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国際パワーリフティング連盟 殿堂入り パワーリフター福島友佳子 強さの秘密 #1

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掲載日:2018.03.01
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パワーリフティング競技において47㎏級にしてスクワット188.5kg、ベンチプレス136.0kg、デッドリフト173kg、トータル496kgを挙げ(全て日本記録)、日本人女性初となる世界パワーリフティング連盟の殿堂入りを果たし、国内外において多くの記録を保持し今もなお更新し続ける福島友佳子選手。東京都調布のパワーハウスにて、強さの秘密に迫った。
パワーハウス内観。選手達が練習していた。

パワーハウス内観。選手達が練習していた。

ジムのコンセプトは「大人の部活」。

ジムのコンセプトは「大人の部活」。

トレーニングメニュー

基本的にスクワットとデッドリフトを週一でやって、ベンチは週一、できれば週ニやりたいという感じです。

パワーリフティングの試合はギアを装着して行うのですが、最近は怪我もあって、ノーギアの状態で軽い重量しか扱っていません。一発で高重量を挙げる練習はせず、本当に一般的な筋トレとしてやっています。

普段のトレーニングの内容としては、ビッグ3(スクワット、デッドリフト、ベンチプレス)以外の種目はほとんどやっていませんが、ビッグ3の種目の中でバリエーションを持たせています。

例えばスクワットだと、動作にストップを入れたり、デッドリフトでは足幅を変えたり、ベンチプレスで手幅を変えたりとか。男性のトップ選手ではもっと多くの種目を取り入れている人もいますが、私は基本的な種目の中で変化をつけています。

普段の練習もだいたいベルト以外は使わずに行っていて、たまに最後のセットだけノーベルトで行う程度です。
通常の練習では基本の筋トレをやって、試合前の1ヶ月くらいでギアをつけて、ギアと重さの感覚に慣れていく感じです。

3種目のバランスの良さ

パワーリフティング競技はビッグ3の総合計の重量で競うもので、世界で勝ち続けている選手を見ると3種目のバランスがすごく良いんです。
なので個人的には、全部の種目を目一杯やるのではなく、全部8~9割くらいに抑えて、トータルで記録を出すことを重視しています。

何かが伸びたら何かが落ちるという事にならず、最終的にトータルで伸びればいいと思います。2つ3つ欲張るとなかなかうまくいかないので、大会によってはテーマを決めて狙いを絞ったりもします。他の記録も伸びたらラッキー、くらいの気持ちで、わりと確実に行きたいと思っています。

私は元々スクワットが嫌いで、あまり得意ではなかったのですが、そこをきっちりと克服しないと世界のトップ選手には勝てません。


技術の精度を上げて9試技全てを挙げたいところですが、今まではよく冒険をした重量を設定することもありました。

確実な重量を設定していると、周りからは「どうしてもっと重くしないのか」と思われる事もあるかと思いますが、最近では精度重視の重量設定をするようにしています。特に第一試技では、熱が出ていても確実に挙がるくらいの設定をすべきだと思っています。

大会によっても流れみたいなものがあって、他の選手の失敗が続いたりして今回はジャッジが荒れそうだなと思ったら二本目も確実に行ける重量に設定することもあります。

ジャッジによっても違うし、サポートをする人によっても少しずつ差があります。そこは皆同じ条件の上ですが、どんな環境であっても対応できるようにしておきたいです。

食事、サプリに関して

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結構食事には疎いほうです。カロリーの計算等はしないで、ストレス無く好きなものを好きな時に食べています。蛋白質は多めに、とか意識することは多少はありますが、サプリも試合前の1ヶ月にBCAAを摂る程度です。

ただ、47㎏級に出ているので、目安として普段から48㎏を上回らないようにだけ気を付けていて、毎朝体重を測って、重くなっていたら昼や夜に微調整をしたりします。

大会前に急激な減量をしないで、日頃から早めに落としておいて試合の前日には多く食べてコンディションを整えられるようにしています。

休養やコンディション作りに関して

基本的には週に一回、ずっとお世話になっている整体の先生に診てもらっています。あとはスーパー銭湯などでサウナと水風呂に入って疲れを抜きます。何回か入っていると、筋肉が緩んで疲労が抜けていく感じがあるんです。大会近くでギアとかをつけて練習をすると骨まで痛くなる事もあるので、アイシングも兼ねて入っています。単純にリフレッシュできるし、カゼもひかなくなりました。それ以外は普通に、休むときは休むようにしているくらいです。

練習前にストレッチは30分位かけて結構長くやっています。ストレッチをやらないと身体も動きにくく、若い時と違って痛みが出やすい部分も増えてきたので、張りが取れるまでじっくり伸ばします。もともと器械体操をやっていたので、運動前に入念にストレッチをする習慣がついていました。パワーハウスでも、ストレッチポールだったり各々に合わせた大きさの筒だったり、皆自分のやり方でやっています。
最近、トレーニング前にストレッチをしない人が増えてきているようですが、しっかりストレッチをやることで動きを出していく方が良いと思います。

怪我に関して

基本的には病院に行かないので、調べたらずれてるとか、名前がつくような怪我はいくつかあるかと思います。行ってもすぐに治るわけでもないですし。
最近は股関節周りに痛みを感じますが全くしゃがめないわけではないので、軽い重量で股関節周りの筋肉をつけて対応しています。世界のトップ選手も痛いところだらけだと思います。

台湾で金メダルを取った選手で、常に足を引きずったままステージに上がっていたりしました。
皆それぞれどこかしらを痛めていると思います。それでも、それ以上痛くならないような練習方法を各々で見つけてやっていると思うので、軽くても練習はできるだけ休まないようにしています。

続きは近日公開!

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