ウエストが若干太く見えるので、厚みのせいだけではなく、ワイドな印象はない! バックスタンスでは広げるより肩を挙げて伸びあがったようになっていたので、やや胴長に見えた! このままでもボディビルの大会で通用しそうだ!

3位/珠玖悟史 きれいに仕上がった状態で、爽やかな雰囲気もあったが、バックスタンスでは広がりが見えなかった。サイドスタンスの時に、ジャッジ側の肩を前に出していたので、上体が平面に見えた。体の捌き方になめらかさがあり、スマートな印象を受けたが、手の動きには無駄なものが感
じられた。

4位/加治康武 細いウェストをしているのに三角筋に丸みが無いために、上体がワイドな印象を受けなかった。クォーターターンは素直なとり方で、無駄なアクションもなく問題なくこなしていた。ただ上位の選手と比較して、仕上がりにアマさがあったようだ!

5位/竹中 孝 中村と並び長身だが、フレームにワイド感があるために、フロントスタンスをとったときのアウトラインにフィジークらしさがあった。しかし、サイドスタンスでは背中が丸まって胸部が内に向いていたので、上体が薄っぺらく見えた。ステージ上では常に胸を広げた姿勢をとっている方が良いとおもう。

6位/有馬康泰 有馬に緊張感が見えなかった!? いつもは、フロントスタンスをとったとたん全体からオーラのようなものが出ていたが、今回の有馬には心身ともにハリがなかった! しかしながらクォーターターンに入ってからは、いつものようにそつのないポージングを見せてくれたのはさすがだった!
【176cm超級】優勝 齋藤真人(東京)

【176cm超級】優勝 齋藤真人(東京)

左:3位 岩田卓麿(東京)/右:2位 長島ユージーン(大阪)

左:3位 岩田卓麿(東京)/右:2位 長島ユージーン(大阪)

左から…6位 須原公司(東京)/5位 蟹澤麿亜玖(神奈川)/4位 菅原辰馬(埼玉)

左から…6位 須原公司(東京)/5位 蟹澤麿亜玖(神奈川)/4位 菅原辰馬(埼玉)

●176cm超級
1位/齋藤真人 今回もしっかり仕上げてスキのない雰囲気を感じさせた! フィジークでは格好良さがもっとも重要なポイントとして挙げられるが、齋藤の場合はそれだけでなく、男らしさも兼ね備えた大人の魅力がある。クォーターターンの動作もシンプルで、無駄に飾ることもなくスッキリした表現ができていた。一人のジャッジを除いてほぼパーフェクトな勝利だった!

2位/長島ユージーン 生まれもった素晴らしいプロポーションは、日本人の血だけでは敵わないのかと思わせるほどのスタイルである! 仕上がりが良いはずなのに、皮膚に透明感が無かったことが唯一マイナスだったか? クォーターターンのとり方も自然で、どのスタンスもバランスがとれていた。あと一つ、サイドスタンスをとったときの後ろの腕が、少しおかしかった!?

3位/岩田卓磨 決勝で菅原に逆転されたが、最終的に3位となった。フィジークらしい雰囲気は持っているが、クォーターターンはあまり上手いとは言えない! バックスタンスで広がりが出せなかったのと、右肩を挙げてポーズをとっているときが多く、上体の角度がおかしかった。仕上がりももう少し厳しく!

4位/菅原辰馬 ウェストが細く、広がりのある上体が、このクラスでもっともフィジークらしい体型をしていると云っても過言ではない。クォーターターンも上手くとっていて、どのスタンスでもバランスの良さを表現していた。欲を云えば、齋藤の仕上がりのような厳しさがほしかった。

5位/蟹澤磨亜玖 予選審査の結果3名が同点だったが、その中の一人であり、とうていファイナリスト入りは無理だと思っていた。と云うのも、決勝の6名でもっとも仕上がっていなかったからである。プロポーションに恵まれているのだから、この次はしっかり仕上げてきてほしい。

6位/須原公司 良く鍛えこまれた体からは、精悍さが感じられた。クォーターターンのサイドスタンスでは上体が不安定にとられていたし、バックスタンスでウェストが太く見えて広がりが出せなかった? 決勝でも蟹澤と同点であった。
●オーバーオール審査
168cm以下級末松、172cm以下級横川、176cm以下級佐藤正、176cm超級齋藤、各クラスの優勝者によるオーバーオール審査が、メンズフィジーク選手権の表彰式に引き続き行われた。比較審査の結果は、佐藤が他の3名を抑えて今年のオーバーオールチャンピオンの座についた。

昨年は、長谷川と齋藤のジェネレーション対決のような印象を受けたが、今年は、フィジークらしさを競った結果ついた結末のような気がする。二番手争いは、齋藤と横川が同点であたかも競っていたような審査結果になっているが、今の横川では、齋藤の完成度にはまだほど遠い? しかし、横川の恵まれたフレームも脚光を浴びる日が、きっと近い将来訪れるだろう。

9月21・22日(日)
きゅりあん
写真:
徳江正之

[ 月刊ボディビルディング 2016年1月号 ]

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