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2013 TOKYO WEIGHT CATEGORY Winner Interview 鈴木理克

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[ 月刊ボディビルディング 2014年1月号 ]
掲載日:2017.09.05

重量こだわらずハイレップス意識 体に変化が生まれた

東京クラス別ボディビル選手権65㎏級優勝 鈴木理克

東京クラス別ボディビル選手権65㎏級優勝 鈴木理克

すずき・のりかず/1975年5月8日生まれ/東京都出身/職業:製造業/ボディビル歴8年/身長:166㎝/体重:64㎏(オン)、75㎏(オフ)/所属:ゴールジムイースト東京

大会2日前の食事が決めて白米中心に食べた

――2階級制覇おめでとうございます。体が大会の時よりいくぶんふっくらとしていますが。
鈴木 関東クラス別のあとオフに入っていまして。いまはなにも気にせず食べたい物を食べて喜びを感じています。
――09年に60㎏級で優勝したあと一年間休養されていますが、理由は?
鈴木 体をでかくしたくて一年間みっちりトレーニングしたらどうなるかと思って。しかしあんまり変わらなかった。いま振り返ると、なにか目標がなくなったことでダラダラとやってしまったように思います。やはり目標は大切です。
――一年後に復帰して東京クラス別は65㎏級6位、昨年は同級で3位と順位を上げてきましたが、昨年となにか変えたことはありますか?
鈴木 今年からではなく昨年からで、とくに大会直前の減量の仕方でしょうか。それまでは絞りや仕上がりを重視し、極力食べる量も少なめでやっていましたが、舞台に立つと細く見えると言われたので、食べる量を増やすようにした。昨年はうまくいかなかったけど今年はうまくできたかなと思います。
――具体的に教えてください。
鈴木 これまでは大会2日前になると、甘くなったり浮腫んだりするのが嫌だったので炭水化物は食べないようにしていました。じつは昨年も試みたけどやり切れなくて中途半端に終わったので、今年はアドバイスを信じてやってみようと決意し、朝から一日かけて白米を中心に餅やパスタも食べるようにしましたが、おかずは食べませんでした。でも本音を言うとどう出るか怖かったですね。
――その結果は?
鈴木 大会当日の朝は63.8㎏、いままでで体重が一番重くてそのうえ仕上がりも甘くなくて体のハリも良くホッとしました。
――減量中の食事メニューは。
鈴木 今年は4月から減量に入りました。朝が白米・納豆、昼が白米・鶏の胸肉・ブロッコリー・かぼちゃなどの野菜、夜は昼と同じ。大会1か月まではその食事を続け、1か月を切ったら白米をオートミールに変え、夜は炭水化物を摂らず胸肉と野菜のみ。味付けもしないので正直味気なく食べるのがつらいですが、勝つためにと我慢しました。その反動がオフに出てしまいますね(笑)。
――2週間後の関東クラス別は3位でしたが。
鈴木 あのときは最後の2日間の食べ込みがよくなかったのか、東京のときよりは食べたんですが…。まだ原因はよくわかりません。体重も増えず当日の朝は62.3㎏で、鏡を見たとき体にハリもなかった。体調とか食事の量など微妙なさじ加減もあるのでしょうね。最後の詰めの調整の難しさを痛感しています。
――ほかに優勝できた要因はありますか?
鈴木 もともとポージングが下手なのですが、金子芳宏さんや佐藤茂男さんのご指導も大きかったと思います。足の位置、腕の位置などほんのちょっとした点を矯正してもらったことでスムーズにとることができました。1cm位置が違うだけでこんなにも違うのかと。それと家族の応援も大きな力となりました。
――家族の力ですか。
鈴木 そうです。私は減量に入るとイライラしてしまい、つい家族に迷惑をかけてしまいます。昨年は日本クラス別が9月にあったため、子どもの夏休みと重なってかわいそうなことをしました。でも妻も子どもたちもそれを我慢してくれるし、コンテストにもみんなで応援に来てくれます。優勝できて少しは恩返しできたかなと思っています。そうした感謝の意味もあって、今年は家族サービスをしようと考えて早目のオフに入りました。

目標は加賀選手 同じ中学校の先輩だった

――トレーニングを始めるきっかけは?
鈴木 高校時代ラグビーをやっており、友達に負けたくない体を造ろうと思ったことです。毎日のように筋トレをやっているうちに重量が更新されたり、体が大きくなっていくことが楽しくなり好きになりました。そしてゴールドジムに入会してから周囲の影響を受けてボディビルに興味を持つようになりました。
――現在のトレーニングルーティーンはどのようなものですか?
鈴木 1日目が胸、2日目が腕、3日目がデッドリフト、カーフ、ハム、4日目が背中、5日目が肩、6日目が脚という流れの繰り返し。残業があったり、家族と出かけたりする場合を除き休まず、これは4年前に東京クラス別60㎏級で優勝したときと同じ。その頃と変えたことはレップ数ですか。10回程度だったものを20、30回できる重量でやるようにしました。以前は重量にこだわっていましたが、ハイレップスで効かせるということを意識したら変化しました。
――どのような体を目標にしていますか?
鈴木 前のインタビューのときにもいいましたけど、アウトラインを良くして脚のボリューム感と背中の広がりのある体をつくりたい。あれから4年経ちますがまだまだ。身近では東京クラス別70㎏級で優勝した加賀さんですね。加賀さんも同じジムでトレーニングしており、たまに一緒になるのですが、以前からすごい体をしているのになぜコンテストには出ないのかなあと思っていました。話をしているうちに同じ中学校の先輩でもあることがわかり、一緒に優勝できてうれしかったです。
――ボディビルの魅力は。
鈴木 うーん、むずかしい。トレーニングや減量はつらいとわかりながらもやってしまう。子どもにも「減量なんてつらいのによくやるね」と言われるけど、毎年時期が来ると始めてしまうんですよね。どうしてでしょう。自分でもよくわかりません。そこが魅力なのかも知れません。
――これからの目標について教えてください。
鈴木 日本クラス別にも出てみたいし、東京クラス別の3階級制覇も狙いたいし、オーバーオールにもチャレンジしてみたいし。とにかく体を一回りも二回りも大きくしないと勝負にならないと思っています。食事の摂り方を見直したり、トレーニング方法もいまのやり方のままでは上をめざせないので、アドバイスをいただいて改善していかなければと思っています。
2013 年の東京クラス別選手権65㎏級表彰

2013 年の東京クラス別選手権65㎏級表彰

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インタビュー/伊藤幸也
[ 月刊ボディビルディング 2014年1月号 ]

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