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ゴルフのためのトレーニング ~ゴルファーは、健康で効率よい身体から、最も利益を得られる~ #5「猫背が全てを台無しに。アドレス時姿勢で陥る肩の痛みを直すための鉄則」

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掲載日:2018.12.19
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アドレス時に猫背になっている。分かっているけど直らないゴルフのフォーム

一緒にラウンドしているパートナー、特にスコアも良いゴルフの先輩から懸命にフォームのアドバイスをしてもらっても、修正できない。そんなことはありませんか?

「背中はまっすぐに!」
「体が開いているから、もっと絞って!」
などなど・・・・・・ありがたいとは思いつつ、理屈がわかってもフォームがなかなか良くならないと、ついこんな思いに駆られてきます。

「なんだかせっかくアドバイスをもらっているのに、申し訳ないな…。」
と、自分自身に苛立ったりする方も多いのではないでしょうか。

筋のアンバランスがC型姿勢(猫背)の要因

それもそのはず、姿勢は“意識で直す”ものではなく、“崩れた筋肉バランスを整える”が正解だからです。

崩れた筋バランスは、アドレス時に背中を丸くし、バックスィングは回りづらくなり腰を痛め、無理に回そうとして今度は肩が痛くなります。
もともと弱っている筋肉は伸ばされてさらにストレスがかかり、固くなっている筋肉はもっと固くなる悪循環に陥ります。

こうなると姿勢はますます悪化し、動作がスムーズに行えないばかりか次々といろんな箇所に痛みが発生してくるでしょう。
こんな状態で「はい、もっと背筋を伸ばして!」と檄を飛ばされても、筋肉のバランスが崩れてしまっていれば、それを意識だけで改善することは不可能なのです。

そこで、今回のコラムからは、特にスィング動作中のC型姿勢(猫背)に大きく影響される「肩」に関して話をしていきたいと思います。
記事画像2

肩関節は、体の中で最も動きが大きい関節です。

肩関節は“球状関節”といわれる形状をしています。人間の体の中では肩関節と股関節だけがこの形状です。
この形状の関節の特徴は何といってもその可動域の広さです。
単独の関節で考えた場合、肩関節と股関節だけが全方向に動くことができます。
従って、ゴルフスィングに限らず肩関節に痛みがあり、その動きに制限がかかってしまうと、求めている動作を実行するのはとても難しくなります。

筋肉のアンバランスが引き金に。

肩の不調は、前述のように上半身筋肉群のアンバランスで引き起こされることが多いです。
特に現代人の日常生活を見ると、体の動きの変化が乏しく、長時間同じような姿勢で過ごすことが多いですよね。(デスクワーク、PC作業、スマートフォンやタブレットPCの使用など。)
このような状態だと静的な姿勢ストレスがかかり、その姿勢を保つための筋肉(姿勢筋)は短縮していき、使用していない筋肉(動作筋)は弱体化していきます。

少し話がずれますが、“肩こり”で困っている方も全くこの状況に陥っています。
業務の関係で同じ姿勢をとることが多い方がよくなっている印象です。
特別なことをせず、一般的な肩のエクササイズをご紹介するだけでほとんどの方の症状はほぼ100%改善されていきます。適度な運動が好影響を与えるといういい例ではないでしょうか。

さて、このような生活習慣の中において、チェコの神経学者であるブラミディア・ヤンダ博士は多くの人に同じパターンで筋のアンバランスが起きていくことに気づき、そのパターンを「上半身交差症候群」と名付けました。

その筋アンバランスパターンは、

弱体化(伸ばされてしまっている筋肉):
背中から脇にかけて(僧帽筋下部と前鋸筋)
首(前側)(頸部屈曲筋群)

短縮化(収縮してしまっている筋肉):
肩から首(後ろ側)(僧帽筋上部と肩甲挙筋)
胸 (大胸筋と小胸筋)

この筋のアンバランスがC型姿勢(猫背)の要因となります。このような傾向がある方は、アドレスを構えた時に背中が丸くなっていることでしょう。

ここからバックスィングでクラブを挙げていくときに胸椎の回旋がうまくできないので、肩で無理にクラブを持ち上げる。
弱体化している筋肉はさらに伸ばされてストレスがかかり、同様に短縮化している筋肉はさらに縮んでストレスを受けます。(“スィングショルダー”[ゴルフ肩]といわれる状況です。)
姿勢が悪いと動作がスムーズに行えないだけでなく、肩に痛みや違和感が出てきてしまします。

筋力/柔軟性の低下も要因。

もう一つは、肩関節周辺の筋力/柔軟性の低下です。
先ほど触れたように、肩関節は身体の中で最も動く関節です。
しかし、運動不足などで肩を動かす機会が減り、さらに日常生活でも同じ姿勢ばかりだとしたら・・・当然のことですが肩関節周辺の筋力や柔軟性は低下し、肩の動きは悪くなってしまいます。いわゆる“四十肩”のような状態ですよね。
こんな状態でゴルフスィングをすると、肩周辺に痛みや違和感が起こり得ます。
その結果、インパクト直前にリード側の肘(右打ちの場合は左ひじ)が折れて脇が開いてしまいます。

スィングのスピードを殺してしまいパワーロスにつながる。あなたが打ったボールは弱々しい高弾道のボールになっていませんか?

まとめ

肩の痛みや違和感を誘発する要因は以下の2点です。

・悪い姿勢(猫背:肩周辺筋肉のアンバランス)
・肩の筋肉の筋力/柔軟性低下


正しい姿勢が取れるように弱体化している筋肉(背中から脇にかけて)を強化する。
短縮化している筋肉(胸と肩から首にかけて)を緩めてあげる。また、筋力/柔軟性向上のために、肩の筋肉(アウターマッスルの三角筋、インナーマッスルのローテーターカフ)の強化と可動域を広げてあげる。

そうすれば、おのずと肩の機能が改善にゴルフ動作がスムーズに行えるようになります。

次回のコラムでは、これらの身体的制限を改善するエクササイズを紹介したいと思います。
  • 中井 大輔(なかい だいすけ)
    【経歴】
    盛岡医療福祉専門学校非常勤講師
    NSCAジャパン東北地区アシスタントエリアディレクター
    盛岡大学付属高校硬式野球部(2017~)
    専修大学北上高校男子サッカー部(2018~)

    山形大学理学部時代にはスキーに明け暮れ、卒業後は一般企業へ就職するも、スキーやスポーツの想いを断ち切れず渡米。スポーツ指導の専門家を目指し、野球では2006年・07年に全米チャンピオンになったDivision1のオレゴン州立大学へ編入。米国NSCA認定Strength & conditioning specialistの資格習得。大リーグのシンシナティ・レッズでのインターンシップや大学でのトレーニング指導を通じて数多くの指導経験を積み、帰国。帰国後は、フィットネスクラブの店舗マネージャーや野球の指導を専門に、神宮大会や甲子園大会へ出場を果たす。’17年よりCREDOへ加入しトレーニング責任者を務める。