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NSCAジャパン S&Cカンファレンス2018講演レポート コンバットスポーツのためのストレングス&コンディショニング 潮田健志 #1

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掲載日:2019.04.01
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格闘技要素があるスポーツ(ラグビー、アメフトなど)ではコンバットセッションが行われている。
本講演ではコンバットセッションの導入、基礎、応用、実技を通して、1対1での組み勝つ技術、タックルやテイクダウンに繋げる技術やトレーニングを紹介。

コンバットセッションに必要な体力を養う、特別な器具を使用しないパートナー同士で行えるエクササイズやアニマルウォークなどのエクササイズを実施した。
NSCAジャパン S&Cカンファレンス2018における講演をレポート!
講演:潮田 健志氏(NSCA-CPT, 認定検定員, G-kenトレーニング, 元早稲田大学ラグビー蹴球部S&Cコーチ, 元ラグビー日本代表コンバットセッション(アシスタント))

アシスタントコーチ:藤岡 裕士氏 立正大学コンバットコーチ,パーソナルトレーナー,全日本選抜レスリング大会3位


今日は今までの指導の中で実際に取り入れてきたトレーニングや考え方を紹介していきますので、ぜひそれらを持ち帰って活かして頂ければと思います。

僕の今までの経緯として、柔道、レスリング、総合格闘技をやっていました。
師匠の高坂剛が日本代表のサポートに関わっていて、そこにアシスタントとして入っていました。そこでやっていた練習をラグビーに当てはめるようにいろいろアレンジしてメニューに取り入れています。

コンバットプログラム 4つの構成

コンバットプログラムは段階や目的別に大きく分けて4つに分けられます。

コンバット体操
マット運動やアニマルウォーク、モビリティを上げる。

コンバットスキル
どういった動きをあるかを知り、身体に染みつけさせる反復練習。

コンバットフィットネス
ランダムストレングス。人と組んだり、人を担いだりすることでかかる様々な方向への負荷に対応することが目的。

スパーリング
実践に近い形式を用いて競技に繋がるようにやっていきます。

最初の段階ではコンバット体操から初めて、次のプログラムまでは3週間程反復練習してもらいます。
スパーリングにおいては、テイクダウンをさせない、組んで押し合い、触るだけといった感じで条件付きで導入することもあります。
最終的には完全に倒すテイクダウンまでの流れを組みます。こういった順番立った積み重ねをしていくことが指導側としても選手としても大事だと思います。

コンバット体操のプログラム

ワニ、クマ、アヒル、エビ、前転、後転、ブリッジ等が代表的です。
アニマルウォークの目的はダウンスピードの獲得やアクティベーション、上下様々な角度から環境を見ること等があります。
これらは選手にはあまり細かく伝えすぎずにキーワードだけ伝えるようにします。
ここではバービーとワニをご紹介します。
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バービー
バーピーとも言いますが、レスリング会ではバービーと呼ばれています。
手をついた状態でスタートして、床に胸をつけ、背中を反らせてすばやく立ち上がる。背中で跳ね上げて身体の反動を使うことを覚えます。
タックルに入った後の動作ですごく大事で、これができるかできないかで次の動きも変わってきます。
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ワニ
対角線でバランスを取りながらできるだけ低い姿勢をキープして、腰の高さが一定になるように上下しないで進んでいきます。これができたほうが、タックルが入りやすくなります。

コンバットスキル

ここでの目的は、攻めとディフェンスがしやすい構えを見つけ、間合いを掴み相手を制圧すること。
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どの姿勢が攻めやすいか、低い体勢のまま動いてどの距離から技やタックルに入るか、どう捌いたら防御できるか等を身に着けてスパーリングへ臨みます。

目線は前、構えは低く。攻めと守りがしやすい構えとして、前寄りに重心がある「勝ちポジション」と呼ばれる体勢を推奨しています。
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組手
距離が近くなれば組手が出てきます。
攻撃、ディフェンスのスペース確保、タックルに入る前のスペース確保や相手との距離をつかみます。
相手の内側をとり前にプレッシャーをかけ、そして手は適当な位置に置くのではなく、相手の関節を取る事が非常に重要です。

構えのときにはどちらの足が前でも問題ありません。
わからないときには、例えば後ろから押された時に自然に前に出る側の足や、股くぐりをする時に入り込みやすい側の足などを試してみることもありです。
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相手の肩や首の付け根と肘の内側に手を当てて動きを抑え、プレッシャーをかけていく。
これは意外と力を使わず、あてがうだけのイメージです。
タックル
相手の動きを抑えた状態からタックルに入って、手を膝裏に回して密着して自分の体勢をつくる。スピードを意識して一歩で入っていきます。入ったあとに密着が甘いと簡単に抜けられてしまいます。

今はゆっくりやっていますが、現場の選手ではもっと速くスピードを入れて行います。実際のタックルはゆっくり考えている時間はなく、チャンスがあったら反射的にすぐ行える程でないといけません。

テイクダウンからのリロード
テイクダウンしてからの動きを次に繋げることを目的とします。構えのまま最短で踏み込んでテイクダウンし、自分にとってベストとなるタックルを身につけていきます。ポイントは胸で当たることです。


続きは近日公開!