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山岸&アイリス リアルトレーニングセミナー 取材レポート#1

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掲載日:2017.12.12
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2016年、ボディビル世界最高峰のコンテストの一つであるあのアーノルドシュワルツェネッガー主催「アーノルドクラッシック」においてプロボディビルダー212名にてアジア人初、前人未到の優勝を果たした日本人唯一のIFBBプロボディビルダー『山岸秀匡』。
またミスオリンピアにおいてギネス記録に残る10連勝を誇る生きるレジェンド、IFBBプロボディビルダー『アイリス・カイル』。
2017年11月18日、東京/ミッドブレス初台にて開催された、山岸&アイリス リアルトレーニングセミナーの様子をレポートする。

山岸:大変多くの方のご来場、ありがとうございます。アイリスとセミナーをやらせていただくのは今回で2回目となります。自分の近況に関して、前回のオリンピアを欠場して今年はアーノルドクラシックへ復帰をします。
過去数年は212ポンド(96kg)以下に出ていていい成績を残せたかと思いますが、本来の自分の好きな身体、勝てる身体で原点に戻り、理想とする身体で出たいという考えでいます。

アイリスに関して紹介をしますと、ミスオリンピアで10回優勝、男女含めて史上最多の優勝回数を誇ります。しかし残念なことにミスオリンピアは2016年以降は行われておりません。


アイリス(訳:山岸):前回も含めて日本の方の温かい歓迎を嬉しく思います。私が初めてトレーニングをした当初、参考にしたのは雑誌や本、図書館とか本屋さんで売っているものです。その時はコーチはつけていません。
初出場したコンテストで優勝し、その後アメリカのボディビル団体であるNPCに移籍。最初のオリンピアは4位でしたが、2年目からは全て優勝しています。


コンテストに出ている選手に対するアドバイスとしては、いつでも勝ち続けられるわけではなく、負けるときもあるということです。それでもステージに立ち、順位にこだわらず好きでいられるか。コンテストに出る出ないに関わらずに言えることですが、ボディビルをライフスタイルとして、コンテストのためだけでなくモチベーションを作り、情熱を持ち続けることが大事です。

オススメのトレーニング法

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アイリス:身体を大きくすることで言えば、まず栄養が大事です。
ジムの中に限定して言えば、重い重量を全身を使って挙げるよりも、ボディビルとして筋肥大を目的とするならば効かせることのほうが大事です。ターゲットとする筋肉を使って8~12回、6~12回挙げられる重量を使う。

それを基本としますが、時には回数を変えることも大事です。
その他のテクニックとしてスーパーセット、ジャイアントセット、ドロップセット等ありますが、何より身体を慣れさせないことが大事です。そのためには器具を変える、順番を変えることもします。


山岸:自分が栄養に関して言うとすれば、まず自分がどれだけの栄養を摂っているかを知ることが大事です。脂質、炭水化物、タンパク質。 
よくプロテインをどれくらい飲めばいいかという質問を頂きますが、体重から必要量を割り出さないといけません。筋肥大をさせるならば、体重1kgにつき2~4g。合間をとって3gだとすると、100kgの人ならば300gが毎日必要。

そしてそれを一気に摂るのではなく、細かく分けて摂ることが大事。小分けに摂るほど吸収されやすくなるので、ある程度決まった時間で細かくとることをお勧めします。

個人差がありますが、代謝が速いとどんどんエネルギーである炭水化物を燃やしてしまいます。車で言うと燃費が悪いのでどんどん燃料を使ってしまう状態です。それが尽きると今度はタンパク質まで使い始めてしまうので、筋肉を減らしてしまうことになります。

私自身は、もともとなかなか身体が大きくなりにくく代謝が速いタイプなので、エネルギーを多めに摂る必要があります。
あくまで平均ですが、炭水化物は体重1㎏につき3~6倍(g)が1日に必要になります。体重100㎏ならば300g~600gが1日の必要量。こういった説明は難しく聞こえてしまいますが、慣れるとすぐに自分で計算ができるようになります。

経験上ですが、炭水化物をカットすることはあまりお勧めしていません。日本人は祖先から炭水化物が多い食事をしているので、私も色々試しましたが炭水化物をカットしない減量法のほうが上手くいきます。やはり必要量は摂ったほうが良いです。

苦手部位の克服に関して

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アイリス:完璧な身体だと思われていますが、私としては脚のトレーニングが嫌いです。トレーニング中には非常に辛いバーン感がありますが、死ぬわけではないし1分もない。辛いのはせいぜい30~40秒程で済みますし、チャンピオンになりたいか、勝ちたいかを自問自答しながらモチベーション上げています。


山岸:自分の弱点としては上腕三頭筋と背中です。間違いなく言えるのは、弱点は弱点であるということ。25年やっていますが未だに弱点です。この2つの部位がいきなりカイ・グリーンみたいになるわけではありませんので、現実的に考えてこの弱点を抱えながらどう勝つか。

もちろん良くしようと努力はしていますが、10年やって良くならなければもう良くならない。
そこはやはり一生長い時間があるわけではありません。その中で何とかコンテストでプレゼンテーションして勝つにはポーズしかない。

あと、背中はごまかせませんが腕はごまかせます。トップビルダーの中にはもちろん太い選手もいますが、ドリアンイエーツも腕は弱かったし、リー・ヘイニーも弱かった。あくまで他の太い選手に比べれば、です。

アイリスも腕は太いですが、他にももっと太い選手が同じステージにいます。
意外と腕はステージだと隠せます。全体のバランスが良ければそこまで目立たないものです。日本のボディビルチャンピオンで13連覇した小沼敏雄さんも、腕だけで言えば他にもっと太い選手はいました。ただ、背中は隠せません。どうしても。


自分のキャリアの中でもステージではいかに大きく見えるかを課題としたポーズをすることを意識しています。
単純に大きな人がステージ上がったからといって大きく見えるかということではなく、工夫を重ねていかに大きく見せるポーズをとるか、ということです。

そのためにはバランスが大事で、細いウエスト、広い肩と厚い胸、深い腹筋と脚の広がり。
脚の広がりに関しては外への広がりを意識する方が多いのですが、実際は外に広がっている人はあまりいません。
脚の広く見える人は内転筋が発達しています。なので太く見せるならば内転筋です。
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ポージングトランクスを履いた時にデカく見えるのがボディビル。
クラシックフィジークのものを履いた時に太く見える脚と、ポージングトランクスを履いた時に映える脚は違っていて、臀部の横の中殿筋が発達しているとポージングトランクスが引っかかり脚が太く見えます。
 
この中殿筋に盛り上がりがないとポージングトランクスを履いた時に弱く見えてしまい、全体的に重量がないように見えてしまいます。自分が恵まれていたのはこの中殿筋と内転筋が発達しやすかったので、ステージ立った時に20kgくらい重く見える事です。今でもこれはデビューしたときから恵まれていたと思います。

その部分を当時から自分でも分かっていました。

当時、ボディビルのアジアナショナルチームで体脂肪や筋肉量を測定したときに一番筋肉量が少なかったのですが、それでもミスター日本のトップ3には入っていました。なので、自分の体型を活かした見せ方を考えるということが非常に大事なのです。
進歩をあきらめて身体を維持するだけではなくて、限られた時間で結果を出さなくてはいけないので、持っているものの中で自分より大きな選手と戦う時にはどうやって勝つか、その戦略を立てることが大切です。

コンテストのポージングのポイント

アイリス:自分の長所を出していくこと。
ステージに立った時、1000人以上もの観客の前でシャイに、臆病にならないためには自分の長所を見せていくこと。
特に女性の場合は髪型やメイク、ビキニ等ボディビルに限らず色々な要素がありますが、それらを総合して自分の魅力を最大限に出す。

私の場合、優勝のキーとなるのはバックポーズ。背中や臀部のキレ、脚の形。それを前面に押し出して誰が隣に来ても負かさせないという気で臨みます。フロントではそんなに差がつかないので、勝つための自分の長所を探すことが大事です。

フリーポーズで心がけているものは、全ての参加者が知っているような入り込めるような曲を選び、5~7名のジャッジ全員に身体を見せることです。
あとは表情。自分は自信がある、楽しんでいるという事も表現していかなくてはならない。そのためには大事なものはスマイルです。

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