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NSCAジャパン S&Cカンファレンス2018講演レポート
アミノ酸摂取の新常識 ~運動のPre・Intra・Postに求められるアミノ酸について~
第3部 (公財)日本オリンピック委員会/(公社)日本フェンシング協会ナショナルチームコーチ 和田武真氏 #2

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掲載日:2019.03.27
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アスリートが本来のパフォーマンスを十分に発揮するには、普段の食事に加えてアミノ酸等の栄養素を補足的に用いる事が鍵となる。これら栄養素の補給に関して運動前・中・後のベストタイミングで摂るべきアミノ酸を紹介する。

本セミナーは3部構成になっており、第1部ではスポーツサプリメント先進国であるアメリカの事例を紹介、第2部ではアミノ酸に関する最新スポーツ栄養学についてスポーツ栄養士から紹介する。そして第3部ではスポーツ栄養士と、フェンシングナショナルチームコーチによる対談形式で実際の現場で摂るべきアミノ酸について議論する。
NSCAジャパン S&Cカンファレンス2018における講演をレポート!

それぞれのサプリメントの狙い

鈴木氏:では、BCAAの方はどういった狙いで取られるのですか?

和田氏:筋たんぱく質の分解を防ぐ目的です。
衝撃が激しく、レッグランジをずっと踏み続けているような感じです。多い日ですと一試合で100回近く踏み込む場合があるので、足に相当な負担がかかります。

鈴木氏:ではIntraのBCAAは主に筋分解によって筋肉のダメージをある程度緩和することを目的にしているということですね。

和田氏:そうですね。

鈴木氏:では、グルタミンの方の意図はどういった事でしょうか?

和田氏:グルタミンは免疫力の向上ということを目的にしています。今、風邪と言いますかインフルエンザがすごく流行っていまして。昨日、一昨日と東京でやっているワールドカップですけども、やはり外国の選手も日本の選手も、何人かインフルエンザになっています。

そういった事を考えると、免疫力の向上とか日頃のケアも大事なのですが、やはり常に試合が終わった後のケアというのはすごく大事だと思います。
フェンシングは3日間というスパンで考えています。今はPostという概念で私はお話をさせて頂いたのですけれど、PreのPre-workoutという位置付けで、試合は終わっているけれども、その次のためのPre-workoutの準備に入っているという感覚で取り組んでいます。

鈴木氏:Pre Pre-workoutという。

和田氏:そうですね。

鈴木氏:新しい言葉ですね。確かに今お聞きした通り、長時間に渡って何本も試合をして消耗度が高いという点で身体が弱っているので、どうしても感染症へのリスクが高い状況にあって、それへの対策という事で考えておられるのですよね。そして体調を整えて次の試合に向かうというPre Preの準備という事ですね。

和田氏:そうです。

鈴木氏:興味深い使われ方だと思いました。では実際に、選手がどんな風な事をおっしゃっているか伺いたいのですが、例えばシトルリン・アルギニンを使って、選手は感覚的にはどういった感想を持っているのでしょうか?

選手の体感と効果

和田氏:去年の話ですがアジア競技大会の中で、ナショナルチームの一人がシトルリン・アルギニンを使ってプレーをしています。
その中で、アジア競技大会で金メダルを団体で取り、その前も国際大会でグランプリを獲った女子の選手が言っていたのは、やはりそれらを摂ることによって集中力やそういった部分への影響があるということです。

色んな表現の仕方があって、選手によっては目が覚める、頭が冴えるなど。また、身体は疲れているが頭が動いてくれるというのもありました。

鈴木氏:面白い感覚ですね。とても集中力が必要だとおっしゃっていましたけれど、そこが良い感じに刺激が入ると。

和田氏:はい。身体は本当に動かないのですけども、でも頭が動いている。そういう事を言うくらい、非常に集中しているということを聞きます。

もう一人は12月の全日本選手権で、ベテランの選手が逆転の末に優勝したということがありました。彼はものすごくシトルリン・アルギニンを欲している選手の一人でして、運動する時間も非常に長く継続するし、集中力が高まる、身体が軽いという表現の仕方もしていました。

鈴木氏:選手にとっては身体が軽いという自覚、知覚はとても良いですね。動きにとっても後押しになりますね。

どうしてもシトルリン・アルギニンと言うと、血管を拡張させて血流を促進させて、その先に持久力を上げたりですとかパワーの出力を上げたりという事を求めている節があったのですが、競技によっては脳や集中力などの方への体感が大きいと。

和田氏:今回はそれが本当に功を奏して、選手がそういう感覚を持ってくれたというのが、すごく嬉しかったですね。

各サプリメントの作用と応用

和田氏:シトルリン・アルギニン・グルタミンの効果とフェンシングとの関わりを見て、こういう仮説を立てながらこうやったら効果を期待出来るのではないかというのを、色んな先生方と相談しながら作っていますが、逆にそれをやっていく上で、例えば他の競技というのはどういった観点でそういった可能性や効果を期待しているのかという点にすごく興味があります。

鈴木氏:私が現場でサポートをしていて感じているのは、やはりパワーを継続して発揮出来るという事を言われていますね。
例えば、Jリーグの選手にシトルリン・アルギニンを使わせているのですけれども、彼らにしてみると、90分の中でスプリントを何回も発揮しなくてはいけない。

終盤になってもスプリントを継続して発揮出来るというような事を体感する選手が複数おりますので、そういう意味では少なくともサッカーにおいてはパワーの持久力を上げるということを現場では見ています。

また、血管を広げるとか血流を促進するというのは本当によく言われているのですが、更に他の研究で面白かったのが、シトルリンの摂取によって血管の弾力性が上がる、しなやかさが増すという結果が出ている部分です。

私たちは年齢を増す毎に血管は固くなっていきますし、高血圧になると非常に危険です。
血管のしなやかさが保てるというのは非常に興味深いですし、LDL(悪玉コレステロール)を低下させることも分かっているのです。

なので、血管のしなやかさが保ててLDLも下げるという事ですと、シニアのスポーツ愛好家の方における突然死のような、現場で起こる心配な事例をある程度抑制出来る可能性があります。
そう考えると、シニアスポーツへのシトルリン・アルギニンを展開するというのも一つのポテンシャルじゃないかなと思っています。

和田氏:国際フェンシング連盟にも50歳以上を対象にした「ベテラン」というカテゴリがあって、世界選手権があります。

心拍数が一気に上がるようなスポーツでもありますので息があがり過ぎてもいけないし、膝や足腰の部分も考えながら色々トレーニングを考えながらやっていきます。
そういったところでも、補助的な部分で補いながらやっていけるのも良いかなと、今ふと思ったところです。

鈴木氏:現場で応用が出来そうですので。やってみてください。

サプリ摂取は長期継続か短期にすべきか

和田氏:それに付随して、もう一つ気になっている事がありまして。
そもそも、私はどちらかというと、依存的なものに対して正直抵抗があります。長期的にシトルリン・アルギニンを使用するという事がどうなのかなと。

ただ、今のお話を聞いていると、ちょっと良いのではないかと。
血管の弾力性が増したりするという事は、考え方によっては悪くない部分もありますし、その使用頻度や摂取するタイミングについての実際のところを聞いてみたいです。

鈴木氏:実際に、選手は大会前にだけ使われているのですか?それとも普段から使われているのですか?

和田氏:先程の2名は大会の時にしか使っていないのです。
特に高いパフォーマンスを発揮しないといけない時にだけ使って、普段との効果の差を体感している。

鈴木氏:劇的に体感したいという事ですね。

和田氏:ちなみに、自分の場合は飲ませる時にその効果をあまり言わないようにしています。
紹介はさせて貰ったのですけれども、あまり言ってしまうと先入観みたいなものが入ってしまいます。そうではなく、生の声を聞きたかったというのもありますので。

鈴木氏:何も情報なしで使ってみて体感がしっかり生まれているということですね。
私自身も二つの考え方があると思います。大事な大会の時だけ使う。それもアリだと思います。

そうすると、普段とは違う劇的な、は言いすぎかもしれませんけど、しっかりとしたパワーの出力の上がりとか集中力の維持というようなものをちゃんと自覚出来るという点で良いと思います。

一方で、日々継続して毎日3gのシトルリン・アルギニンをずっと継続していくとどうなるのだ、という事なのですが、そもそも、自然素材のものですので、健康に関しては全く問題ないです。

ずっと使っていると効かなくなってしまうのではという点に関しても、日々、パワーの出力を上げないといけない時にちゃんと上げるトレーニングが出来ますし、血管が広がり血流を促すことから、栄養や酸素の通りがスムーズになりますので、運動をするための身体の条件が整いますよね。

疲労もちゃんと抜けるようにという事を考えますと、しっかりと追い込んで質の高い練習が出来ますし、その練習をこなす為の身体条件も整っているという点では、より普段の日々の練習が、質の高いものを継続出来て体力の向上などに繋がります。
大きな体感はないかもしれませんが、身体条件が整う状態をずっと継続出来るということは良いかなとは思います。

和田氏:出来れば継続させてあげたいなというのもありますね。総合的に考えたならば。その前提として、ちゃんとした食事もですよね。

鈴木氏:そうですね。和田さんの言葉を借りてまとめるならば、日々の生活の食事をちゃんと整えて、そして、機能を期待するように、上手く取り入れていく、ということですね。

和田氏:そうですね。

鈴木氏:そんな風に使っていってくれたらと思って、応援しております。ありがとうございました。