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【屈強インタビュー】#15 坂本陽斗 "自分の可能性を追い求めたい"

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掲載日:2021.07.03
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JBBF2019年高校生ボディビル3位、IFBB2020年マッスルコンテストフィジーク2位、2020年マッスルゲート東京Jr.ボディビル2位、2020年ゴールドジムジャパンカップJr.2位等の実績を持つ坂本陽斗氏に、トレーニングにおける日頃の取り組みや考え方を伺った。

普段の生活や仕事に関して

現在高校生なので基本は学校を終えた後、夕方からトレーニングを始めます。校内で栄養を補給してプロテインを飲んでおいて、ジムに着いてからはケアから始めています。
高校一年生、高校ボディビル3位の時

高校一年生、高校ボディビル3位の時

日頃のトレーニングメニュー

胸/背/肩/腕/脚の5分割で行っています。
現在のメニューにしたのは相澤隼人選手のセミナーに出てからで、分割法もそこで教わりました。すごく理にかなった組み方だと思います。

背中と足の日を離すことで脊柱起立筋の疲労を溜め込まないようにして、胸と腕の日を離すことでプレス系でのパフォーマンス低下を防ぐ狙いがあります。基本的に土日はオフなのですが、トレーニングに誘われるとランダムにやることもあります。


・ベンチプレス
・インクラインチェストプレス(ハンマーストレングス)
・インクラインダンベルプレス  
・インクラインプレスマシン(ハンマーストレングス)
・マシンフライ(ハンマーストレングス)

最後のフライはハイインテンシティトレーニングで3セット行って潰しています。

背中
・フロントプル(ハンマーストレングス)
・ラットプルマシン 
・ベントオーバーロー 
・ハーフデッドリフト
・ケーブルローイング

ケーブルローイングは独自のやり方で下背部を狙っています。椅子に座り、プーリーを腰の高さに合わせてワンハンドのサムアップで引き、引いた後に腰を捻るように動きます。背骨のアライメントを保つために腹筋に力を入れながら、筋の走行に沿うように円軌道で引いていく感じです。これをやることで下背部がすごく成長しました。

あと、背中の種目に関しては全てサムアップのノーギアで行うこだわりがあります。
サムレスでやっていた時期は前腕に刺激が入ってしまっていたのですが、サムアップに変えてからはそういったこともなくなり、特に重量が飛躍的に伸びました。


・フロントレイズ 
・サイドレイズ 
・サイドレイズ(後部狙い)
・アップライトロー
・ツーハンドケーブルサイドレイズ

肩は時間が命で、とにかく早く終わらせるようにしています。目標は60分です。
前、中、後部を狙う流れで、3つ目のサイドレイズは重量を落として肩を伸展させて、バックラットスプレッドに近い状態で行っています。

三か月前に右胸を怪我してしまって、痛みが出るため今は肩のプレス系の種目を入れていないだけで、やはりプレス系種目は必要だと思います。痛みがなくなったら導入していく予定です。


POFを意識しています。※「Position of Flexion」の略。筋肉の収縮位、伸張位、中間位の3つの範囲に分けて刺激を変える方法。

・バーベルカール
・プリ―チャーカール 
・インクラインダンベルカール 
・ケーブルロープカール(ロング)

ケーブルアタッチメントのロープにはショートとロングがありますが、前腕の捻りやすさという点でロングを使っています。

・トライセプスエクステンション 
・ナロープレス(スミスマシン) 

一人でトレーニングすることが多いのですが、パートナーがいればなるべく徒手抵抗のトレーニングを入れています。ハンマーストレングスのプリ―チャーカールのマシンで、プレートをつけるホーンの部分に荷重をかけてもらいます。


・レッグエクステンション
・スクワット
・レッグプレス
・スクワット(スミスマシン)
・レッグカール(ハンマーストレングス)
・トレッドミルでうさぎ跳び 

脚は、表側をつぶせば裏側で耐えられるという性質を使うことが多いです。なるべく早めに表側を追い込んで、裏側で耐えて脚全体をオールアウトさせる狙いです。脚に関しては大きな筋肉が多いので、高重量を扱って重さで潰しています。 

まず最初にレッグエクステンションから入るのですが、1セット目は外側広筋、2セット目は内側広筋、3セット目は中間広筋と大腿直筋を狙って3セットで終わらせます。脚は怪我のリスクも高いので、これでアップも兼ねています。
レッグプレスのスタンスはいくつかバリエーションがありますが、パターンは決まっていません。その時思った足幅でやっています。

また、減量時は2分割になる時もあります。
胸の日に胸、三頭、腹筋をやってしまう感じで、その日にできる種目をどんどん足してやっていく日もあります。それに加えて腹筋は毎日やります。
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中学の頃のトレーニング

ドウェイン・ジョンソンに憧れて、市営ジムでトレーニングをしていました。トレーニングの方法をあまり理解していなくて、頻度だけが高かったです。
140~150㎏のシュラッグを20分かけてやったりしていました。当時デッドリフトは知らなかったのですがシュラッグは好きでした。どんどん重いモノを持っていった結果、シュラッグにたどり着いた感じです。

学校でも逆立ちしての腕立てや、友達を抱えてスクワットなどしていました。あとはプライオメトリックトレーニングとしてボックスジャンプがしたくて、低めの下駄箱に飛び乗ったりしていました。
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自分にとって特に発達した種目、そうでない種目

基本的にはどの種目でも発達していると思います。効かなかった種目はないというくらい、やったものすべてが筋肉になりました。
ケーブル種目に関してはいわゆるコネクション効果と言って、筋肉に刺激は入りやすいしフルパンプはするのですが筋肉自体が大きくなった感じが薄いように感じます。

あとは中学二年の頃からからバスキュラリティがあって、血管が比較的発達していると思います。
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トレーニング中に意識している事

トレーニング中はA-wearをつけています。
僕は一ヶ月ごとにノーギアとフルギアを使い分けていて、フルギアだとまず重量が上がるのでどんどんパワー種目をやるようにしています。フルギアだとアライメントがずれにくいのですが、ノーギアにしたときにでもアライメントを整えるようにするためにA-wearを使っています。
そうするとノーギアのときでもフルギアの重量を使えるようになってきます。やはり、重量=筋力の考え方がある人は使い分けていった方が早いと思います。


ギアの使い分けはすごく重要で、フルギアの時は「鬼」のパワーベルトを使います。アライメントがずれにくいし、腹圧も高くなります。通常より分厚いので肋骨が痛くなる人もいるのですが、肋骨まで閉めてウエストを細くするのに丁度良いのではと思っています。

あとはスポーツネックレスのファイテンを使っています。羽生結弦モデルです。
磁気ネックレスの血流を促す作用で体が軽くなる感じも一つのメリットなのですが、他にもう一つトレーニング強度の指標として活用しています。

首の前側に磁石でとめる、丁度首に合うジャストフィットサイズのネックレスなのですが、トレーニングで極度に追い込んで、首までパンプすることでネックレスが外れるんです。これを一つの指標にしています。今まで7回外れていて、ネックレスが外れる時はやはり非常に強い筋肉痛が来ます。
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日頃の食事で意識していること

栄養に関して特に血圧を下げないことを意識しています。
GI値を高いものを食べるようにしているため、基本的には白米をタッパーに入れて食べています。

起床直後はまずマイプロテインのグルタミンを5g飲みます。 
それから夜中にご飯を炊いておいて、朝にアツアツのご飯を食べます。GI値は温度によって変わります。温度の低い白米や玄米ではGI値は低く、熱いご飯はGI値が高い。血糖値を上げるために熱い白米を茶碗一杯食べます。
白米の後はクレアチン、Lカルニチン、DHCのビタミンC、カルシウム、グルコサミンを摂ります。朝と晩に怪我のリスクを下げるための保険として飲みます。夜にもLカルニチンを摂るのは寝ているときも脂肪燃焼をさせたいからです。

8時頃に外でも食べます。タッパーに入れた白米を、駅から出たら立ち食いです。
クレアチン濃度を確保したいのでここでもクレアチン5gを摂ります。最近だとコロナもあるので、食べる公園を決めています。夕食以外は白米です。

三回目の食事は白米をメインにして昆布と梅干し、漬物などを合わせます。白米の量はは300gくらいです。

ここでオリンプのプロテインを飲みます。


ここからしばらく飲めないので一気に60gを飲んでしまいます。オリンプのプロテインにはグルタミンも入っていて、プロテイン60gを摂ればグルタミンが10gくらい摂れるので、筋分解の防止も含めて摂っています。

酸味があって、日頃からでも減量期でも飲めるのでブルーベリー味がおすすめです。ミックスストロベリー味だとクリーム感があります。

トレーニング前の食事はバナナです。消化の時間を考えてという狙いもありますし、味を変えてマンネリを防ぎ、飽きがこないように続けるための工夫という意味合いもあります。
腸が弱くて、タンパク質を摂るとすぐにおなかを下してしまうので、タンパク質の摂取量としては一日合計200g程です。かなり少ない方だと思います。

ご飯に関してはクリーンを意識していて、白米と馬肉、梅干し、漬物くらいです。減量に関しても炭水化物を減らすだけです。
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3つの鉄則ルール

①一つの部位で合計20セット以上やる
②栄養を絶やさない
③過去の自分に負けない

これを個人的な鉄則にしています。
トレーニング中の栄養補給は特に重要だと思います。鈴木雅選手のセミナーに出てからその部分の意識がすごく変わりました。ハードにトレーニングをしていくとアミノ酸の合成率が上がっていくのですが、その合成がピークになるタイミングでペプチドやCCDなどの栄養を入れると筋合成が促進されるので、ゴールドジムのペプチドとグリコのCCDを飲んでいます。これがないとデカくならないです。トレーニング前とトレーニング中、大会中でも飲んでいます。





また、トレーニング中にオススメなのはBCAAです。
筋合成が促進されるタイミングはありますが、その一方で筋分解もされてしまうのでそれを止める働きがあります。僕はエクステンドのブルーラズベリーを飲んでいます。クエン酸を入れるとさらにおいしいです。

リカバリーグッズ

トレーニング前、トレーニング後、家でもアライメントを整える目的で使っているグッズがあります。

まずは骨盤職人。


他にはコンプレフロス3.5mヘビー級などです。
年齢関係なく、トレーニングをするすべての人に必要なツールです。これをやってから怪我をしにくくなりました。
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最近の気づきや発見

ハンドルD(38ミリ)というアタッチメントを持っていて、色々使えるし、刺激の入り方がすごく変わるのでオススメです。
皆、マシンを単純に使うことしかしていないように思います。
それに留まらずもっと変わった使い方や色んな実験をしてみて、そのマシンで何ができるかあらゆるものを試してみることで多くの気づきや発見が得ることができます。
フリーウェイトでも同様です。解剖学や生理、運動学を勉強していくことと並行して、教科書に載っていない種目を探して試行錯誤する時期も必要かと思います。

今後の方向性や目標

高校生ボディビルで優勝を目指しています。
そこである程度の順位に入るとジュニアボディビルにも出れるので、それも目標にしています。

僕は高校生ボディビルを通して大学に向けて動いています。日本体育大学に進学したくて、そのために高校生ボディビルに出ていると言っても過言ではないです。

今後、落ち着いたらフィジークやクラシックフィジークも出てみたいです。ボディビル以外もやってみたい。自分の可能性はボディビルだけではないと思っているので、挑戦したいことだらけです。
今後も頑張っていこうと思いますので、応援よろしくお願い致します。

取材・文 せきぐち